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傾向と対策・改

保存ミスしたのか、半分しか投稿されていなかったので、修正しました。

〇月△日

ギャルゲーの主人公が実在しました。しかも憎き前世自分の仇と同じ顔でした。以上。


…って違う‼予想外の出来事にアホな日記を書いてしまった!

自己紹介が終わりホームルームも終了し、学園内の施設の案内や、各教科担当の先生方からの今後の授業の説明等を受けて初日は終了となった。

アドニスと共に寮に帰り、チェスでもしないかとの誘いに考えたい事があるからと部屋に籠った。

そして今、憎い初心者マーク野郎……と同じ顔をしたカナン・クーゲルをバッドエンドに叩き落とすために、記憶にあるゲームの内容を書き出そうと机に向いノートを開いたのだ。 

確かこのゲームは各攻略対象毎にバッドエンド、グッドエンド、ハッピーエンドが用意されていた。後、誰のルートにも入れなかった場合の孤独バッドエンドとノーマルエンドがあった。

ノーマルエンドは普通に卒業して騎士になりました。というもの。

孤独バッドエンドは成績が悪くて騎士になれず、実家に帰って小さな店の店番で終わる。


出来れば騎士になって欲しくはない。騎士になられたら卒業後も同じ職場。これからの人生、あの憎い顔をずっと見て生きていくのは御免だ。

心が狭いと言うなかれ。あの初心者マーク野郎のせいで親どころかじーちゃんばーちゃんより先に死んだのだ。最大の親不孝は親より先に死ぬこと。と聞いたことがあるが、これでは親不孝どころかじじばば不孝までしてしまったではないか。最悪だ。

その元凶と同じ顔を見て生きていくなどやっぱり御免だ。

となれば、カナン・クーゲルが騎士にならないエンディングを目指さなければならないのだが…。


孤独バッドエンドは私が干渉してどうにか出来るものではない。

ならば、誰かの攻略ルートからバッドエンドに落ちて貰うしかないのだが……。


ここで問題が発生した。


このゲーム、自分でプレイしていないから全キャラのルートが分からない‼

て言うか全キャラちゃんと覚えていない‼

前世では攻略サイトとか見ていた筈だが、流石にそこまで覚えていない様だ。

そもそもこのゲーム、前世の男友達の和哉がプレイしているのを見ていただけなのだ。

和哉は重度のオタクで、中学からの付き合いだった。偶々漫画やゲームの趣味が合い、腐れ縁でズルズルとつるんでいた。

そこそこのイケメンだったが、『3次元の女は怖い』と言う残念なイケメンだった。

ちなみに『私も3次元の女だけどな!』と言ったら鼻で嗤われた。あ、思い出したらムカついてきた。

前世でそんな扱いを受けていたから今世でイケメンにちやほやされると違和感を感じるのだろうか?


それはさておき、リラ・グライエルと、あと2人位はちゃんと攻略したのを見た筈だが……。

今、リラ・グライエルのルートしか思い出せない。


取り敢えずリラのルートは、ハッピーエンドにはなかなかシビアな条件が付いていた。

この学園では学年末に必ず試験があり、リラはゲーム上の仕様で必ず1位を取るようになっていた。

主人公はリラから1位を奪わなければ、どれだけ好感度が高くてもハッピーエンドにはなれずグッドエンドになってしまうのだ。リラから1位を奪うためには、実技試験で行われる5人の勝ち抜き戦で優勝しなければならない。この実技試験、5人目に立ち塞がるのはヒロインのリラ・グライエル。

これがチートレベルで強く、まず勝てない。ほとんどのプレイヤーが負けイベントだと決めつけた程だ。

だが、ステータスを上げに上げれば勝てない事もないのだ。

そしてハッピーエンドでは、リラよりも優れた騎士になり、リラを令嬢に戻し、伯爵家に婿入りする。


リラから1位を奪えず、ステータスと好感度が一定に達しているとグッドエンドになる。

これは二人共騎士となり、リラから『いつか私よりも優れた騎士になってくれ』と将来を期待されて終わる。


そして大切なバッドエンド。これがなかなかエグい。

リラルートに入ったはいいが、好感度もステータスも低いと騎士にもなれず、挙げ句フラれる。

そこで終われば良いが、何故か主人公はフラれた腹いせにリラは女だと告発するのだ。

だが、誰から見ても立派な騎士である上に、公爵家の血を受け、王子と従兄弟の立場であるリラが女だとは誰も信じず、不敬罪と名誉毀損で罰せられる。

……馬鹿だなぁ。


このリラルートのバッドエンドは理想的だ。


だが、このバッドエンドに落とすには、リラルートに入って貰わなければならない。

それはつまり……。


今まで必死に回避しようとしていたお色気キャラにならねばならないと言うことだ‼


いやいやいやいや!無理だから!イヤだから!


でも初心者マーク野郎をバッドエンドに叩き落としたい‼

どうしたら良いんだ⁉


思考が行き詰まった私は、アホな一行日記の書かれたノートに頭を抱えて突っ伏した……。










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