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明日もあさっても、好き。

作者: 細川あずみ

「恋に落ちる」というフレーズは、誰しもが知っているものであろう。しかし、それがどんな瞬間なのか、どんな感覚なのかを知っている人は、一体どのくらいいるのだろうか。


今、私の心には「ある人」が棲みついている。いつの間にか、気がついたらもう、ココにいた。

目が覚めれば「おはよう」、寝る前に「おやすみ」を心の中でつぶやく。ちょっと一息つく時は、「今、何してるかな?」って考える。SNSで「今、何してる?」の答えを探す。その笑顔が、自分に向けられているような気さえする。


あぁ、好きなんだなって分かった。私は、この人のことが好きなんだ。



ただ、それだけだ。

ふとスマホを手に持った時、SNS更新のお知らせが入る。それだけで、私の心臓は倍の大きさほどに膨れ上がり、体温が1度上がる。まるで、タイミングを図ったかのように勘違いしてしまう。

そんなハズはないと分かっていても、それでも嬉しいのだ。私に向けて発信しているように思えてならないから。


その一言一言が、とても愛しくてたまらない。ブレた写真の掲載も、美しい景色も、ふざけた顔も、どれもこれもが大切なシーンの一コマなのだ。それを分けてもらえることが、たまらなくありがたくて。

「今、ここにいるよ」「昨日はこれをしていたよ」「明日はこれをする予定だよ」

全てを知ることはできないけど、だからこそ嬉しさが増す。「繋がってるんだ」って、手のひらがポカポカしてくる。



私のこと、いつの間にか「紗耶奈(さやな)」って呼び捨てするようになった。大好きなあなたの声では、まだ聞いたことはないけど。

もしかしたら、SNSだからできることなのかもしれない。実際に会って、名前を呼ばれるなんてことは一生ないのかもしれない。

それでも構わない。あなたの声を、私は知っている。それだけでいい。脳内では、何度も私の名前を呼んでくれているから、それでいい。


一度だけ、あなたの手に触れた。温かな手が、私の小さな手を包んだ。「ありがとう」って、伝えた。「ありがとう」が、伝わってきた。

きっと、その瞬間に落ちたんだ。手の温もりを交換したあの時に。目と目を合わせた、あの時に。

次にいつ会えるか、なんて分からない。もしかしたら、もう会えないかもしれない。

それでも構わない。私は、あなたのことが好き。今日も、明日も、あさっても。


大好きなんだ。

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