初のVRMMO
作者はVRMMOに対して無知なので、
教えてくださるとありがたいです。
では、VRMMO無知の作者が書くVRMMOです。
どうぞよろしくお願いします
VRMMO。従来のアバターを背後から見る三人称視点から、実際に自分自身がそのゲーム内に入り込み、一人称視点でその世界を冒険するゲームのジャンルの一つ。
当然、MMOであるため、多数のプレイヤーが同じ世界に立ち、それぞれがしたいことをする。
VRMMOとは、人類が創り出した仮想世界。
もちろん当初は多数の課題を抱えていた。
あまりにも馬鹿げたデータ容量、多数のプレイヤーの同時ログインによるサーバー負荷、その他諸々。
が、今年──西暦2030年、ついにVRMMOゲームが創られた。
それが、フリー・スタイル・オンライン。
通称FSO。
公式曰く、日本初のVRMMOゲームであるため、
自由をテーマにしたらしい。
このゲームは、日本中に住む異世界に憧れる者や、
非リアルを体験したい人など、数多の人が買い求め、
発売日にVRMMOプレイ専用機(ヘルメットの様な被りもの)と、
FSOのカセットが一瞬で完売した。
「なあなあ、今日もFSOやらね?」
「お、いいぜ。今日で20レベル位まで行きたいな」
「ん?今日やるの?私も行くよー」
当然、リアルから離れられるゲームという娯楽は、瞬く間に子供の間でも広まり、今ではやっていない方がおかしい、とまで言われるようになった。
発売されてから1ヶ月しかたっていなのにもかかわらず。
俺の高校でも手を出し始めたやつが多い。
だが、そいつらはまだまだひよっこ。
レベル30もあればいい方。悪いやつはまだ10にもいっていない。
そして、このレベルが、現実のクラス内カーストにも大きく関わる。
やっていないやつはもはや存在していないものとみなされ、
話しかけても誰も返事しないなどはざらだった。
俺のクラスのカーストトップに君臨するのは
レベル38の大原 優希が率いるパーティの5〜6人(名前は忘れた)。
そいつら以外はみんな30前半か、20後半。
「おい、天城、ジュース買ってきてくれ」
「わかった」
そして、俺は唯一カーストトップ勢に絡まれる男。
そういえば自己紹介していなかったな。
俺の名前は天城 空。もちろん俺も異世界で遊んでいる。
レベルは既に70を軽く超えている。
それなのに何故カーストトップ勢にパシリにされているのか。
理由は簡単だ。
トッププレイヤーだと俺が表明すれば、俺は嫉妬の嵐に晒されるだろう。
俺の成績は学年3位。
頭もいい上にゲームでも強い。
絶対に狂ったやつに殺される。
2つ目。俺の異世界での役職。
異世界ではそれぞれ役職が選べる。
前衛で戦闘をこなす前衛職。
同じく前線で主に味方の防衛を担当する盾職。
傷付いた仲間を即座に癒す治癒職。
後衛で強力な魔法を放つ魔法職。
索敵、罠の発見、解除、遊撃、なんでもこなす探索職等々......。
様々な職が選べる。もちろん、同じ職を選んでもその人の戦闘スタイルによってその後の成長の仕方は変わっていく。
で、この中でもっとも嫌われやすい職、盾職に俺はなっている。
盾職はその名の通り、守ることが重要だ。
しかし、能力的に攻撃力が低く、足も遅い。
その上、序盤では火力でゴリ押した方が安全なため、盾職につくものはドンドン減った。
結果、付いたあだ名が経験値喰い。
と、まあこんなことで俺は上位パーティについて行ってレベルだけあげたクズ野郎のレッテルを貼られないように、
こうやって異世界に行っていることを隠してひたすら雑用に徹しているという訳だ。
最後の授業終了のチャイムがなり、帰りのホームルームが終わった。
と同時、通勤ラッシュならぬ下校ラッシュが発生する。
もちろん俺もそれに巻き込まれるように入っていく。
これが起こるようになったのは約一か月前。
要するに、これもVRMMOが原因ってことだ。
家に着き、制服を脱ぐ。トイレだけ済ませてベッドに寝転び、
VRMMO専用機を取り付ける。
右側にあるスイッチを押し、電源を起動。
視界が光に呑まれて行く──




