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模擬戦

「それにしても今日は疲れたなー」

ギルド本部に戻ってすぐにルルはログアウトした。


「そんなに難しい人だったのかい?」


「マスター、俺がコミュ障ってこと覚えてないのか?」


「あ、そういえばそうだったね。今でこそこんなに元気に話せてるけど昔は凄かったもんね。何一つ話そうとしなかったもんね」


「まあ今日の俺のことはどうでもいいんだ。この後、やらねえか?」


「それは、一対一の模擬戦という解釈で大丈夫かな?」

ギルの目が笑った。


「ああ、大丈夫だ」


「よし、じゃあ修練場に行こうか」


「ぃやったぜ!久しぶりにマスターが許可してくれたー!」

俺はスキップしながらギルドの地下に造られている修練場へと向かった。


「スキル無しな?マスター」

「それは、ソラがキツイんじゃないか?」

「マスター......。俺の攻撃力知ってるだろ?」

「ああ」

「それに、HP半損で決着だこれなら俺でも十分勝てるはず」


「負けても文句は聞かないからな!」

「それはこっちのセリフだ。マスター」

それにしても、やっぱり笑うんだな。ギル。


目の前のカウントが5になり──


0を示して消える。バトルスタートだ。


「そういえば、武器の使用は制限されていなかったな」


「いや、マスター?そこはこう、年上の慈悲とかそういったので......」

「問答無用!」


「うわっと!」

ギルのやつ絶対やばい。絶対に俺に勝ち譲る気無い。

「手加減って言葉知らねえのか!」


「模擬戦で手を抜いたら意味ないだろう!」

正論を振りかざしギルが縦横無尽に剣を振る。


「うおおおお!」

俺はそれを右に左に、間一髪で躱していく。


「くそ、あぶねえな!」

「そんな悠長にしていていいのかソラ?」


「んな!?」

気づけばすぐ後ろでギルが剣を振り始めていた。


「おま!今俺は誰と話してたんだ!?」

確かに俺はギルと話してたはずだ。


「私の......妹さ!」


「気持ち悪いわ!このシスコン!」

あ、やべ。

「僕の、妹が、気持ち悪い......?」


「そんなことは言ってない!待て!話を聞け!」

「問答無用ぉ!」

しまった!こいつ妹という言葉の前後はなんでもかんでも妹のことに繋げる変な頭を持ってたんだった。

流石にこれはかなりのやらかし......。


「うお!危な!そい!」

さっきよりも速度が上がった連撃がこれまた縦横無尽に襲ってくる。


「何故だ......。何故躱す!」


「いや躱すだろ!?躱さなきゃ俺負けるんだから!」

「妹が、そんなに嫌いか!」

「お前言ってることが無茶苦茶だぞ!」

無茶苦茶な発言とは裏腹に、ギルの剣筋がドンドン鋭くなってくんだけど......!?


「うおおおおお!妹をバカにした奴は許さん!」

ダメだこいつ......。


「いい加減に、し、ろ!」

大振りの一撃を最小限の動きで躱し、懐に入って殴り飛ばす!


「『挑発』」

これで大振り誘発して五発今のを叩き込む。


「はぁあ!」


「もらった!」

大上段からの大振りをしっかりと回避し、左右の回し蹴りのような蹴りを二発づつ入れる。


ギルがたたらを踏んだタイミングで盾を投擲。

HPが黄色ゲージに突入し、試合終了の音楽が流れる。


「は!俺は何を?」


「マスター、記憶は残っていませんとか許さねえからな」


「なんの事だ?私は確か模擬戦でソラに襲いかかって......あれ?」


「はいはい、負けた言い訳は聞かないぞマスター」


「ま、待ってくれソラ!頼むもう一度!」


「残念だが、リアルの方で飯の時間だ」


「なん......だと......」


「てことでまた後でなマスター!」

泣き崩れそうなギルを横目に、俺はログアウトする。

そういえば、他の奴らは今日どこ行ってたんだろ?

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