ep1-別に世界の危機など訪れていない-
始めまして。
連載ですが短編よりも短いです。
よろしくお願いいたします。
別に世界の危機など訪れていない。
魔物が現れたり、ダンジョンが現れたりなど一切ない。
テレポート装置や反重力装置の発明など夢のまた夢。
世界は平常に回っていた。
そんな時に急に現れた魔法としか言えない現象を扱う少女たち。
彼女らに真っ先に課せられた役目は「兵器」だった。
そして始まった第三次世界大戦。
急に狂いだした世界は、今日も狂ったまま動いている。
なんてね。
そんな悲劇的な世界観、人権やら世界平和やらがしっかりしてきた世界で自然発生する価値感では無いでしょ。
世界は第二次世界大戦をまだ忘れてはいないし、世界平和を掲げる機構はしっかりと存在した。
じゃあ、なぜ第三次世界大戦なんかが始まっているのかって?
そりゃあ裏から世界を操った何者かがいるからだよ。
え、陰謀論?安っぽい釣り文句?
まあ、たしかに。文言だけ聞けばそれっぽいのはしょうがない。いつだって、事実は小説より奇なりと言うし、事実を話しても作り話扱いされてしまうのはしょうがない事だ。
じゃあ今までの話がただの陰謀論ではない証拠をお話しよう。
私が狂わせたからだよ。
私が魔法が使える少女たちに人権が適用されないとの認識を人々に刷り込み、世界平和のためには世界を統一するしかないとの認識を血気盛んな国に刷り込んだ張本人だからさ。
最初に洗脳した幾つかの国が戦争を始めれば、後はあっと言う間。世界は混沌と暗黒の時代に後戻りってわけ。
まあ、なんていうか、国によって温度差があるのはしょうがない。
最初に被害を受けた国は怒り心頭って感じだけど、対岸の火事で静観を決め込んでいる国もそこそこある。
世界平和を掲げていた世界連合はどうしたんだって?
あの連合は今は分裂して存在しないよ。理事国に不和が生まれるように洗脳したからね。
ん?そんなことができるお前は一体誰なんだって?
まあ、退屈な話に付き合ってくれる対価に教えてあげよう。
私は「認識の魔女」。好きなものは血と死骸と悲劇。
まあ、恨むなら私じゃなくて、私に「認識の魔法」を与えた世界を恨んでくれ。