第11話「共同戦線」
ラルク、ヴォレ、サンク。
向かい合い、そして睨みあう。
それをよそにエレクは王座の間の扉に手をかけていた。
エレク「ラルク! ここは任せたわよ。 私は両親の所へ」
ラルク「おう! 気をつけろ」
そう言ってエレクは部屋を出て行った。
少し先の部屋。
大食堂。
そこの扉を開けると3人はいた。
エレク「お父様! お母様!」
プ&ロ「エレク!」
リューム「…来たのか」
エレク「何もしてないでしょうね?」
リュームを睨むエレク。
そのリュームはというと部屋に数十はあるイスの1つに腰をおろし腕を組んでいる。
リューム「してねぇよ」
エレク「あんた何がしたいの」
リューム「別に言う必要もないって言ったろ? しかしだ…お前たちがあいつを倒してくれるなら俺は大歓迎だ」
エレク「…どういうことよ?」
リューム「計画があるんだよ…先に言っておくが教えろと言われても教えはしない」
エレク「…計画?」
・・・
王座の間。
睨み合いが続くしばらくの静寂。
最初に動いたのはヴォレだった。
ヴォレ「フォーマット・火 焦げろ! "竜の息吹"」
ヴォレの口から広がる炎の息。
それはサンクに向かい伸びていった。
サンクはゆっくりと自分の前にマントを広げる。
電気を流しているようでマントにぶつかった火は相殺され消えた。
サンク「"外套流し(ヒマティオン・オン)"」
ヴォレ「ギャッギャッギャッ…マントに電気か」
ラルク「また電気か~いいな~」
ラルクは目を輝かせ羨ましそうにマントを眺めている。
ヴォレ「テメェはやる気あんのか?」
ラルク「やる気満々だぞ! いくぞ "火乃玉"」
サンク「また火ですか。 わざわざガードする必要もありませんね」
そういうとサンクは火の玉に向かってマントを投げた。
サンク「"外套包み(オン・ザ・ヒマティオン)"」
マントに包まれた火の玉は消えてしまったのだろう。
すぐさまマントは開きラルクの上に覆いかぶさった。
ラルク「い! 何だ?」
サンク「電気にご注意を。 "外套流し(ヒマティオン・オン)"」
その合図と共にまた電気が流れた。
ラルク「アガガガガ」
サンク「戻れ」
そう言うとマントはサンクの元へと戻った。
サンク「どうですか? 私の電気は?」
ラルク「ガファッ。 体が痺れる…」
「"竜の息吹"」
サンク「ッ!」
間一髪、背後からのヴォレの炎に対し、サンクはマントを自分に覆いかぶせてガードした。
ヴォレ「…………ギャッギャッギャッ。 おい赤髪、ちょっと聞け」
ラルク「ん?」
そういうとヴォレはラルクに近くに行き、耳元で何か言い出す。
話を聞き終わるとラルク笑った。
ラルク「ニッ、OK。 "火乃玉" と "火雨"」
サンク「火の玉に加え火の雨ですか。 しかし数を増やそうが包んでしまえば意味がない」
さっきと同じようにサンクはマントを覆いかぶさった。
それを見てラルクの口元は上がった。
「よぉ!」
サンク「なっ!」
ヴォレ「フォーマット・火 燃え裂けろ! "竜の爪"」
サンク「ガファッ」
マントの中に潜り込んでいたヴォレ。
サンクに燃える爪を喰らわせた。
ラルク「ヨッシャー!!」
好タッグ?
ここまで読んでいただきありがとうございます。
そういえば小説を意識した小説を書き始めたので、よかったらそちらも読んで見て下さい。
ではまた次回「カミナリ注意報」へ