オレ達の一ヶ月 ♯01
4月遂に俺は入部を果たした。
顧問が来るまで待機ということなのでしばらく待つことにした。
近づいてくる長身の男、三摩である。
「なぁなぁ可愛い娘おった?」
「そればっかりやんけ」
「ちゃうやんちゃうやん」
「なにがよ」
「マネやん(マネージャー)」
「いっしょやんけ」渾身のツッコミをお見舞いしてやった。
集合!!
「ヨシ!」
いきなりの掛け声にで遅れてしまった。
ノソノソと190cmくらいの男がやって来た。出来るだけ目ではなくデコを見るようにした。
「今日からお前らの監督になる西野や」
そういうと監督は去っていった。
そしてキャプテンらしき人物が「じゃあ今日はここまでで」と言い軽やかに走り去った。
呆然とする1年。
「え、帰っていいの?」 「どうする?」 口々に喋っている。
俺はただの部員で出しゃばる所ではないと思いながらも、「聞きにいこうや」と口が動いてしまっていた。
ピタッと話し声が止まり俺の方を向く
行くしか無くなってしまった。
「お,,,俺が聞いてくるわ」
誰も何も言わない、これが普通なのである自分でもこの出しゃばり癖を直したいとおもっている。
「ほんまに行くん?」と三摩
「行くしかないやろ」
そう言ってヅカヅカと体育教官室まで行く。
監督や他の先生方は2階にいたので階段を上がる時に帰りたくなる気持ちが強くなっていく。
息を整えて軽く拳を握りスナップをきかせてトンットンッ
「失礼します。西野監督はおられますか?」
「なんやぁ」とふてぶてしい声が帰ってきた。
「あの...きょ.今日はこれでお終いなのですか?」緊張しすぎておかしな話し方になってしまった。
「そうや言うたやろ、お前らおったら邪魔やねん。春(春の大会)も近いねんし」
心の中で(エグイ)と叫んだあとに、「では明日のぉ集合時間は...」
「外周しとけ。じゃあ」
もうこれ以上は続かないと思い退出
「これ...えーこれ皆んなに伝えんの?」
階段を下りチームメイトのところへ戻る。
「どうやった?」と顔を近づけてくる坊主ども
俺は満遍の笑みで答えてやった
「明日から外周だってよ」
空気が凍り皆んなの顔が死んでいった。