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姉妹水入らず。

1ヶ月も空いてしまいました…。

申し訳ございません。m(__)m

「お姉様方は知っていたんですか…」

「それは、まぁ。私は招待客で身内だし」

「私もよ」

「私も」


 口々に答えるお姉様3人。


「私達は知りませんでした!」

「フリジア様とリラお姉様が婚約されるなんて!」


 憤慨したように言うリンドとシェリー。


 暖かな昼下り、今日は庭のサロンで姉妹全員でお茶をしている。


「言ったら反対して何するか分からないからねぇ。リンドとシェリーは」

「姉離れというか、兄離れというか、出来ていないからねぇ」


 トリアお姉様とサーシャお姉様がため息混じりに呟く。

 そんな2人を見てエリーゼお姉様は苦笑いを浮かべた。


「私達も大概妹離れ出来ていないけど。まぁ、世間的にリランドとして生きていくには結婚はした方が良いでしょうし、これが最善策なのよ」


 そう言ってやっぱり憤慨していたリンドとシェリーを宥める。その言葉や仕草は優雅で落ち着きがあり、私達妹はエリーゼお姉様に諭されると何故か反論出来ないのだ。リンドとシェリーもまだむくれてはいるが納得したようだった。


 エリーゼお姉様は長女だからか妹全員の模範となるような淑女だ。他家に嫁いで若奥様と呼ばれる様になってからは更に気品が増した様に思える。

 勿論姉妹皆淑女教育を受けているので、マナーや言葉遣いダンス諸々においてきちんとした立ち居振る舞いが出来るらしいが、家だとどうも素になるのか、トリアお姉様はサバサバし過ぎているし、サーシャお姉様も何て言うかお転婆な感じだし。リンドとシェリーは姉に囲まれてるから言葉遣いとかはキッチリしてるけど、私に寄ってくるご令嬢やラーシュ兄弟に睨みを利かせる位だからなぁ。気は強いわ間違いなく。


 5人の姉妹達を見てしみじみ思う。旦那さん、大変だろうな。と。


「…でも、フリジア様との婚約、つまりは結婚はストレイタ様には活路よね?」

「あら。トリアも気付いていたのね」

「え。何ですかそれ?」


 トリアお姉様の言葉にエリーゼお姉様が悪戯っぽく笑った。珍しい表情と気になる発言に咄嗟に問い掛ける。


「ストレイタ様には活路?フリジア様とリラの婚約で男女問わず皆諦めざるを得ないのでは?」

「まだまだ甘いわね。サーシャ、リラ」


 ビシッ!とトリアお姉様が私達に言い放つ。それを見てエリーゼお姉様は苦笑した。

 甘い?ストレイタの活路とは…。


「リラは、リラの跡継ぎをどうするつもりでいるの?」

「跡継ぎですか?」


 トリアお姉様のいきなりの問いに思わずオウム返ししてしまった。そもそもまだ跡継いでもいないのに更にその跡継ぎとは。随分と気が早い。


「跡継ぎはお姉様方か妹達の子供を養子に貰うしかないかと思っていました。誰かには2人以上子を産んでもらはなくてはならないので申し訳ありませんが…」

「子供が多いのは喜ばしい事だし、旦那様も家程では無いにせよ子供は何人か欲しいと仰っていたから良いのだけれど、様は姉妹の子を跡継ぎにすると言う事よね?」


 エリーゼお姉様の旦那様…お義兄様と呼んでくれと言われてたなそう言えば。お義兄様はそんなに子供が欲しいのか。ラブラブだな。


「そうですね。それしか手は無いと思います」

「それを、ストレイタ様も出来るのよ」

「は?」


 トリアお姉様の言葉が理解出来ない。


「妹…フリジアの子を跡継ぎに養子にすると言う事ですか?無理ですよ。私達では子供が出来ません。それとも、フリジアに他の男の子を産ませるのですか?」


 フリジアが良ければ誰と付き合ってくれても構わないが、そしたらまずその子はうちの跡継ぎだろう。2人以上フリジアに産んでもらはなくては。


「違うわよ。世間的には妹夫婦からの養子でも、ストレイタ様の子供が跡継ぎになれる方法があるのよ」


 世間的には妹夫婦の子供。でもストレイタの子供。とは、まさか…。


「まさか、お姉様…」


 トリアお姉様の言葉で私と同じく気付いたらしいサーシャお姉様が口を開いた。


「ストレイタ様の子供をリラが産むって事ですか?」


 やっぱりそう言うことだよね!?いや、でも無理だから!


「そうよ。まぁ、ストレイタ様がリラを落とせなければ無理だけど」


 じゃあ無理だ!確かにストレイタはイケメンだけど!そりゃもうプラチナブロンドに翠眼で何かやたらキラキラした王子様系だけど!従兄弟だし!法的に問題なくても血縁者だし!


「あら、落とせなくても可能性はあるわよ?例えば、リラの将来の為にプリムヴェール公爵家はフリジアを犠牲にしたのだから、見返りに跡継ぎを産めって迫られたら、リラはどうするかしら?」


 トリアお姉様にそう反論するエリーゼお姉様。

 それは困る!流石に私の為にフリジアが犠牲になったって言われたら何も言い返せない!


「…でも、プリムヴェール公爵家の血を継ぐ子供って言ったら、父親が誰であれお姉様の子供であれば公爵家の血筋となりますよね?」


 ポツリとリンドが呟いた。確かに。そもそも私も公爵家の血筋だからね。


「でも、他の男の子供を養子にはしたくないでしょうね。それに、例えばアドニスとの子供で銀髪碧眼なんて産まれたら世間的にはフリジア様の不貞が疑われるし。リラが子供を産むとしたら父親はストレイタ様が1番安全なのよ」


 リンドの言葉にトリアお姉様がつっこむ。いや、そもそも子供を産むとか言ってないんだがな私。


「まぁ。つまりはストレイタ様は諦めずに攻めてくるだろうから、頑張りなさいって話よ?」


 エリーゼお姉様が悪戯っぽく笑って言った。

 頑張りなさいって言われても。ストレイタも将来は公爵を継ぎ、宰相は継ぐものではないがそれを目指して学んでいる。つまり、頭も回るし口も回るんだよなぁ…。回りの男性陣割りと皆そうだけど。身内だからと油断して逃げ場が無くなる様な事にはならない様にしなきゃなぁ…。


 フリジアをも掻い潜ってきそうな難敵に思わず頭が痛くなった。












よんで下さる皆様ありがとうございますm(__)m

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