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擦り付け合い

王子の暴走で元婚約者のもとへ押し掛けることに。

直接婚約破棄の理由を問いただす王子。

だが当然ながら思ったような答えが返ってくるはずもなく言い訳に終始。

これは当てが外れた? それともまだ何か隠している?


王子は真実を暴いて自分の罪を軽くしようとしているかのよう。

元婚約者の彼に擦り付けてるだけのような気も。

それは彼だって同じ。詳しいことを一切語らず人のせいにする。


真実など当人しか知らない。

これ以上は無理では? もう充分な気も。

王子は一体何を企んでいるのでしょう?


「なあもうこれくらいで勘弁してくれないか。反省してる。俺だって辛いんだ」

反省してると言うがもちろんそんなことはなく口からの出任せだろう。

追い詰められてとっさにウソをつく。そんな最低な人間だ。

ここ一か月の間にか彼の印象が百八十度変わった。

それまではもっと優しく思いやりのあるイメージ。

少なくても本人を目の前に罵るような真似はしなかった。


「何かありました? 」

お酒に溺れるような人間ではなかった気がするんですが。

「お前のせいで破談になりそうなんだよ。

すべて知って受け入れてくれたはずなのに…… お前の親父が裏切るから。

そんな奴の娘は信用できない。付き合っていたお前も信用できないとさ。

俺は関係ないといくら言っても聞きやしない。

もう無理だ! 次が最後かもしれない。そう俺は考えている」

どうやら私を捨て選んだお相手からお断りされたらしい。

相当堪えてるのでしょう。


ほほほ…… いい気味。あなたがいけないんですよ?

こんな美しく魅力的な女性を振るから。ただの自業自得じゃない。

そう言えたらどれだけすっきりするか。

でもさすがに可哀想で言えない。

もし彼が本当に何も知らずただ婚約したせいならそれは私に責任がある。

今お酒に溺れてるのもすべて私のせいになる。

王子見てください。あなたの誤った判断の犠牲者がここにいますよ。

もちろん彼がすべてを語っているのだとしたらですが。


もうこれくらいで。追及の手を緩めないものだから困ってしまう。

取りあえず今日はこれくらいで。少しは懲りたでしょう? 

私を追いやり自分たちだけいい思いをしようなんて都合が良すぎ。


「それで実際のところはどうだったんです? 今更隠さなくてもね」

それとなく聞いてみる。引っ掛かるかな?

「俺たちは悪くない。ただ…… お前の親父を嵌めたのは謝るよ。

でもあれもすべて王子の我がまま。恨むなら王子を」


すべてを王子に擦り付けて最低だ。

どうやら王子が言う謀反が起きたのは間違いないらしい。

それがなぜ私たちボスバーチュン家だけが悲惨な目に遭うことになったのか?

謎が謎を呼ぶ展開。これを事前に察知することは不可能だろう。

どうしてお父様だけが? あまりにも理不尽。


すっきりしないまま家を後にする。

懐かしい感情も芽生えたがすぐに悔しさが上回る。

あの時お父様さえしっかりしていたらこんなことにはならなかった。

でもそれをいくら言ってももう無意味。

どうであれお父様は口車に乗って罪を犯したのは間違いない。

もうこうなってはさすがに娘として庇いきれない。


ああお父様! 私はどうすれば?

もし真実を暴けばあなたは反逆罪で捕まってしまうのではないですか?

一体あの日何があったのです?


皆口を閉ざしている。それは王子も例外ではない。

単純に考えれば外国勢力と手を組んで悪さをしたのは明白で。

真実はなかなか掴めない。誰も真実を語っているようには思えない。


話し合いを終え宿探し。

さすがに無計画ではないですが宿はその時に考えるもの。

「王子どうしましょうこれから? 」

仮に国王が囚われてるのだとしたら打つ手がない。

「ははは…… クレーラはまだこの私を信じられないのか? 」

すべての証拠を握っていると自信満々の王子。


今回自分の身に降りかかると察知していち早く逃れた。

でもそれは国王を危険にさらすことに。それが紛れもない事実。

それに王子を血眼になって探してるのはあくまで本人がそう主張してるだけ。

確たる証拠はない。

果たしてどこまで王子を信じていいものか。


宮殿に向かう前に援軍と合流することに。


                 続く

次回(明日)からは4・4・3・2・111……

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