第1話
12a猫(狼3占1霊1狩1狂1猫1村4)
co→カミングアウト
村の勝利条件:狼を全滅させる
狼の勝利条件:生存村人数と生存狼人数が同じになる
非日常に生きたいと願う人はあまりにも多い。
どこかここではない場所で。
どこかここではない環境へ。
そう、ありきたりな日常よりも刺激を求めて誰もが夢見る非日常。
しかし非日常が輝くのはありきたりな日常に戻るからこそ。
気付かぬ愚か者に光なき夢を。
非日常を夢見る者よ永遠なれ。
「ん…」
桜庭瑠璃は目を覚ました。
「ここは…?」
瑠璃自身がたち上げた人狼研究会の合宿に向かっていた最中に貸切バスの中に黒づくめの人が入ってきて…それから?
目を完全に開けて動こうとすると動けない。
驚いて自分の体を見ると鎖で椅子に縛り付けられていた。
あたりを見回すとどうやら瑠璃は円卓についているらしく一緒に合宿に来ていた全員が同じように円卓に沿った椅子に縛り付けられている。
皆は互いに何が起きたのか理解できていない顔を見合わせ状況を確かめようとした。すると
「やーっと起きたの?僕待ちくたびれたよ」
突然スピーカーから若い男の声が響いた。
「どうせ何が起こったんだ…とか誰なんだ…とか思ってるだろうからぜーんぶ説明する。だから一言も口を挟むなよ?挟んだら殺すから」
どこかふざけた声なのに威圧感のある声はそういうと一瞬沈黙した。
「まず僕はGMさ。GM。君たちには馴染み深い単語なんじゃないのー?
もうこの円卓で察してるかもしれないけど今から君らにはリアル人狼をしてもらうよ。
なんで、とかやりたくないとかは受け付けないから言っても無駄。
じゃあルールとか仕様とか説明するからよーく聞いてねー。配役は12a猫欠けあり。
ここに11人しかいないからね。全員にはゲーム前にゲーム端末を配る。
スマホ依存の君たちのためにスマホにしといたからありがたく思いなよ。
んで、そこには役職が書かれてるし投票も能力の実行もそれでやるわけ。
狼は狼グルがあるからそこで話ができる。ただし狼チャットは夜時間にしか使えないからね。
昼には議論を夕方には投票を夜には能力の実行をすること、これは普通と一緒だよね。
ただ夜時間には会話漏れやら音メタを防ぐために音楽が流れるヘッドホンを必ず着用すること。
更に動きなどでわからないように一人ひとりを囲う壁が出現する。
はいここまでで理解が追いついていないばかはいる?」
煽るような調子でふざける声に反応する人はいない。
しかしわかる。皆がこのありえない状況に恐怖していることが。
「じゃあ、続けるね?
吊られた人はその場で毒殺されて椅子ごと各椅子の後ろにあるドアの部屋に引きずり込まれる。
噛まれた人はその場で刺殺されて同じく後ろのドアの部屋に引きずり込まれるから。
投票は同数の場合ラ・ン・ダ・ム」
含み笑いをしながらルール説明する声にもう耐えられなかった。
これが夢なら覚めてほしいと強く願いきつく目を閉じるが状況が変わることはなかった。
「もうルール理解できた?めんどくさいから役職端末配るねー。
僕は優しいから壁出してあげる。まあ思う存分リアクションすればー?
あ、この様子はログとして残すし録画もするから僕が君たちを簡単に紹介しよう。
えへん。桜庭瑠璃、人狼研究会の設立者で部長。奈倉壮馬、桜庭瑠璃の彼氏。
蔵原優、桜庭瑠璃の親友。藤崎真也、蔵原優の彼氏で奈倉壮馬の親友。
栗山桃香、蔵原優の陸上部時代の先輩。あーこれ以降は特筆すること特にないから端折っていい?
正直だるいわー。白石結奈。綾川楓。五十嵐ミナト。茶宮風雅。浅野美羽。小野ゆかり。
はい全員紹介したよね。壁ゴー!」
ふざけたGMの言葉が終わると同時に前と左右に壁ができ、黒づくめ−GMなのかその配下なのかはたまた違うのかわからないが−が端末を配り始めた。
すっと差し出された端末を瑠璃は震える手で受け取った。
そっとタップすると…「貴方の役職は狩人です。毎晩1人を守ることが出来ます。連続護衛可」と文章が浮かび上がってきた。
狼ではなかったため少なくとも人を直接殺さなくてもよいのだという安心感、間接的にでも人を殺さなくてはならない恐怖、そして自分の恋人や親友がどの役職なのか、同じ陣営なのかという心配がごちゃまぜになって瑠璃は俯いた。
設定から何から無理がありすぎる()
出来すぎた犯罪は犯罪として成り立たないけどあくまで小説としてお楽しみいただけたらと思います。