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好きな子が友人に告白した。だが友人は好きな子を振った。そして俺は…  作者: 替玉 針硬


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第8話「友人と好きな子の絡み、そして…」

第二回。

『高本の恋愛を支え隊』

定例作戦会議の時間がやって参りました。


会議出席者は俺と久遠さん。

さらに今回はスペシャルゲストで

高本さんが来てくださっています!


ちなみにそんな定例会議はない。

俺はあわよくば定例会議にして、

久遠さんと話す時間を…ゴホン。


それはそうと、

俺と高本さんは今回が初対面なので、

簡単な紹介が久遠さんから行われる。


「…日向くん、この子が舞華。

舞華、この人は日向くん。

一応、私の友達」

「一応って言うのやめて傷つくから」

「…ふふ、ごめん」

なんか俺にだけ意地悪だよあ、久遠さん。

まあそういうところもカワイイんですけどね!!!


「…2組の高本、です」

「よろしく、高本さん」

俺と高本さんは一応は初対面なので、

簡単に挨拶を済ませておく。

高本さんに悪い印象は持たれたくないし。


「…いきなりだけど、作戦を発表します」

「ちょ、ちょい待ち!」

高本さんが待ったをかけた。

おいおい、なんだって言うんだ?


「…どうしたの?」

「いや、どうしたっていうか…

この日向って人がここにいる理由が分かんないんだけど」

それを今から話すんだろうが、と言いたくなる気持ちを抑える。

いかんいかん、この方は久遠さんのお友達でいらっしゃる方だ。

無礼を働いてはいけない…!

今後のためにも、高本さんとは友好的な関係を築かなくてはならない。


「…私と日向くんは友達です」

「それはさっき聞いたわよ」

「私、クラス内において永松と一番仲が良いとされる男です」

「…!」

「…作戦はこう。

まず、日向くんを通して私と永松くんがそこそこ仲良くなる。

そして、私が友達の舞華を永松くんに紹介する」

「で、永松は土日はめっちゃ暇してるから、

休みの日にみんなででかけて、永松と高本さんを仲良くさせよう大作戦、という感じ」

「…」

高本さんは黙り込んでしまった。

その後、久遠さんと俺を交互にちらちら見ている。

なんだ?俺たちはボコボコにされるのか?

その場合、久遠さんだけでもこいつの魔の手から守らなければ…!


「あ、アンタたち…」

「は、はぃ」

「天才なの!?」

あ、感動してたんかい。

いや、思ったより好感触で良かったよ。

そんなのやりたくない!かと思ったし。


「平日に学校でいきなり仲良くしちゃうと、中村さんみたいなのに妨害される可能性があるからね」

「…中村さん、よく日向くんのことも睨んでるよね」

「そうなんだよ、あの目線めちゃくちゃ怖いからやめて欲しい」

「…ふふ、いつも怯えてるもんね」

「そんなところ見ないでもらえる?」

「…面白くて、つい」

面白がられているのは良いけど、どうせならかっこいい場面を見て欲しいんだが。

いやそんな場面、俺にはほとんどないんだけど、いやほとんどどころか1ミリもないんだけれども。


「…アンタたち、本当に仲良いのね」

「お、そう見える?」

「…クネクネしないで、気持ち悪い」

うーん、辛辣。

こういうノリは高本さんにはウケないのか。

これが妹なら寝起き以外なら喜んでノッてくれるというのに…


「…この作戦で行こうと思うんだけど、大丈夫?」

「え、ええ。よろしくお願いするわ。

ありがとう、2人とも」

「上手くいったらなんか奢ってね」

「…上手くいったらね!」

「え、いいの?」

「…やっぱアンタはダメ。

葵にはスイーツ奢ってあげる!」

「ずるいよずるいよ!

僕だって奢られたーい!」

「…ふふ、舞華が意地悪するから、

日向くんが駄々っ子になっちゃった」

「はあ…分かったわよ。

アンタにもなんか、ご飯奢ってあげる」

「いや俺もスイーツがいい。甘党だし」

「ああ、もう分かったわよ!

アンタ、なんかムカつく!」

「ひどい、泣きます」

「…日向くん、甘党なんだ。ふふ」

高本さん、なんかイジり甲斐がある。

いやあ、我ながら性格悪いなあ…

でも楽しい…

久遠さんも笑ってくれてるし。


「永松の土日を先に確保しておこうと思うけど、2人は土日どっちのがいいとかある?」

「私はどっちでもいいわ」

「…私も特に希望なし」

「じゃあ土曜日で予約しとくね」

「…なんでよ?」

「俺は日曜日に外出たくないから」

「…なんでよ!?」

「次の日が学校だと思うと憂鬱で…」

「そ、そう…別にいいわよ」

「…私もいいよ」

「よし。永松に土曜日遊び行こうぜーとか適当に誘っとくわ」


翌日。

登校中のタイミングで、永松に今週の土曜日の予定を確認したところ、案の定何も予定がなかったのでスケジュール仮押さえだけ先にさせていただいた。


さあ、次は"永松と久遠さんをそれとなく仲良くさせる"作戦だ…!

高本さんと永松を付き合わさせるというゴールのためだから、何もモヤモヤすることがなくて助かるぜ!


教室へ着いた。

相変わらず永松の元に中村さんを始めとする永松ファンガールたちが集う。


中村さん以外の永松ファンガールたちは永松以外を空気と見なす。


そう、自席の周辺に永松ファンガールが群がってきてしまい、ついには自分の席を奪われてしまったのだ。


あまりにも惨い仕打ちである。

一体、俺が何をしたというのだろうか。


俺はただ、永松と友達だっただけじゃないか。

なぜ俺は、、、

などと嘆いていると、

迷える魂たる俺の元に救いの天使が現れた。


「…おはよう、日向くん」

「あ、久遠さん。おはよう」

「…ここで何してるの?」

「あれを見てくれ」

久遠さんに奪われし自席を開示する。


「…そういうこと」

「そうなんだよ」

「…ふふ、席奪われちゃったんだ」

「笑わないでよ…」

久遠さんとの些細な幸せを味わっていると、

ラノベ野郎…いや、斎藤が俺の元へ歩いてきた。


「おはよう、日向」

「おう、おはよう」

「久遠さんも…おはよう」

「…おはよう、斎藤くん」

「ふたりで何を話してたの?」

「俺の席が永松ファンガールたちに奪われた話をね…」

「…ああ、なるほど…」

齋藤が同情の視線を送ってくる。

同情するならイスをくれ。

出来れば久遠さんの隣の席がいいぞ!


「…行ってこようか?」

「いやいや、それは悪いって。

あと少し待てば、いなくなるだろうし」

「わかった。日向がそう言うなら」

こいつは優しいなあ、

俺のために動こうとしてくれるなんてな…

コイツが恋のライバルじゃなけりゃなあ…


「湊斗に斎藤、久遠さんなんて

珍しい組み合わせだな?」

いつの間にか永松が近くにやってきていた。


「お前、どうやってあいつらを撒いた…!?」

「トイレに行ったことにしてる。

今頃あの人たちはトイレまで僕を追いに行ってるところだろう」

「もう集団ストーカーじゃねえか」

俺と永松のやり取りに久遠さんが肩を震わせている。

久遠さん、前々から思ってたけど意外にゲラだよな…

ゲラな子、とってもかわいい!


「湊斗、いつの間に久遠さんと仲良くなったんだ?」

「ま、まあちょっと前から…な」

なんて白々しい質問なんだろうか。

斎藤と久遠さんに配慮したんだろうけど。


「湊斗の友人は俺の友人、ってことで。

久遠さんも仲良くしてくれたら嬉しいな」

「…うん、よろしく」

さっきから思っていたが…

こいつ、もうナチュラルに俺を"湊斗"呼びしている。


「…あ、そうだ。

湊斗の友達ならLINEとか交換しておいた方が便利じゃないか?」

「…そうだね」

永松はナチュラルにLINE交換出来てすごい!

さすがイケメンだ!!

恋のライバルがこいつならとっくに諦めているところだぜ!!


「…あの」

ラノベ野…斎藤がこちらに話しかけてくる。


「永松くん、そういえばLINE…」

「ん、ああ。斎藤ともLINE交換しなきゃだな」

斎藤が永松とLINEの交換をしている。

なんだ、なんで永松と…?

こいつらの絡み、割と珍しいな。


「…久遠さん、LINEを…いいかな」

し、しまった!

そっちが本当の目的だったか!

き、貴様…!

なにしれっと久遠さんと連絡先交換しようとしてんだ、いやらしいヤツめ!

「…う、うん」

あああああああ、久遠さんと斎藤が連絡先を交換してしまった〜〜〜〜!

斎藤、チキって久遠さんに連絡できないでいろよな、連絡なんかするなよな…!!


朝っぱらから嫌なものを見せられたが、

俺はこんなことで心折れたりしないぞ!


『僕は頑張るよっ』ってな!


その後、永松ファンガールも消え、

平穏が訪れた自席へ戻り、

普通に授業を受けて帰った。


思わぬハプニングがあったものの、

永松と久遠さんを繋げることには成功した。


残るは、永松と高本さんの対面式だ…!

唐突に明らかにしますが、

湊斗くんは邦ロック含むサブカルが好きです。

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