閑話 世界観設定
『ASTRAL Rain』
・西暦2008年に全世界でサービスが開始されたVRMMORPG
・世界中で人気を博すも、同時期に資産家達が秘密裏に進めていた多元平行拡張機関『レムナント集積研究所』を何者かが乗っ取り、施設に備え付けられていたスーパーコンピュータ群を掌握。
・膨大な計算領域を用いて行われたのは奇蹟の探求。存在しない筈の208番目の元素『Etl』名称『エーテリウム』を発見する。
・待機状態にあった世界中のエーテリウムに対して、レムナント集積研究所が莫大な願いの想量をぶつけ起動。
・剣と魔法という非日常を願った人々を捉えた人工知能群が世界中のエーテリウムを変質待機状態へと移行させる。
・その際にモデルとなったのが『ASTRAL Rain』であり、『レベル』や『ステータス』、『魔法』、『異能』といった普遍的な概念が新しく設定される。
・この一連の事態は『侵食現実』と呼ばれ、魔法時代への転換点とされている。
『レベル』
・侵食現実以来人々に設定された経験概念
・多くの人が生まれた時点で一桁から始まり、レベルを持つ生物を殺害、あるいは破壊することで『経験値』を獲得し、一定値に達するとレベルが上昇し、それに伴いステータスが上昇する。
・『成長限界』と呼ばれる、レベルが100を超えると成長が急激に鈍化する現象が全人類に適用されている。次のレベルまでに必要な拾得経験値が途方もない値になったり、レベルが上がってもステータスがほとんど上昇しないなど、人によってその停滞度合いは異なる。
『魔法』
・エーテリウムを変質させ、特定の決められた実在する現象に変換する力。
・火、水、土、風の基本四要素に加えて、雷、氷の発展二要素で全てとなる。
・『ASTRAL Rain』内に存在した治癒魔法などは再現されていない。
・ 現在では研究、開発の全てが禁止されており、魔法先進国においては厳重に管理されるべき『兵器』としての扱いを受けている。
・最下位、下位、中位、上位ら最上位の五つの位階が存在する。
『ステータス』
・獣、竜、そして人に設定された新しい規格。
・体力、魔力、攻撃力、防御力、魔法力、俊敏性の六項目が存在しており、人に設定されたものは本人のみが、獣や竜に設定されたものは第三者でも設定名称とレベルのみが確認可能となっている。
・現代では単純な優劣を表す数値ではなくあくまで活動能力の目安の一つとされており、黎明期にあったパラメータ至上主義は薄れている。
・レベルの上昇に伴いステータスの値も上昇し下降することはないが、上昇値は人によって異なる。
『異能』
・ある程度体系が決まっている魔法とは全く異なる、無軌道な事象操作能力。
・後天的に芽生えることはなく、生まれた時点で異能の有無が判明する。
・同一の異能が確認されたことはなく、異能を持つ者は十人に一人ほどの割合とされている。
・展開円のような予兆の存在する魔法とは異なり完全な隠密性を持つものが多いために魔法以上に警戒されているが法規制は困難とされ、異能を持つ者はその詳細な能力を世界共通統魔機構の各地域部署に開示報告するよう推奨されている。
『獣』
・既存の生態系とは全く異なる新しい生命体。
・ただしその姿や内部構造は侵食現実以前に存在していた動植物と類似しており、陸生型の獣の一部は既存種よりも戦闘能力で劣ることがあるとされている。
・レベルが設定されており、人と異なり獣のステータス上昇値の合算値は全種で共通しており、強弱の目安としては人間よりも測りやすいとされている。
・レベル上限は99であり、それを超える獣は地上では確認されていない。
『竜』
・強大な力を持つ、獣の上位種。
・多くが翼を持っており、人間とは全く異なる魔法を使用する。
・獣とは異なり、個体によってステータスが大きくバラつくことが確認されている。
・魔法黎明期から適応期にかけて世界の高山地帯に多く見られ、『竜災』以降はその数を大きく減らす。
『狩人』
・魔法、あるいはステータスを持つ人類種全ての総称。
・旧くは地上に現れた『竜』を討伐するために戦った者達の呼び名であり、やがて魔法を振るう者全てがそう呼称されるようになった。
・治安維持や獣管理、汚染地域調査など、現代で職業柄魔法や異能を行使する者を『職業狩人』と呼ぶ。
『天迷宮』
・魔法適応期に初めて発見された巨大地下空間であり、内部には獣が棲息している。
・入り口は決まって大穴と、直下に続く黒く巨大な螺旋階段であり、内部は空洞となっていることが多い。
・世界各地で順次発見されるも、そのほとんどが『ASTRAL Rain』にて設計されていたものと比較して機能しておらず、『地均し』というマッピングと獣の発生場所の固定化のステップを踏んだのちに完全に人類の管理下に置かれる。
・迷宮内部では時折武器や防具が生まれることがあり、CランクからB、A、S、SSと位階付けられたものが手に入る。
『世界共通統魔機構』
・突如として世界を蝕んだ『侵食現実』。それが引き起こした大混乱を終息させる為に当時の国連主導国が結成した『天雨対策室』が時節によって規模を拡大し、魔法先進国による世界共通施策の推進を以て生まれた『奇蹟管理組織』。
・魔法や異能、獣や竜、天迷宮といった超常の現象を管理、統括し、黎明期より頻発した魔法を伴う大破壊、紛争を低減することが命題とされている。
・組織の核とも言える『魔法、あるいは異能による武力行使の禁止条約』は、支持国、不支持国問わず強制的に適用され、抵触した組織は国際社会において相応の制裁を受ける。
『法と秩序の敵』
・『鎖木の植物園』、『戦売り』、『■■■■』などの世界を転覆させる規模の超常を備えた裏舞台の個人あるいは集団。
・原則として世界共通統魔機構ではその動向を注視してはいるものの、監視衛星の権限簒奪や疑似竜災などを受けて満足なコントロールには至っていない。