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2.事件発生

交通事故で亡くなった緑川 雪子は現世で殉職した刑事の体に入り……。

 私は警視庁の刑事課へやってきた。

 みんな私を見て驚いている。

「河野、お前殉職したはずじゃなかったか?」

 小太りの男性が訊ねてくる。

 裕一の記憶によれば、この男性はさかき 益男ますおというらしい。階級は警部だ。

「息を吹き返したんです」

「丸で神を冒涜するような、そんなことがあるのか!?」

「実際生き返ってるから、あるんじゃないんですか? ところで、俺を殺し損なった犯人って誰なんです?」

「それは言えるわけないよ。お前、知ったらやり返すだろ?」

「そんなことしませんよ」

「そうか。でも教えられないな」

「左様で」

「取り敢えず、被疑者については殺人未遂に罪状を切り替えとくよ」

「そうですか」

 私は裕一の席に着いた。

 室内に電話のベルが鳴り響く。

 榊警部が電話に応答する。

「はい、捜査一課。……了解しました」

 受話器を置く榊警部。

「殺人事件発生だ! 場所は杉並区のガールズバー・みさきだ! 河野と荻島、行ってこい!」

「「はい!」」

 私と巡査の荻島おぎしま 光太郎こうたろうという刑事は事件現場へと向かった。

 現場では鑑識が指紋の採取や遺体の撮影をしている。

 私は遺体を見た。

 遺体は男性。腹部に包丁のようなもので刺された痕がある。

 鑑識の報告によると、遺体は皆川みながわ 康志やすし、三十歳。この店の店長である。

 第一発見者は女性店員の鮫島さめじま 香奈子かなこ、二十一歳。出勤したら皆川が亡くなっていたため、通報したという。怪しい人物は見ていない。

 因に、私も生前はこの店でアルバイトをしており、好きな女の子というのがこの鮫島さんである。

「鑑識さん、死亡推定時刻はいつですか?」

「今日の午前六時です。店が閉店した後ですな」

 店員の中に犯人がいるのだろうか?

 私は鮫島さんに訊ねた。

「鮫島さん、昨夜から今朝にかけて店にいた店員は分かりますか?」

「それなら出勤者リストを見れば分かる思います。今持ってきますね」

 鮫島さんはスタッフルームへと入っていった。

「お待たせしました」

 鮫島さんが出勤者リストを持って来た。

 私は出勤者リストを見た。

 昨夜出勤したのは、角田かくた 優子ゆうこ山田やまだ さくら真倉まくら 早苗さなえ伊藤いとう 綾子あやこの四人のようだ。

「この四人に連絡取れますか?」

「ええ、取れます。お呼びしましょうか?」

「是非お願いします」

 私は出勤者リストを鮫島さんに返した。

「ところで、緑川 雪子さんのことはご存知ですか?」

「雪子ですか? 確か車に撥ねられて亡くなったとか。仲良しだったのに……」

 鮫島さんは悲しそうな顔をした。

「ああ、鮫島さん、四人を呼んで下さい」

「そうでしたね」

 鮫島さんは携帯電話を取り出して四人に順番に電話をかけた。

 それから暫くすると、四人がやってきた。

 四人は被害者を見て呆然としている。

「遺体、運びます」

 鑑識が遺体を運んでいった。


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