第4話
ブーッ
「はーい昨晩の犠牲者は…栗山桃香さんでーす。やーっと夜の犠牲者が出た。くくっ」
その声に頭が真っ白になる。
「嫌!!死にたくない!!絶対に嫌!!」
栗山先輩が暴れて抵抗しているのが見えるが今の自分は無力だった。
なぜ気づけなかった。後悔ばかりが頭を過る。
「カハッ」
突然苦しげな声が聞こえてはっと顔を上げると先輩の胸から刃が生えていた。
いや違う椅子から出た刃が先輩の胸を貫いているのだ。
そしてすぐに先輩はドアに飲み込まれた。悔しさに涙が滲みそうになる。
しかし今止まってはいけない。誰よりも悔しさを感じてるであろう優が結果を告げる。
「霊能結果は黒。占い真狼だったので真也の考え通りなら猫真狂かな?ますます放置といったところ。」
それを聞いて即座に勢い良く手を上げる。皆が少し驚いた顔をする中瑠璃は壮馬の方を向いた。
「壮馬。もし占い結果が白なら伏せて。それで進行、指定も壮馬がやって。そうしないとボルコン噛みが来るだけになっちゃう」
壮馬は即意味を理解したのか
「今日は白占いだったので伏せます。昨日優が言ったとおり寡黙グレー詰めるから綾川さんと風雅は考察お願い」
と続けた。そして優が
「以後白伏せ占い進行に切り替え把握」
と即座に答える。この村でなら勝てるかもしれないという淡い期待が瑠璃の胸に満ちる。
と、ここで寡黙グレーとして今日の吊り先候補の綾川さんが口を開く。
「役チャレが来ないってことは欠けを追わせたい噛みなんじゃないの?ボルコンが来てるってことはそうだね霊能の欠け追いをさせようとしてるんじゃないかな。言い換えればそれだけ狼が追い詰められてるってことなんじゃない?」
瑠璃はその考えが村視点なのではないかと思った。
周りもそうだったようで風雅が狼なのではないかという空気が流れ始める。
風雅は何も言えないようで顔が真っ青になっている。壮馬は綾川さんをじっと見つめていたが
「今日は攻めの指定を入れたい。今日だけは失敗が許される…いや本当は命が掛かっているから失敗していい時なんてないのだけど。綾川さん指定」
周りも相当驚いたようだ。勿論瑠璃もだ。
攻めの指定とは言っても圧倒的に村目があったのではないのか、と疑問しか湧き上がらない。
もしかして風雅を占って白が出てるのかとすら思ってしまう。
綾川ちゃんの不満気な顔を見て何かを思ったのか
「いや、やっぱり風雅指定だ。綾川さん狼なら結果が気になるところだし今日が終わって2wなら絶対にあることが起きるはずだ。狩人がいない気がするしね」
風雅はなんとか生き残ろうと言葉を探しているようだがついぞその口から抗議の言葉が出ることはなかった。なぜなら時間が来てしまったからだ。
「ほんっとつまんない。どうせ投票すぐ終わるんだろ…だっる。はい、投票したらヘッドホンつけてね…ちっ、予想通りかよ。茶宮風雅が綾川楓投票でそれ以外は茶宮風雅投票ね。もういいよこの流れ。誰か指定に逆らうとかないわけ?くっそつまんないんだけどー。はいもうね自発的に毒殺される姿勢くらいしてくれない?どうせわかってんだから」
GMはいらついたように言うと風雅は黒づくめに毒殺されて引きずり込まれていった。
「はあ?まだヘッドホンつけてないやついんの?殺すよ?さっさとつけろって言ったでしょう?ほら早く。はい、夜になりましたー」
ごごごっと慣れた音がして壁が出現する。
瑠璃は壮馬を守ると決めていたいたのでぱぱっと操作をして大切な人が抜かれないようにと祈った。