不安のピラミッド
--ゴー・・・・・・--
晴天の中、ゴーっと空を掻き分ける鳥は雲一つない空に真っ直ぐな白い線を残して消えていく。
屋上で直接その様子を見た訳ではない。黒板側から入った教室の一番前の窓際の席からだ。
むしゃむしゃと音を綴り、カサカサと音を立て、袋の中身の少し出た頭を見て思うのだ。
餡パンは空しい。
こしあん、粒あん、白あん、種類は中華まん並みにあるのに違いない。が、ほとほと味に拘りはない。
腹を満たしてくれればいいのだ。
私は購買で売られているものを買わない。申し訳ないが一言申し上げると、怖いのです。嗚呼、恐い。
購買で売られているそれは、100円という値段で非常に学生には優しい価格なのだが私はまず購買に足を運ばない。肥満体型がそこに居たらそりゃ迷惑だろうからだ。
国か時のせいか、コンビニで売られているのあんぱんは、税込で110円とそれなりに上がってしまったが。私はそれでもいい。たとえ得体の知らない、感情の無い鉄の塊で作られたパンでも。
私はコンビニでまたそれを買ったのである。
そしてなんと、不思議なことに、あんぱんの頭を二つに割くと毎度餡がないのである。ギャグか。
やはり、私の頭を見ているように思えて虚しいのだ。隣に座っている友人が羨ましい。
つぶつぶの餡がギシギシに詰まっているでないか。人は生まれながらにして平等ではないのか。
隣人は。私のいつもを見て、病人のように細身で女学生に大人気であろう顔立ちと容姿をしている友人はどうしてこんな私と一緒にいるのだろう。困る。生憎、自分の心しか分からない。
畜生、人って不便だな。
「ははは・・・君のパンはいつも傑作だね。中が空っぽで僕みたいだ。」
「何言ってるんだ。どう見ても同じ商品名のパンだぞ。」
「そう強がるのは良くないよ。僕のと交換しよう。」
--------------- いらん!!! ------------------
「おせっかいは止せ。要らん。」
少年は苦笑いか心からの笑いなのか悪魔のようにニヤケながら餡がギシギシに詰まったアンパンを咀嚼していく。
その一言でこの会話は途切れてしまう。私が悪いのか。
「そうだ、君さ。帰り、気を付けた方がいいよ」
「陽樹。またそれか。いつもいつも・・・お母さんかって。」
「いや、彰影のお母さんは勘弁かな。せめてお父さんって言って欲しいかも。」
と、私にはへらへらと不気味に見えるくらいの笑い方に見えるが周りにはそう捉えられていないのだろう。
そうしていつも、つまらない話で昼休みは終わるのだ。
カァカァ・・・・かぁ・・・カー
すっかり鴉も夕日の方へ渡り空は暗くなっている。追試のせいだ。
ヘロヘロな体でヘロヘロな足を動かし、私は帰るべき家に帰ろうとする。
ドシャ・・・グシャア・・・
確かそんな不快になるような音が頭上で鳴った気がする。地味に髪がパリパリとしている。
当然、その場を一歩、二歩、三歩、動くと私は砂まみれになった。
何かの幻覚かはたまた疲れか。
私は忽ち、頭上からドサドサと溢れ出す砂に耐えられなくなり私はちょうど交差点のど真ん中で大の字になった。
もちろん人影はない。一瞬でもその事に安堵した。私が可笑しくなったと捕らわれるのだとしたら学問の道はどうなるのか将来どうなるのか全てがきっと変わっていただろう。
そんなことを思いながら、意識が遠のく。遠のいていく。
積もりゆくのは不安ばかりか。
日々減りゆくのは若人か。
ジリリリリ・・・・・・ピロロロロロ・・・ジリリリリリ
目覚ましの音で私は目を覚めさせられる。平穏な日々だ。
しかし、昨日と何かが違うのだ。
私の頭に砂の一角が出来上がっていた。とても重い上に私の考えていること全てが表されていた。
今の私の頭上は欲の国だ。中には感情が整っていないものもあって幼稚園が作った粘土みたいなクオリティの低さだ。
私はこれを異常だと思わなかった。これで人の考えていることが丸見えなのだから。
人の頭を二つに割いて頭の中を覗いた気分になれる。
嗚呼 もう不安などありません。これまでは、他人の頭の中を見れなかったせいで誰かを期待し、憧れ
、何時しか期待外れと申していくだけで、憎々しい僻みだけの人間だったのだから。
私は誰にも期待せず憧れずにいられる。
そう思った途端に私は感情にスクラップにされる
私はただの道具に過ぎなかったのだ。
積もりゆく無情か。私はロボットにでもなったのだ。
俺は常に不安定で軸のずれた頭のイカれたようなやつだったのだ。
彼は私は友人。千古不易の孤独であれ。




