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第3話

ブーッ

「犠牲者なしなんですけどー…つまんなっ!はい2日目どうぞー」

瑠璃はそのセリフに頬が緩みそうになるのを必死で耐えた。

皆も少し雰囲気が明るくなった。

「霊能結果白。破綻吊りするね。今日は美羽吊り。昨日喋ってない栗山先輩、綾川ちゃん、風雅くんには喋って欲しい。」

「占い結果、栗山先輩白。多弁位置にいるのより寡黙から見つけたい。寡黙3人いたからその中に1wいると見つけきれないかもだから。で、ずっと震えてた栗山先輩占い」

壮馬が理由をつけて栗山先輩に白を打つ。

勿論黒が出たほうが良いのだが白が出てその人を味方だと認識するとどっと安心感が溢れ出す。

「占い結果ないよ…霊能生きてたら無駄だから霊能生きてるの見たら結果言わないって決めたもん…運が無いなー…」

霊能結果によって破綻し霊欠けも押さない美羽は人外なのだろう。

でも守れて良かった…嬉しさにまたも頬が緩みかけるのをありったけの意志の力で押しとどめる。

そしてここからは村目を取れない人から殺されていくゲームになるのではないかと考えながら昨日と今日見てて思ったことを言ってみる。

「吊り決まるとやっぱり発言量とか落ちちゃうのわかるけど綾川ちゃんと風雅くんどっちかに狼いそうな感じある。潜伏…綾川ちゃんと風雅くんのどっちかに1w。多弁に1wいると思う」

すると風雅が少し震え声で

「僕の対立軸が綾川なら綾川は人外だと思う。潜伏狼にしてはお粗末な作戦とも言えるが異常なこの状況なら怯えてる村人として振る舞うのはそう難しくないだろうから。そして村と狼の大きな違いは直接人を殺す意識だと思う。それを考えてもなんのアクションもない寡黙であり綾川は狼でも何もおかしくない」

と答えた。すると即綾川ちゃんが

「ん?それ同じことが風雅にも言えると思うけど?そもそもここで対立軸としてあげられたからって私をピンポイントで殴って発言が伸びるのは吊り逃れしたい狼に見えるけど?」

と答える。どちらの言ってることにも頷ける部分がありどちらが狼かわからない。

そもそも瑠璃が対立軸としてあげてしまったが2人とも狼ではないという可能性もある。

考え込んでいると優が

「今日は美羽吊りなのは皆把握してるね?明日は寡黙に目を向けるから今日中に綾川ちゃんと風雅くんは殴り合いをしてね。今日はその2人メインの議論にしましょう。」

と指示を出す。

美羽は顔に表情を浮かべておらず虚ろな目で優をぼんやりと見ていた。

「沢山人狼をしてきたはずなのに言葉が出てこないものなのね。私は狼じゃないとしか言えない自分が歯がゆい」

綾川ちゃんが下を向きながら言った。その表情は見えない。

「狩人がGJ出したなら明日にも期待をするよ、明日GJで縄が増えれば狼を吊れる確率が高くなるからね」

風雅くんも話す。中身のある話ではなくともその1つ1つをしっかりと聞き見極めようと努める。優が壁にかかっているストップウォッチをちらっと見て

「投票時間になるね、美羽吊りだよ」

と感情を押し殺したような声で言った。

「はーい。時間だからねー。お手元の端末で投票どうぞっと」

GMの声が響く。

皆が無表情に投票するのを瑠璃は悲しい気持ちで見た。

こうして人としての気持ちを失ってしまうのだろうか。

「はーい浅野美羽以外は全員が浅野美羽投票ねー。いやー指定役がいて代わり映えしない投票だね、つっまんなー。浅野美羽は無投票でランダム投票か。じゃ浅野美羽ちゃんさよーならー」

楽しそうな声に憎しみが湧き上がる。

美羽は毒を含まされて苦しそうな声をあげたものの反抗することなく死んでいった。

人の死に慣れるような感覚が怖くてたまらない。

「処刑完了。さっさと準備しなよ。はい壁カモン。誰が死ぬかな…?くすくす」

スムーズに壁が出てきてまたヘッドホンをする。

もう守る人は決めていた。昨日と同じ壮馬で良いだろう。

頼むから今日もGJ出て…。祈るような気持ちで手を組む。


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