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8〜だって存在意義なんだもん!〜
「私、メリーさん。……よ、ようやっと振りきったの」
「お疲れ様」
「もう疲れたの……寝るの」
「ういーおやすみ。ところで誰に追われてたの?」
「マサカドなの……」
「マサカド? ……ああ、そう言えば皇居の近くに将門の首塚があるよね」
「もーアイツやなの! 『怪異たるものが電話などというからくりに頼るとは何事か!』ってうるさいの……」
「存在意義を全否定」
「『怪異たるもの例え首だけになっても飛んでいくぐらいの意気込みがなければいかん!』……それもうメリーさんじゃないの」
「別の怪異だね。明らかに別物だね」
「平安時代生まれはこれだからイヤなの……とっとと成仏すればいいの」
「大変だねえ」
「もう今日は寝るの……おやすみなの」
「おやすみ~」
将門の首塚。
都で殺された将門の首が飛んでいって落っこちた所とされる。
首だけになっても自分で動くことを選んだ男と電話という文明の利器を使い声だけで恐怖を伝える女のアイデンティティのぶつかり合いが今ここに……!




