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エンディング?3

もう少しだらだらと続きます。

お付き合い下さる皆様ありがとうございますm(_ _)m

 なんか、呆気ない最後だったなぁ。


 これでクーゲルはフリジアの誘拐は認めなくても私への傷害未遂と侮辱罪が確定したからただでは済まないだろう。これで前世の私の復讐は終わったのか。

 …正直まだすげぇ腹は立ててるけど、本人の胸倉掴んでボコボコにしてやりたいけど。いや、マウンティングでボコボコにしてやりたいけど。いや、天井から逆さ吊りにしてサンドバッグにしてやりたいけど。なんだ俺も死んだんだから良いじゃないかって。良い訳あるかクソが。お前が死んだのは自業自得じゃボケが。巻き添え食って死んだこっちはひとつも報われねぇわクソが。

 ……父上に頼んであいつの刑罰に加えてもらえないかな。サンドバッグ。


 なんて考えながら部屋から引き摺り出されるクーゲルを見送って居たら、肩に手を置かれた。

 振り返るとブラッド先生が険しい顔でこちらを見ていた。

 ……あ、やべ。クーゲルが何で私が女だって知ってたか追及される。


「グライエル。話がある。場所を変えるぞ」

「…はい」


 有無を言わせぬ圧力に、私は小さく返事をした…。








 場所を変えると言って連れてこられたのは学園内のブラッド先生の部屋だった。

 来客様に用意されているソファにテーブルを挟んで向かい合って座る。


「何故、クーゲルはお前が女だと言ったんだ?」

「…何でですかね。心当たりがないんですが…」


 リラが転生者ではなかったら本当に心当たりは無いだろう。私はあいつと同じ転生者だから心当たりはあるが。そんな前世のゲームの記憶です。なんて言っても信じてもらえないし。


「まさかとは思うが、クーゲルと恋仲だったりしないよな?」


 ーバンッ


「今までもこれからも人生で誰か男と恋仲になる事があったとしても、あいつだけはないです」


 思わずテーブルに手を叩きつけて自分でもびっくりする位低い声で凄んでしまった。

 てか、恋仲ってなんだ!それじゃ私から性別を明かしたみたいじゃないか!大体、ずっとバッドエンドに落としてやりたいって思ってた相手と恋仲なんてありえないだろ!

 未だに収まっていない怒りにさらに油を注がれて先生にも腹が立ってくる。動物だったら牙むき出しにして毛ぇ逆立ててグルグル威嚇してる。多分今の私の表情は生徒が教師に向けていい表情じゃない。


「……悪かった。1年以上同じクラスで、更に寮生活だ。クーゲルがどこかで怪しむ事があったのかもしれないし、アイツの家は大手の商家だからな。あらぬ噂を聞いて鵜呑みにしたのかもしれない」


 私の剣幕に押されたのか、先生はすぐ謝ってくれた。

 分かってくれれば良いんです。でも、何か納得させる理由がないと先生の不信感は消えないだろう。何か上手く使える話はないか……あ。


「商会同士でのあらぬ噂だとしたら、ホルザ商会が出処かもしれません」

「ホルザ商会?……去年の誘拐事件か」


 伯母様は絶対逃さない様に徹底的に根回しをして潰すと言っていた。だからまだ潰したわけではないが、ホルザ商会の経営は大分傾いて来たらしい。

 それで逆恨みしてグライエル家についてある事ない事言い触らしてるかもしれない。という事にしたら良いのでは?これなら信憑性もあるのでは?

 ただ事実確認されたら困るからその辺上手く誤魔化さないと。


「はい。報復の為に伯母様が潰しに掛かってるんです。それを逆恨みして、我が家にとって何か不名誉な噂でも流しているのでは…と」

「有り得ない話ではないか……」


 おぉ!信じた!もう一押し!


「そしてあらぬ噂を流されたとして、それが特に広まっていないのであれば、聞いた相手も信じない様な噂なのでしょう」

「それが『リランドが実は女』という噂か」

「それだけではないかもしれませんが。あくまでも可能性です。まぁ、信じられず広まらない根も葉もない噂なら、特に気にする事もないでしょうし」

「まぁ、そうだな」


 よっしゃ丸め込んだぁぁ!そんな事しない奴だとか言われたらどうしようかと思った!ホルザよ小悪党でありがとう!


「私は女だと思われる様な行動は取っていないと思っています。先生の目から見ていてどうですか?至らない所があれば直したいと思います」


 姿勢を正して真っ直ぐ先生の目を見て訊いた。

 先生は僅かに目を見開いた。驚いたのか?何か変な事訊いた?


「いや、そうだな…至らない所はないと俺も思う」

「そうですか。なら良かったです。これからも精進して行きたいと思います」


 よし。取り敢えずこれで何とかなったか?変に探られるとまた前世の事とかフリジアの事とか面倒だからな。

 出来るだけ早くクーゲルに地獄見せてやりたいし。


「先生。時間も遅いですしそろそろ帰った方が良いかと思うんですが」


 これ以上は話す事もないだろう。学校終わってから面会に行って帰って来てだから結構な時間になっていた。


「あぁ。そうだな。遅くまで悪かった。気をつけて帰れよ」

「はい。失礼します」


 立ち上がって礼をし、ドアの前でまた礼をして部屋を出た。



「それでも女に見えてしまうのは、俺に問題があるんだろうな…」



 退室した後だったので、先生のその呟きは私には聞こえていなかった。







ホルザ商会はリランド誘拐事件の時の娼館の経営者の表の事業です。チラッとしか出て来て無いので補足致しますm(_ _)m

毎年夏休みになると誘拐事件が起きる世界。

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