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四面楚歌?

大分間があいてしまいました…。申し訳ありませんm(__)m

「いやぁ。まさかこのタイミングでフリジア様とリランドが婚約するなんてね」

「私も驚いたよ…」

「いや、俺達も相当驚いたからな!てか、どうにか出来なかったのかよ!?」

「出来るわけ無いだろ!王妃様が証人で立ってて、伯父様…プリムヴェール公爵まで居るんだぞ!?婚約しなかったら下手したら伯爵家ごと取り潰されるわ!」


 やっぱり婚約を責めてくるラーシュ兄弟。まぁ黙ってる事は有り得ないと思ってたが。

 今日は王子2人主催のお茶会に3人揃って招待されていた。と言っても内々のもので親しい子息だけが呼ばれていたので比較的気楽だった。


「まぁ、仕方ないよね。プリムヴェール公爵だって姪を守る為に最善策を取ったんだろう」

「そうですね。ご本人も姉上達もそう言ってました」

「そうだとしても、まだ早くないですか?」


 ルークの言葉に私が同意すると、アドニスが食って掛かってきた。


「もう15歳だ。早くは無いだろう。アドニス、君も婚約してもおかしくないんだぞ?」

「兄上がまだなのに俺が先に婚約するわけにはいかないでしょう?」

「遠慮するなよ」

「いやいや、やっぱり順番ってものがあるでしょう?」


 今はお茶会は終わり、城内の一室でレギアスとルークとラーシュ兄弟と私の5人でお茶をしている。打ち上げみたいなものか?が、レギアスがアドニスが絡み始めた。ちょっと助けてやるか。


「順番は兎も角、皆もいい加減婚約しなよ。特にレギアスとウィリアムは跡取りだろう?」


 レギアスなんか国を背負って立つからね?キチンとした王妃となれる女性を娶らなきゃ。

 と皆の為を思ってした発言で気温が一気に下がった気がした。


「…随分余裕な発言だなぁ。リランド」

「プリムヴェール公爵令嬢が婚約者だもんなぁ。将来安泰だなぁ」


 王子2人が低い声で呟く。しまった。話の矛先をアドニスから反らそうとしたら此方に来た。


「フリジア以外にも素晴らしいご令嬢は居るでしょう?そもそも王妃様がプリムヴェール公爵家の出なのですから、フリジアは暗黙の了解で候補から外れていたでしょう」

「まぁね。でも、候補のご令嬢方も中々手強い方が多くてね」


 ため息混じりにレギアスが答える。あ、でも婚約者はちゃんと探してたんだね。良かった。


「王子からの婚約の申し出を断るご令嬢が居るんですか?」

「それ、リランドが言う?」


 私の言葉にウィリアムが即座に突っ込む。それに皆揃って頷くし!いや、別にご令嬢だったら断らなかったかもしれないじゃん!多分辞退したけど!


「居るんだよ。例えば…リランドの姉君達とか」

「え゛?」


 ルークの言葉に間抜けな声が出た。

 まさかの身内?てか家にそんな話来てたの?


「エリーゼ嬢とトリア嬢には婚約の打診をしたんだよ。見事に断られたけどね」


 レギアスが苦笑いで言う。そんな話いつの間に!?


「エリーゼもトリアも容姿端麗頭脳明晰。社交界を彩る紅玉碧玉だと評判だったんだよ」

「そう。で、兄上…というか僕達の婚約者候補に上がったんだけど、見事に断られた」


 ウィリアムの言葉にルークが同意する。姉上達、そんなに評判良かったの!?確かに美人だし、頭も回るし、護身術まで習得して腕も立つけど!


「トリアはハッキリしてたなぁ。『本命が別に居る方とは結婚したくありません。と言うかその本命の方が私にとっても大事ですので』って」

「エリーゼはやんわりしてたけど、やっぱりハッキリしてたなぁ。『他に想い人がいらっしゃいますよね?私をダシに想いを遂げられようなど為さらないでしょうが、私は私を想って下さる方と添い遂げたいと思います』って」

「王家の血を残すのは、貴族の子女の務めでは…?」


 姉上達のまさかの義務放棄に唖然とする。


『だからそれ、リランドが言うか?』


 私以外全員が見事にハモった。お前ら仲良いな。


「まぁ、正直断られると思って打診したって言うのもあるんだけど。そうすれば傍目には2回もフラれて傷心で婚約者探しに踏み切れないって体で居られるだろう?」


 なんだそれ?姉上達はまんまと利用されたって事か?

 と言うか、この言い草だとまだ王子達は諦めてないのか?


「本当に皆、いい加減諦めて婚約者見つけなよ。実際このままでどうするつもりで居るんだよ?」


 実際本当にコイツらはどうするつもりなのか?ゲームなら別に報われない当て馬の行く末なんてどうでも良いが、今はゲームの舞台とは言え現実だ。レギアスもウィリアムも跡取りとして家を護る義務がある。私が無理なら他の令嬢を娶って子を残さなければならない。アドニスとルークだって、兄が駄目なら弟が血を継がなければならない。いつまでもリラを諦めないなんて言ってられないのだ。


「…まぁ、形振り構わないなら権力による実力行使かな?」

「僕は駆け落ちかなぁ」

「俺もそれで」


 レギアスとルーク、アドニスが口々に答える。いや、諦めろよお前ら。


「僕は…」


 1人ウィリアムは口ごもる。やはり侯爵家の跡取りとしての責任を自覚しているのか。


「アドニスに家は任せて駆け落ちかな」


 まさかの責任転嫁!?


「お前ら皆諦め悪すぎんだろぉぉお!!」


 いい加減諦めろよぉぉ!!


 私の叫びは廊下まで響いたが、人払いがされていた為室外の人間の耳には届かなかった…。








読んで下さる皆様有り難うございますm(__)m

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