表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これは星道の冒険記録  作者: Teraglight
7/7

6『勧誘』

コイツ…できる!!

声に出さずに心で言った。いや、表情に出てたかな。

ハーエネというのはハームフルエネミー、つまり有害な生命体のことだ。俺達『ハンター』は、これを駆除することを仕事としている。このハーエネ、思ったより強い。ハーエネには『コア』と呼ばれる核部分があって、これを傷つけてやると生命活動を停止する。なかなか簡単に聞こえるが、そういうものでもない。これは逆に言えばコアを攻撃できない限り倒すことはできないということだ。ハーエネは実に多様な動きをする。同種でも、個体によってカチカチした動きをするものやら、うねうねした動きのもの、更には超機敏なものまである。そんな中コアを狙って攻撃することは非常に困難なのだ。俺でも最下級のハーエネ、クロボーを楽に倒せるようになるまでどれほどかかったことか。

ところがこの地球人はどうだ。

クロボー3体を自力で倒した!それも、この世界に来たばっかりで、しかも殺傷能力があるかどうかもわからないような木の枝を使って!!絶対にただものではない。地球でどのような死闘を繰り広げてきたのか…。

「おい、お前…何者だ?」

「あれ、まだ名乗ってませんでしたっけ、大久保雨月といいます」

「あ、『おおくぼうげつ』ね、わかった。俺の名前はバズー・フォンホルンってんだって違ああああああう!!!確かに名前は聞いてなかったけど違う!そういうことを訊いてるんじゃない!」

「バズーさんですね、わかりました」

「聞いてんのかお前。…聞いてたけど」

「はぁ…」

「いやだからね、名前じゃなくてさ。お前地球では何してたの?」

「何って…学生してました」

「嘘だろ」

「このタイミングで嘘つく理由ないですよってかどこが嘘なんですか」

「だってここ来たばっかりでクロボーを自力で3体も倒す奴なんて聞いたことねぇよ」

「知らないですよ…」

コイツ…本能で倒したやつか。いやしかし強過ぎるだろ…。

…待てよ、コイツなら、あるいは…。

「オイ、お前」

「名前教えたのにお前ってのやめてくださいよ。雨月でいいです」

「何その若干上から目線。まぁいいわ、雨月よ。お前、これからどうすんの?」

「え…そりゃ帰る方法を探しまs」

「行くとこないならこのギルドに所属しないか?」

「バズーさんこそ話聞いてくださいよ」

「お前の力が必要だ」

「は?嫌ですよ」

「あっさり断らないでっ!」

「僕は地球に帰る方法を探します。なんかいろいろ教えてくれてありがとうございましたそしてさようなら」

「待てええええええ!!話は終わってないだろおおおおお」

「終わりました」

「終わってないって!ちょっと君冷たいよ!」

「うるさいな…僕は行くって言ってるでしょ!?」

「そんな怒るなよ…。行くってどこにだ?あては無いだろうが」

「…」

なんか俺自分の意見を押し付けてる?ちょっと罪悪感的なものが…しかしここら一帯の平和もかかっているのだ。ここでは退けない。

「俺の意見を押し通し過ぎてるかもしれないが、聞いてくれ。行くあてがないならこのギルド02に所属して、少しだけこの世界のことを学んで行ったらいいと思うんだ。未だ成し遂げられていないことをするんだ、少しでも知識があったほうがいいだろう?それにこの世界は安全じゃない。エネミーに対する戦術も必要だろ」

「さっきから僕へのメリットばかりだけど…それはそっちにもメリットがあることですか?」

「ああ、ひとつな。最近ここいらに出現したハーエネの退治に協力してほしい」

「僕が!?できるわけないでしょ!!」

「さっきも言ったろ。ここへ来たばっかりのやつがクロボー3体を自力で倒せるなんて聞いたことがねぇ。お前は強い」

「本当にそれだけ…?」

「あぁ、俺が保証しよう。お前がいつか地球に帰る為に必要な知識を与えてやる!」

「…しょうがないですね、わかりました。協力します」

「だからその若干上から目線をやめていただきたい…」

久しぶりの更新です!

二人のやりとりを楽しんでいただければ幸いです。

次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ