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好きな子が友人に告白した。だが友人は好きな子を振った。そして俺は…  作者: 替玉 針硬


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第32話「夏に花火大会行き忘れた件」

「し、しまった…」

2限目の休み時間。

俺はとてつもない後悔に襲われていた。


この間の文化祭は一緒に回った。

いや、いろいろあったけれども。

永松と高本さんが付き合ったり、渡部が久遠さんに告ったり、ダサいムーブ決めて星野さんに冷められたり、いろいろあったが、久遠さんと文化祭を見て回ったのが何よりの思い出だ。

それはもう楽しかった。

しかし、俺はとあるビッグイベントを逃していた。


「どうしたのよ、湊斗」

机に突っ伏している俺を見て、神崎が珍しく絡んできた。


「神崎、落ち着いて聞いてくれ」

「な、なによ」

「俺は、花火大会イベントを逃していたことに今気づいた」

「い、今更ね…。 もうすぐ冬休みだーってタイミングよ?」

「新作の設定決めとか同時並行でいろいろやってたせいか、花火大会イベントというラブコメの鉄板ネタをすっ飛ばしてしまったことにたった今気づいたんだ」

「な、なんの話をしているの!?戻ってきなさい、湊斗!!」

「…ハッ!?俺は今何を…」

おっと、これ以上はいけない。

俺たちは今、この世界の禁忌に触れようとしている。


「…まあ、過ぎちゃったことは仕方ないわよ」

「来年、一緒に行けたらいいなあ」

「そうしなさい。葵ちゃんなら湊斗の誘いもOK出してくれると思うわよ」

「…そう思う?」

「葵ちゃんのあの態度で脈ナシはさすがにないと思うわよ」

「まあ、そうかもなとは思うけど」

「なんだー湊斗、どうしたんだ浮かない顔して」

文化祭で生まれたスーパーカップル彼氏くんが現れた。


「なんだ、お前たち花火大会行ってなかったのか?」

「ま、まさか貴様…!?」

「ああ、俺と舞華ちゃんは二人で行ったぞ♡」

「お前、何故『お前たちも花火大会行くのかー?』とか言ってくれないんだよ!いつもそういうこと言いがちじゃないかよお前はそういうキャラだろ!!」

「湊斗、さっきから発言がグレーゾーンだぞ」

いやあ、なんたる失態。

これは一生悔やまれる。

秋葉原のラボに向かって、タイムリープマシンを使ったり、突然リバイバルが起こったりして文化祭の前からやり直したいレベルだ。


まあ、過ぎてしまったことは仕方ない。

そんなSF要素が急に出てくることも無理があるので、もうどうしようもない。


「まあ、あんま気を落とすな!次があるさ!」

「そうよ。次があるわよ次が。来年までに付き合って、カップルとして行けばいいのよ」

「天才か?それで行くわ」

ふんす!それに向けて、今日もがんばるぞい!

ところでテオくんは何を頑張るの?私には知る由もありません。


あ、そういえば。

今明らかになる新事実かもしれないが、昼休みは日向&久遠&永松&高本の4人組で昼食を取ることが日課になっていたのだが、永松&高本が正式にカップルになったので、二人の時間をもっと増やしてあげる配慮が俺には求められる。


しかし、そうすると俺は久遠 葵と席を合わせて昼食を取るという行為がしづらくなってしまうという課題が浮上する。

付き合ってもいないのに、二人きりで昼食を取るというのも少し気が引けるのも事実だ。


ちょっと、その旨を永松に相談するとしようか。


「永松、昼飯のことだけど」

「おう、今日は購買か?」

「違う違う。お前と高本さん、付き合いたてなわけだろ?二人でイチャイチャしながら飯食う時間を過ごした方がいいんじゃないかしら」「そんな気遣い、いいって〜。舞華ちゃんもみんなで食べた方が楽しいって言うと思うけど」

「ちょっと待っとけ」

俺は教室をウロウロし、久遠さんの席へ辿り着く。


「…日向くん、どうかした?」

「ちょっと面貸しな…」

なんかてれくさくて、わけのわからないだるいムーブを取ってしまったことを悔やみつつも、クスクス笑いながらも着いてきてくれる久遠 葵は天使。


「あら、葵ちゃん連れてきてどうしたの」

「…日向くん、何か用?」

「かくかくしかじか」

久遠さんに先ほどの会話を説明した。


「…永松くん、しばらく舞華と二人でお昼を食べてあげて」

「え、久遠さんまでそう言う?舞華ちゃんは気にしないと思うけどなー」

「…舞華はそういうところ素直じゃないから」

「だよねー、あの人ツンデレ属性だしねー」

「わ、わかったよ…じゃあそうするよ」

「…しかし、ここでもうひとつの問題が発生する」

「…問題?何かある?」

「久遠さんがぼっち飯をすることになる」

「…断言されるのはちょっと傷つくけど、間違ってないから何も言えない…」

「ごめん、まじでごめん。土下座するから許して」

「…別に怒ってない」

「まあ、うん。ハッキリ言いすぎてマジでごめんだけど、久遠さんは…これからお昼どうする?」

「…私は一人でも大丈夫」

「あー、いやその…もし良かったら…あーいやでも…うーん」

い、言えない…!俺と二人で食べませんかなんて言えない!付き合ってもいない男女がそんな!不健全だ!許されることではない!


「葵ちゃん、私たちと一緒にこれからお昼食べない?もちろん湊斗も一緒に」

神崎ィーーーー!!!!!!!

持つべきものは神崎という友人だ。

なんというアシスト。素晴らしすぎる。


「…でも、彼氏さんはいいの?」

「ああ、いいのいいの。湊斗と3人で食べてた時もあったし、アイツバカだからそういうの気にしないのよ」

自分がいない所でバカ扱いされる佐伯が不憫でならないが、久遠さんもそういうことならとしばらくの間は4人で昼食を取ることが決まった。


ということで久遠さんは自席に戻って行ったので、神崎にとても感謝をしておく。


「マジでありがとうさすが神崎さんです本当に感謝しています」

「これで貸し借りはなしね」

「別に俺は貸しなんてないんですが」

「あなたにとって見れば、あんなの貸しでもなんでもないんでしょうね。まあいいわ」

?何の話だろうか。

俺、なにか貸してたっけ?お金?いやお金のやり取りはトラブルの元だから、例えそれが愛する妹相手でも一切しないと決めているのでそれはありえない。


その後、三限が終わり昼休みになると、俺は神崎&佐伯、そして久遠さんも昼食を取るようになった。


いずれは俺も永松たちのように二人で飯を食ったりしたいものだ。ふへへへへへ。


そんな中、斎藤が何故かこちらへやってきた。

何をしに来やがった!お前なんか雨宮に束縛されてりゃいいんだよ!!


「く、久遠さん…今度の土曜日、空いてるかな?」

「空いてないよ」

「い、今は日向じゃなくて久遠さんに聞いてるんだけどな…」

「空いてないよ」

「あのー…」

「空いてな」

「…斎藤くん、今度の土曜日何かあるの?」

「12月、花火大会があるんだけど。その…一緒に行かない?」

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?

待って、12月に花火大会!?!?!?!?

嘘だろ、そんなパターンありかよ!!!!

というか俺より先になんでコイツが誘うの??!?!?!?


「…あの、えっと」

「そこで、伝えたいことがあるんだ。良かったら…行かない?」

コイツ、何を伝える気だ?

いや、分かりきってるけど。

何コイツ、渡部に触発されたの?なんなの?

色気付くのやめてくれない?

お前には雨宮がいるだろ?何してんの?


「…別に、いいよ」

え?


え?


え?


え?


え?


行くの?


「…湊斗が泡吹いて気絶してる。湊斗、戻ってきなさい!」

「湊斗が死んでるぞー!ハッハッハ」

「…?みんなで行くんでしょ?」

場が凍りついた。

斎藤の顔は特に死んでいる。

俺は生き返った。

肌がツヤツヤになって戻ってきた。


「そうだよ、皆で行くって話だよな?」

「み、湊斗…あなた…」

「あ、いや…その…うん、そうだよ」

二人で行くという選択肢が久遠さん側に全くなかったのは同じ相手を狙っている者同士として多少は同情できる部分はあるが、ライバルなので一切のフォローはしてやりません。


俺も行って、久遠さんと思い出作るぞ。

残念だったな斎藤、俺と…あと恐らく参加するであろう雨宮によってお前は久遠さんと2人になる機会を奪われるのだ。

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