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好敵手

拙い文章ですが、読んで下さる皆様ありがとうございます。

このゲームでは、各攻略対象それぞれにもれなくライバルが付いてくる。

令嬢の婚約者だったり親兄弟だったり。


リラ・グライエル攻略には、このラーシュ兄弟がライバルとして現れる。


まず、弟のアドニスは同じ学園同じ学年で、リラの幼馴染み、1番の理解者だとしてベッタリくっついていて主人公を近づけまいとする。

もしもの時は是非とも頑張って頂きたい。

ベッタリはしてほしくないが。


それも突破して親密になっていくと、次に出てくるのが兄のウィリアム。

親の力を持ち出して、リラを嫁にすると言い出して立ち塞がる。

それはやめていただきたい。

別に騎士団長にもグライエル家当主にもならなくて良いが、侯爵夫人とか面倒臭い。

もっとなりたくない。


ここまででもうお分かりかとは思うが、この幼馴染み兄弟はリラが本当は女だと知っている。

何しろグライエル伯爵とラーシュ侯爵は互いに無二の親友だと言い、それはそれは仲が良い。

家族ぐるみのお付き合いで、私が産まれた時もうちの邸にいらっしゃった。


なんかもう仲良すぎて娘達の間でゲイ疑惑が浮上している。

長女と次女が腐女子化しそうでちょっと心配だ。


話がそれた。


今の父上とウィリアムの様子から、どうやらウィリアムはゲーム通りリラに好意を持っているようだ。

あとはアドニスがどうかだが…。


面倒なので、様子を見ておいおい判断しよう‼


「父上。ウィリアム様とアドニス様も揃いましたので、稽古を始めましょう」


取り敢えず、さっさと稽古を終わらせよう‼


「そうだな。では、始めるか」


そして稽古が始まった…。






結論。キツイ。


前世じゃ学生時代はバリバリの文化部、社会人になってからもバリバリのインドア派。

そんな私ですが、転生してからの10年で大分鍛えられていたため身体は全然ついていけるのだが、駄目です心が折れそう。


何しろ野郎共3人ともリラに甘いのだ。


走り込みでちょっと躓こうものなら休憩しようと言い出す。

素振りのペースがちょっと遅くなろうものなら休憩を提案する。

打ち込みで模型に弾かれようものなら駆け寄ってきて休憩を…以下略。


稽古にならんだろうがやる気あんのか貴様ら‼


と怒鳴りそうになるのをぐっと堪え、にっこり笑って「大丈夫です。続けましょう」と言い続けた私の精神はズタボロです。


取り敢えず、アドニスも好意持ってるわ。

態度でわかったもう大丈夫。


こいつらを上手く使って未だ見ぬ主人公を何とかする方法も考えておこう…。


………バカと何とか……間違えた。

何とかとハサミは使いようって言うからね‼


間違えて自分の手を切る事態だけは避けなきゃならないけどね‼


「今回の稽古はここまでにしよう。皆疲れたろうから、お茶にしようか」


父上はそう言うと、庭の一画にあるテラスを指す。

そこにはアザレが控えていて、どうやら既にお茶の準備が成されているようだった。


すごいなアザレ‼流石出来るメイド‼


私はダッシュでアザレの元へと向かった。

一刻も早くこの精神にスリップダメージ与えてくる野郎共から逃れたい一心で…。







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