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5.聖剣でんせつ、その2



 そのあと、なんやかんやありつつも、無事に聖剣をゲットした俺とメア。そこらへんは省略で良いかなと思う。


 ……え? いや、そりゃあ省くよ。だってそこまで重要なイベントじゃあ無いもんこれ。

 神官さんの手前、一応メアを叱りつけはしたものの、俺だってこの聖剣が重要ではないことは分かる。


 まぁ普通の基準で考えれば……、物凄いレベルの武器であることは疑いようがないのだけれども。

 残念ながら、神様ですらも計り知れないレベルの強さを持つメアともなれば、あっても栓無いものとなってしまう。


 ……いや、凄い物ではあるんだよ!? 俺一人の旅だったら、泣いて喜ぶレベルの代物だと思う、実際。

 ただ悲しいかな。

 メアという物差しが大きすぎるというか、底が知れないというか。スケール感覚が麻痺してるのはあるよなぁ。


「当然といえば当然だけど、やっぱり俺は触ることすら出来ないなぁ」


 聖剣を持ってみようと思ったがだめだった。磁石のS極同士みたいな感じかな、バチッっと弾かれる。


「メアは当然持てるみたいだけど……、やっぱお気に召さない感じ?」


 俺が聞くと、メアは「そりゃあな」と目つきを更に悪くした。


「選ばれたからか何か知らんケド、急激に剣が軽くなりやがった。モノを持ってる感覚が全然しねぇ。これじゃあ逆に、斬れるモンも斬れねえよ」


 そんなふうに、選ばれし者であることに悪態をつくメア。

 ……力を与えられて文句言うやつなんて、お前くらいなもんだよ。


「で、結局コレをどうしたら良いんだろうなぁ師匠。さっきのジジイに見せに行けばいいのか?」

「神官さんな。じいさんくらいの呼び方はまだ良いけど、ジジイはやめなさい。

 んーっと……そうだな。何にせよ報告に行くか。さすがに情報貰えるだろうし」


 そんなわけで神殿へゴー。

 ちなみに二日ほどかかると言われていた洞窟・神殿間の距離も、俺たちにかかれば五時間ほどである。魔力で身体能力を強化しているから、走ったりするのも速くなるのだ。……地味に、こういう時短が出来るのは良いなぁと、チート魔力に感謝だ。


 そうこうしつつ神殿へ戻ると、神官さんが何だかとてつもなく嬉しそうな表情で俺たちを出迎えた。帰還オメデトウパーティーでも開催されそうな勢いである。


「ついに……! ついに聖なる剣を取得してくれたのじゃなっ……! この日を待ちわびたぞ勇者たちよ! ……本当に長かったんじゃよ。苦節三十年、ワシ、ここの神殿の係じゃったからのう」


 それはちょっとしたイジメではないのだろうか。あぁいやでも、仕方なしに出かけた勇者(冒険者)は俺らくらいのもので、他の人たちは普通にテンション上げて挑んでたのか。……全員失敗してたみたいだけど。


「そうなんじゃよね……。誰かが聖剣の封印を解いてくれんと、ワシ、いつまでもここに居なきゃいけないし……。二十四時間、誰が来るか分からんもんじゃから、実はそんなに眠れんし……」

「おおう、それは大変でしたね」


 地味にエゲつないな、封印を見守る神官も。


「あ、本当だ。さっきまで光って無かった宝玉が、すげー光ってる」


 神殿内を見渡してみると、割と雰囲気も変わっていた。

 薄暗かったのが、今は目に見えて明るい。松明にも様々な色の炎が灯り、錆びれていた不死鳥の銅像も、今は元気よく翼を広げていた。


 ……正直な話、やや不気味で辛気臭い場所だと思っていたけれど、こんなにも変わるもんなんだな。

 神官さんの喜び具合も、まぁ分からんでもない。


「さ、さて、それじゃあ俺たちはこの聖剣を使って、邪神を倒しに行くとしますので。そろそろ場所を教えていただいてもいいですか?」

「お、おぉ、そうじゃったのう! ……よろしい。それでは教えてしんぜよう。

 邪神・ペギルカルゴスの封印は、もう間もなく解かれることとなる。そもそも邪神とは、人々の心の中に住まう邪悪な魂を贄に――――」

「あぁもうそういうの良いから! 場所だけ! 場所だけお願いします!」


 さっきからメアのセリフが無いのは、実はこの場にいないからである。

 ……絶対こういう展開だと思ったし、この展開に対してヤツならキれる。火を見るより明らかだ。

 なので俺は最初からメアをこの神殿の中に入れなかったのだ。


 というか神官さんよぉ。

 もう間もなく封印が解かれちまうんじゃなかったのかよ。


「西の王都じゃ! ここから西へ丸一日ほどかかる、タヴァリス城付近に、邪神は現れるじゃろう!」

「タヴァリス城っていう王都なんだな!? そこに向かえば邪神を倒せるわけね!」

「う、うむ、そうじゃ」

「よし、それじゃあ向かってサクッとやっちゃいますわ。ありがとうございました神官さん。

 おーい、メアー! 分かったぞー」


 神官さんに軽く頭を下げ、メアの元へと俺は向かう。


「う、ううむ……、何だか害虫駆除の業者みたいな対応じゃのう……」


 悲しそうな声が聞こえてくるが、メアの機嫌とは天秤にかけられない。不機嫌モードになると、秒単位で俺への仕打ちのグレードが変化するのだ。カンベンしてほしい。






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