第30話「ドキッ!?告白大会!前編」
「さあ続いてのエントリーは!2年2組!高本 舞華さんでーす!!!!」
『ぱちぱちぱちぱち』
「え?高本さん?」
「意外!こういうの参加したりするんだ」
「てか、高本さんが告白するの!?」
「え、嘘!マジ!誰に!?」
「そういえば高本さん、1組の永松くんと仲良いって噂が…」
「えっ!てことはもしかして!?」
「キャー!!!高本さーーん!!!」
同じクラスの人だろうか。
ものすごく湧いている。
「高本さん、クラスで実は人気者?」
「…そうみたい」
一時期は変な噂で悩んでたのが嘘みたいだな。
「う、うるさいわよアンタたち!」
「さあ高本さん!高本さんは誰に告白するんねすか!?」
視界のお姉さん(3年生)が告白の相手を知りたがっている。
まあアイツ以外の名前が出るはずがないだろうが。
「2年1組のな、ながつつゆうきくん!来なさい!」
あ、噛んだ。
ながつつくんって誰だよ。
そんな人知らないよ。
「ながつつ、呼ばれてんぞ」
「こら!舞華ちゃんをいじるな!」
「…ながつつくん、舞華が待ってる」
「久遠さんまで!後で舞華ちゃんにいいつけてやるからな!」
コイツ絶対振らないだろこの感じ。
壮大な茶番に付き合わされるこっちの身にもなれってもんだ。
「ながつつさーん!ながつつさーん!」
司会のお姉さんが無自覚に高本さんの恥じらいという名のHPをゴリゴリ削ってくる。
もうやめてあげて!まいかちんが顔真っ赤にしてるから!やめたげて!!!
「な、永松、です!永松くん!」
「おっとこれは失礼しました!永松さーん!永松さん、いらっしゃいますかー!!」
「永松くんほら行きなよー!」
「高本さんが待ってるよー!」
「なーがまつ!なーがまつ!」
気づけば永松コールが起こっていた。
この人たち、文化祭で浮かれすぎじゃないか?
隣を見ると久遠さんも小さい声で永松コールしていた。
この子も割と浮かれてるのかしら?
とってもかわいい。
「はいはいはーい永松です!」
『うおおおおおお!!!』
会場が湧いた。永松が来ただけでこの熱量。
さっき告白してた人達と全然熱量が違くない?
なんなの?永松大人気なの?
クラスの女子だけてなく、学校全体で人気者だったの?
「…永松くんって女の子以外からも人気あったの?」
「知らん知らん故に怖い怖い」
久遠さんが五感の良さにクスクス笑っているが、本当のことだ。
まあ実際、それなら普段からもっと皆から話しかけられていると思うがな。
実際のところは文化祭の熱に浮かされているだけだろう。
「それでは高本さん!告白いってみましょう!」
『きゃーーーー!!!』
はええよ、まだ告ってもねえよ。
「あ、あの…優希くん」
「は、はい…」
「私、その…優希くんのことがずっと…」
「う、うん…」
「ずっと、好きだったの!」
『きゃーーーーー!!!!!』
いちいち湧くのか。
なんかもう慣れてきたわ。
「よ、よかったら…その…私と…お付き合いしてくださらないかしら!」
緊張しすぎて高本さんが突然お嬢様になった。
永松も珍しく緊張しているらしい。
というか、俺たちは何を見せられているんだ?
「さあ、永松さん!お返事は!?」
「え!あ、えっと」
場が静まり返る。
「お、俺も…舞華ちゃんのことが好きです。俺で良ければ、よろしくお願いします!」
「は、はい…」
「つ、つ、付き合ったーーーーッ!!!
高本さんと永松さん、付き合いましたーーーーッ!!!!!おめでとうございまーーーーっす!!!!!!」
『うおおおおおおおおおおおおお』
『きゃーーーーー!!!!!!!』
『高本ォォォォォォわだじはぜったいにゆるざなぃぃぃぃぃぃ』
『高本さんおめでとーーー!!!!!』
え、今中村いなかった?
まあいいか。
高本さんに何がするようなら、また分からせてやるしかないな!ハッハッハ
「ようやくか…」
「…良かったね、舞華」
「永松がまともな女子を彼女にしてくれて、俺もも安心だわ」
「…保護者?」
「そっちも高本さんの保護者気取る癖に」
「…ふふ。そうだったね」
まあ、兎にも角にも良かった良かった。
永松はいいやつだし、高本さんもいい人だし、俺と俺の好きな人の友人同士が付き合い出すというのはなかなか凄いことなんじゃないか?
まあぶっちゃけ、まだ付き合ってなかったのかよとずっと思っていたけどな!!!!
こいつら付き合ってもないのに下の名前で呼びあってたのかよ、全くいやらしい。
なんて言ってたら永松たちがこっちにやってきた。
「よ、よう湊斗と久遠さん」
「お、カップルがやってきたぞ」
「…ヒューヒュー」
葵ちゃん、棒読みがすぎるよ。
「…ふ、ふん!そうよ!私たちはカップルよ!」
「とにもかくにもおめでとう、高本さん」
「…べ、別にあんたに言われても嬉しくないわよ」
「ひどいなあ、一応は高本さんの恋が上手くいくようにサポートしてた協力者なんだから、もうちょっと優しくしてくれても良くない?」
「そ、そういう言い方は卑怯よ…あ、ありがとう。日向」
「デレモトさんktkr」
「ちょっと!茶化さないでよ!」
「…デレモト…プッ」
「葵もコソコソ笑ってんじゃないわよ!」
「…舞華、本当に良かったね」
「あ、ありがとう…葵も、いろいろ協力してくれて助かったわ」
「…気にしないで」
「おい湊斗〜お前もしかして最初から知ってたのかー?」
「まあな」
お前らの恋路を利用して久遠さんと仲良くなる作戦はおかげで大成功だ。
感謝しているぞ、永松と高本さん。
「ほれ、付き合いたてホヤホヤのカップルはこんなとこにいないでイチャついて来い」
「なっ!あ、アンタね…!」
「それもそうか。行こう、舞華ちゃん」
「ちょ、優希くん!?ど、どこに行くって言うのよ」
「いいから!ほらー!」
「あ、ちょっ!」
永松は高本さんの手を引いてそのまま校舎へ消えていった。
いやマジでどこに行ったんだ?
校舎で何をするつもりだ?いやらしい。
「どこ行ったんだろ」
「…イチャイチャしに行ったんじゃない?」
「えぇ、いやらし」
「…二人はもう付き合ってるから」
「TPOというものがあってだね」
そんな話をしていると、お次の告白者の番になったらしい。
司会のお姉さんが高らかに叫ぶ。
「さあ続いては!渡部 瞬哉さん!!!」
「ゲッ」
よし、帰ろう。
ただちに帰ろう。
「久遠さん、もう行こう」
「…どうしたの?」
「だって次、渡部だよ?」
「…ああ…もしかして」
久遠 葵、何かを察した模様。
「どもー渡部でーす」
『うわ渡部だよ』
『渡部くんってカッコイイよね』
『渡部の野郎…』
『渡部くーん!私とワンチャンないー!?』
なんかクズ男好きのやばい人達が何人かいたな。
というか渡部嫌われすぎててウケる
「渡部さんは、どなたに告白を!?」
「あー、2年1組の久遠 葵ちゃんで」
「久遠さーん!久遠 葵さーーん!!」
ヤバい、司会のお姉さんが久遠さんをご指名だ。
このままバックれてしまうか…?
正直それも考えたのだが、告白から逃げ出したみたいなマイナスイメージが付いてしまうのもそれはそれでなんだかなあ。
いや、本人気にしなさそうだけど。
うーん、どうしたらいいだろうか。
やっぱりここは一緒に逃げ出す方向で…
「…日向くん、私行ってくる」
「ま、マジで?」
久遠さんは渡部のこと嫌いっぽいし、告白にOKする可能性は低いとしても、もしその場の熱に浮かされてしまって付き合い出してしまったら…?
いや、ないない。ありえないって。
そういうタイプじゃないのよく分かってるだろ。
いやあ、でもどうしても不安に感じてしまう。




