第14話「コール×コール」
大食堂。
サンクが城の壁を突き破り吹き飛ばされた大きな音。
この部屋にもその音は聞こえていた。
エレク「今のは…お父様、お母様行きましょう」
・・・
ヴォレは疲れたのか飛ぶのをやめて地面へと着地する。
一方のラルクは驚き、立ったままだ。
ラルク「お、おい。あの野郎の息子って、お前まさか父さんを知ってるのか?」
ヴォレ「当たり前だ。 お前の親父が俺をこの袋に封印しやがったんだからな」
ヴォレはどこに含んでいたのかは分からないが口から袋を吐き捨てた。
ラルクはそれを拾い上げながら尋ねる。
ラルク「お前を袋に封印? 何でだ?」
ヴォレ「理由なんてしるか! あのクソ野郎」
ラルク「父さんは無事なのか?」
ヴォレ「そんな事はしらねぇよ。 俺はお前の親父の島…つまりお前の島にいる時に封印されたんだからな」
ラルク「じゃあ何もわかんねぇじゃねぇか」
ラルクは肩を落としたように、その場に座り込んでしまった。
ヴォレ「だがな良い事を教えてやるよ。 俺の封印が有効だったって事はお前の親父は生きてるって事だ」
ラルク「え! 本当か?」
ヴォレ「間違いねぇだろうな…こういうウティは想った張本人が死んだら無効になるからな」
ラルク「父さんは生きてるのか…それだけ分かっただけでも充分だ」
ヴォレ「俺にとっても好都合。 封印した理由なんて二の次、こんな事しやがって俺が殺すまで死なれちゃ困るな」
ラルク「おい! 俺の父さんだぞ!」
ヴォレ「知ったことか」
ヴォレはそっぽを向くようにラルクに背を向けてしまった。
ヴォレ「とにかくだ! テメェがあの野郎の息子なら俺はお前に手は出せねぇ」
ラルク「手は出せないってどういうことだ?」
ヴォレ「封印には便利なこって色々と条件もあるんだよ。 それが証拠に長年、袋から出れなかった俺が出れたのもお前が袋に触れたから。 お前、袋に触ったのは最近だろ?」
ラルク「そういや、母さんに渡されて初めて触ったな」
ヴォレ「つまりお前が袋に触ったら俺は袋から出られるって条件だったんだよ。 厄介な事に他にも条件はあるようだが」
ラルク「他にも?」
ラルクは首をかしげる。
ヴォレ「最初に話した通り、お前に害がある行動は出来ねぇようだ。 普通に触れることは可能みたいだが…さっきの見ただろ? あれがいい例だ」
ラルク「炎が俺を避けたり、お前の攻撃が当たらなかったやつか! あれ面白いよな」
ヴォレ「笑いごとじゃねぇ! さらに笑い事じゃねぇのが、お前と行動を共にしなきゃなんねぇって事だ」
ラルク「何でだ?」
ヴォレ「詳しくは分からねぇがお前の側を離れると、何かに引き寄せられるのに加え、むず痒さが半端じゃねぇ…推測だがこれも都合のいい事に害がなきゃ離れても問題ねぇんだろうな…(チッ何かが呼んでる気がしたのはこれか)」
ラルク「ふ~ん…何だかイマイチよく分かんねぇけど一緒に来るって事か?」
ヴォレ「ギャッギャッギャ…全部てめぇの親父の封印のせいだがな。 今すぐにでも殺しに行きたい所だが、どうやら親父を探してるんだろ?」
ラルク「ああ、島を出たきり帰ってこないんだ」
ヴォレ「あの野郎の息子ってのはしゃくに障るがしょうがねぇ…お前と一緒にいれば因縁の相手にも会えそうだ。 少しに間、我慢してやる…テメェも俺のしもべにしてやるから有難く思いな」
ラルク「しもべにはなんねぇけど、お前…名前は?」
ヴォレ「ヴォレ、竜だ」
ラルク「ヴォレか! じゃあこれからよヨロシクな!」
ラルクは後ろを向いているヴォレの小さな肩に手を置いた。
人差し指だけを伸ばしている。
ヴォレ「しょうが…」
プニッ。
振り向いたヴォレの顔に人差し指が刺さる。
ラルク「ワハハ! ヨロシクな」
ヴォレ「ギャッー! やっぱりテメェもいつか殺す!」
・・・
しばらくすると王座の間の扉が開きエレクとエレクの両親が入ってきた。
エレク「うわ~これは派手にやってくれたわね…でもあいつがいないって事は勝ったのよね?」
ラルク「ああ、楽勝だったぞ」
ヴォレ「ギャッギャッギャッ、ほぼ俺のおかげだがな」
エレク「はいはい…2人ともありがとう」
エレクは笑い顔を見せた。
プランス「私からもお礼を言わせてくれ。 本当にありがとう」
ロヌ「エレクの世話をしてくれてありがとうね」
プランスとロヌは深々と頭を下げた。
エレク「世話なんてされてないって…」
ラルク「気にすんな」
プランス「ところで君の名前はラルク君らしいね?」
ラルク「おう! そうだぞ」
ロヌ「あなた…」
プランス「ああ、フラーム=ラルク君。 お父さんに似て立派な青年のようだ」
ラルク「な! おじさん、父さんを知ってるのか?」
プランス「君のお父さんとはウティの封印を目的に結成された"コール×コール"の仲間だ」
ラルク「コール…コール?」
プランス「おや、何も聞かされてないのかい? 君のお父さんを筆頭に最終的には6人の仲間が集った小さな集団だよ」
ラルク「どういう事だ? 結成されたんなら皆で封印に行ったんじゃないのか? 何でおじさんはここにいるんだ?」
それを聞きプランスの顔は一変して驚きへと変わる。
プランス「き、君のお父さんは家にいるのかい?」
ラルク「いや…封印に出たっきり一度も帰ってきてないぞ」
プランス「何だって…いや順をおって説明しよう。 2年前、あの島の出来事を」
明かされる経緯。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
明かされるわけではなく、むしろ次回で謎は増えると思いますがお気になさらずで。
ではまた次回「6つの水晶」へ