第26話「トリプルデート普通に終わるぜ」
溜まってた分その2です。
「さて、お腹もいっぱいになりましたし、どうしましょうか」
「んー、そうだなあ」
「あーれ?葵ちゃんじゃん!」
う、この声は…
「…何か?」
「葵ちゃん、今日も冷たいじゃん?」
「もうやめなよ瞬哉、早く行こうよ」
「別にいいでしょ〜、ただ話してるだけだし」
「おい渡部〜お前、次のターゲットその子なのかよ〜」
「マジかよ〜?お前と合わなそ〜」
渡部のやつ、今日は仲間を連れているのか。
見たことないし、別のクラスの奴らだろう。
「…その人たちは?」
「ああ、コイツらは別のクラスの連中だよ」
「よろよろ〜」
か、軽い…絶対に話が合わない連中だ。
「葵ちゃん、暇なの?」
「…取り込み中」
「日向に斎藤に…誰だっけ?」
「永松だよ、前に名乗ったろ?」
「んあーそだっけ。忘れたわ」
「あ、アンタね…」
「アレェ?高本さんじゃん。高本さんも日向たちと?」
「…ええ、そうよ」
「へぇ〜そうなんだ〜」
高本さんにはあんまり興味なさそうだな。
「あ、斎藤クンじゃん」
「あ、ああ」
「今日は女連れなんだ?その子は?」
「斎藤先輩の後輩の雨宮です。では、お引き取りを」
「みんななんか連れないじゃーん?俺って嫌われ者?なんちゃって」
「おう、自覚してるならさっさと去れ」
「おー日向クンじゃん?いたんだ」
やれやれ、斎藤に対して以上に俺に対して露骨な嫌いオーラを出してきやがる。
「ずっといたんですが?」
「日向クン、影薄くて気づかなかったわ〜」
「それはないだろ、俺の影はドス黒いぞ」
「ドス黒いのは影じゃなくて腹っしょ」
「は?俺の腹が腹毛で真っ黒だってそう言いたいのか?」
「…プッ」
久遠さんのひと笑いをゲットした。
やったぜ。
「瞬哉、もういいから」
「…チッ、じゃあ俺らはそろそろ行くわ」
「またねぇ〜バイビ〜」
「おう、永遠にな」
「みんな迷惑かけてごめんねっ!それじゃ!」
俺は永遠の別れとなる彼らに対して、全力で手を振った。
星野さん、マジであいつら切った方がいいって、せっかくいい人なのにもったいないって。
「日向先輩、なんなんですかあの人たちは」
「久遠さん狙いの渡部とかいう地球のゴミだ。横にいた女子は同じクラスの星野さん。男の趣味だけが悪いが、それ以外はとてもいい人だ。残りは知らん」
「見下げ果てた人たちですね。私はああいうレベルの低い人達は嫌いです」
「雨宮さん、よく知らない相手のことを悪く言うもんじゃないぞ」
「…すみません、斎藤先輩」
「まあ、渡部はクソだからそれは間違ってないけどな。久遠さんにも迷惑かけてるし」
「…私は別に大丈夫」
う、嘘下手だなあ。
イライラしてますオーラ全然隠せてないんですが…
そういう素直なところも好きだけどね??
「葵、アンタ全然隠せてないわよ…」
「く、久遠さん…意外と短気なんだね」
おや、幻滅したかい?
そんな部分も愛せないなんて、お前はまだまだよのう、斎藤よフォッフォッフォッ
「…斎藤先輩、こんな短気な女よりもあらゆることに寛容な私みたいな子の方が恋人に相応しいですよ」
それもう告白では?私にしなさいアピールが過ぎるぞ雨宮…
「雨宮さん、久遠さんを悪く言うのは関心しないな」
「…すみません。久遠先輩も失礼しました」
「…別に私は短気じゃないよ」
「割と顔に出てるけどね」
「…何か言った?」
「いえ、なんでもありません」
ちょっとご機嫌ななめな様子。
おのれ渡部…許さねえぜ。
「ところで、アイスでも食べない?」
「…アイス?」
「美味しいアイスクリームを食べてリセットしよう作戦」
「…私はいいよ」
「他は?OKだって!よし行こう!」
「アンタ、一応は私たちにも確認しなさいよ…」
「まさか嫌だってのか…!高本ォ…貴様ァ!」
「な、なんで敵意むき出しになっちゃうのよ」
「舞華ちゃんの前に俺が相手になるぞ、湊斗!」
「え、なに暴力?こわーい」
「湊斗、今のはどんな返しが正解なんだよ」
「自分で考えることだな。斎藤と雨宮は?食べる?」
「斎藤先輩は甘いものそんなに好きじゃないので多分食べません。私もそこまでなので大丈夫です」
「雨宮さん、なんで僕のも回答しちゃうんだ…?間違ってないけどさ」
「おけ、じゃあ適当に待ってて」
俺たちは各々好きなアイスを食べるため、フォーティーツーに買いに行った。
「久遠さん何にしたの?」
「…キャラメル」
甘いもの好きなのねえ、かわいいねえ
「…日向くんは?」
「マスクメロン」
「…それ食べる人初めて見た。おいしいの?」
「それは聞き捨てなりませんな。ほら、食べてみなさい」
「…じゃあ、いただきます」
俺のカップからアイスを取って、パクッと口に含んだ。
美味しく味わっているのが表情から伝わってくる。とてもかわいい。
「美味しい?」
「…意外と美味しい」
「よかった」
「…私のも食べる?」
「いいんすか!!」
久遠さんのキャラメルアイスをいただいた。
美味いぜ。
「…高本先輩」
「何、どうしたの雨宮ちゃん」
「あの二人、本当に付き合ってないんですか?」
「それがね、そうなのよ」
「アレはどう考えても脈が…」
「湊斗は恐らく全く気づいていない、そこが良いんだよ…」
「永松先輩は何を楽しんでるんですか」
「俺は湊斗の春を応援せし者」
「優希くんはなんでそんなに日向が好きなのよ…その情熱を多少は私にも向けてくれると嬉しいんだけど」
「え?舞華ちゃん、何か言った?」
「な、なんでもないわよ!」
「さっきからお前らなにラブコメしてんの」
「(お前が言うな、湊斗…)」
何かを言いたげな永松からの不可解な視線を感じるが、一体何が間違っているのだろうか。
前半に関しては普通に聞いていなかったが、後半の…特に高本さんがボソボソと実質的な愛の告白をしている部分に関しては、何故か永松が聞き取れずに外野の俺がバッチリ聞き取れたので、それを指摘させてもらっただけなのだが。
そして、さっきから俺と久遠さんの様子を斎藤が羨ましげにチラチラとこちらを見ているのは見て見ぬふりをすることに…しようとしたが、せっかく雨宮が話題振ってるのに、斎藤が上の空なせいで若干雨宮がへこんでい様子。
はあ…見て見ぬふりは出来んな、こりゃ。
「おい斎藤、雨宮の話ちゃんと聞いてやれ」
「え?あ、ああごめん、雨宮さん」
「もういいです(プイッ)」
あ〜あ、拗ねちゃった。
オロオロしている斎藤くんはこれから雨宮のご機嫌取りに励むことだろう。
まあこれに関してはほかの女の子ばっかり見てるお前が悪いわな。
「…日向くん、雨宮さんに優しい」
え、待って、今度はこっちが拗ねてる。
なんで?なんで拗ねてんのこの子?
なに?妬いてんの?可愛くない?
てかもうこれ俺のこと…?
いや、でも久遠さんは斎藤のこと…?
そういえば、久遠さんって斎藤のこと、今はどう思ってんだろう。
あの時のような感情、もう持ってない気がする。
じゃないと、俺からの誘いにここまで応じてくれないだろうし。
それを明確にしたい気持ちはある。
今どう思ってるか聞くだけなんだが、万が一にもまだ好きだって言われたらどうしよう、という不安がどこかにある。
ぶっちゃけ、その可能性は低いんじゃないかという説が俺の中で濃厚なのだが、それは願望かもしれない。
そしてこれは本当に楽観的な妄想なのだが、俺のことを少なからず良いと思ってくれている…のかな。
友達としてなのか、異性としてなのかは分からないが、嫌われてないという自信はある。
まあ、とりあえず今はなんか拗ねちゃった可愛いあおいたんのご機嫌取りをしなければ。
「俺が雨宮に甘いなんて、それはないよ」
「日向先輩、お気持ちは嬉しいのですが私には好きな人がいるので無理ですよ」
「俺も好きな人がいるので無理です。ちなみにお前じゃありません」
「…日向くんの好きな人って」
ちょっと待ってそんな質問されても答えられないよ?無理だよ?今この場で『あなたです!』なんて絶対言えないよ?
「そのうち教えちゃる」
「逃げたな」
「逃げたわね」
「逃げましたね」
斎藤以外がめっちゃ責めてくる。
コイツらなんか俺に恨みでもあんの?
「今日は楽しかったです。思わぬハプニングもあって余計な時間を取られたりして、斎藤先輩と二人の時間が少なくて私は少々不満でしたが」
「別に二人で買い物くらい、いくらでも付き合うよ」
「言いましたね?言質は取りました。では次回、どこかへ連れていってください」
いとも容易くデートの約束したな。
「久遠さん、今度僕と…」
「斎藤先輩は私と出かけるんです!」
「あ、ちょっと雨宮さん…」
あっぶねええええええ!
コイツ、しれっとデートに誘おうとしてたろ!?
連れがいるのにこいつヤバすぎ、なんなの!?
コイツ恋愛モードになるとこんな感じになるの!?
嬉しくないギャップなんだけど!?
「ゆ、優希くん、私もどこかへ遊びに行きたいわ」
「お、いいな舞華ちゃん!それじゃ湊斗たちと…」
腑抜けたことを言い出したので永松の方を掴んで、『そうじゃない』と視線で伝えることにした。
頼むから伝わってね。
「ふ、二人でどこかへ行こうか」
「…そ、そうね!いいわよ」
よし、伝わった。
というかどいつもこいつも次回のデートの約束しててずるいな。
「…日向くん、グッジョブ」
「まあね。あ、それと…その…」
「…?」
「今度、またどこかへ…行かない?」
「…いいよ」
よし!よしよしよしよしよし!!
デートの約束だな、これはデートの約束だな!!
サンキューあおいたん!!!!!!!
素晴らしい。
素晴らしきこの世界。
では、そのうちデートします!!!!
筆者はマスクメロンを必ず注文します。




