第10話「ヴォレ登場」
謎の竜が飛び込んだことにより窓が割れ、ガシャーンという音が響く。
その音は廊下を走っているラルクにも聞こえていた。
ラルク「な、何だ? あっちか?」
・・・
王座の間。
窓を突き破ったスピードのままエレクへとぶつかった竜。
それにより倒れこんだエレクは上空からの攻撃を運良く避けられていた。
一方の竜は床にうつぶせに倒れている。
エレク「いった~い! 何なのよ一体」
「ギャッギャッギャッ。 痛ぇ…久しぶりに飛んだのにスピード出しすぎたぜ」
エレク「え? 何…あれ?」
サンク「…」
「ん…何だお前ら?」
エレク「それはこっちのセリフよ! あんた何?」
「俺か? 俺の名前は "ヴォレ" 竜だ」
ヴォレ。
自称、竜だが見た目は何かと言われれば竜でありそうだ。
しかし竜のような緑色ではなく体は全体的に白い。
2足歩行で体長60cmほど、体は小さく丸みをおびている。
耳は垂れていて30cmほどの尻尾もある。
4本の手足には犬のような鋭い爪があり、尻尾ほどの翼が背中から生えていて、翼の先にも鋭い爪のようなものがついている。
エレク「竜って…随分小さいわね」
ヴォレ「アギャ? 女…お前殺されてぇのか?」
エレク「あれよ…可愛げがあるってことよ」
ヴォレ「当たり前だ。 かっこよさの中ににあるこのキュートさこそ俺の魅力の1つだ」
エレク(カッコイイとは言ってないけどね)
ヴォレ「お前も魅力があるぜ。 気に入ったしもべにしてやろう、ギャッギャッ」
エレク「な、何で私が」
その時、王座の間の扉が開く。
ラルク「ここか!」
エレク「ラルク!」
ラルク「お~エレク。 無事だったか…ん?」
サンク「次から次へと…」
ラルク「誰だ? その男と…何だ! そのデカイトカゲは! 面白ぇ~!」
ヴォレ「ギャッギャッギャッ…てめぇ死にてぇのか?」
ラルク「お~お~やれる口のトカゲだな。 やるか?」
エレク「ラルク、待って! こいつ多分、害はないと思うから」
エレクがそう言ってる間にヴォレはラルクに向かって口から火を吹いた。
その瞬間、白い体が赤みを帯びる。
ヴォレ「フォーマット・火 焦げろ! "竜の息吹"」
ラルク「お~火を吹いたぞ。 こっちも"フラ…ん?」
ラルクが何かしようとしたがヴォレの火はラルクを避け壁にぶつかった。
ヴォレ「避けた? いやてめぇ何した? ギャッギャッ」
ラルク「いや…俺は何もしてないぞ」
ヴォレ(どういうこった?)
サンク「さて…色々とアクシデントもありましたが進めましょうか? 私の名はサンク。 お見知りおきを」
ラルク「おう…俺はラルク」
サンク「そちらの得体の知れないトカゲはいいとしてラルクさん、何かしますか?」
ヴォレ(得体が知れない? それでトカゲ? さらにはどうでもいい? カッチーン)
ラルク「ん? いやエレク?」
エレク「そいつが敵よ。 ラルク、ぶっ倒しちゃって」
ラルク「おう!」
ヴォレ「おいおい、ちょっと待て赤髪。 あっちの金髪野郎は俺が殺す」
ラルク「いやいいよ。 お前は見てれば」
ヴォレ「あ? てめぇが見てればいいんだよ!」
サンク「ラルクさんでもトカゲでもどっちでもいいですよ。 時間が無駄になりますし、どうせなら2人まとめて来てください」
2人はサンクを睨み付ける。
ラルク「おい、トカゲ。 だってよ」
ヴォレ「…ギャッギャッギャッ。 お前との決着はその後だな。 あいつはとにかく殺す」
サンク「始めましょうか」
エレク「頑張って~!」
本番開始!
ここまで読んでいただきありがとうございます。
さてヴォレ登場。
絵も入れさせていただきマスコットキャラ的存在になればと思います(笑
ではまた次回「共同戦線」へ