5話 受付嬢はめんどくさい?
「お兄ちゃん、今日からしばらく泊めてー」
「いいよー。今回はどうしたん?」
ばさっち。20歳。専門学校生。
まこさんと知り合った頃に、土手でまこさんと遊んでいた子供達の1人である。
「仕事とか将来とかよくわかんないーって、母と話してたんだけどー。
横で聞いてた父が、また怒鳴りだしたのよー。最後には俺の言うことを聞けー、だってさー。」
「あー。いつもの会話が成り立たないから、出てくるしかなかったやつかー」
ばさっちは、実家暮らしなんだけど、親父さんとの相性が最悪なのである。
子供の頃は、家に居場所がないので、お休みの日は土手によく来ていた。
今は、私やりっちゃんの家に泊まりに来ている。かなり懐かれている。
「そうなのよー。父の言うとおりにしたいんじゃなくて、普通に相談?会話?したいだけなんだけどねー」
「親父さん、人の話を聞かないわ、相手を攻撃するか言うこと聞かせることしか頭にないしねー。私も苦手だわー」
「なんでこんなに合わないのか、不思議よねー。あははぁ……。それでも、親だしねー。
まあ、卒業したら、一人暮らしすればいっかーって、感じだけどねー。でもまだ仕事すら見つけてないんだけどねー。どうしよー?」
就職内定先なし。無職の予定。
うん。ちょうどよかった。
「あ、そのことで、話がしたかったんだ」
「んー?」
「私の実家のある村で、冒険者ギルドを始めるんだけど、受付嬢やらない?」
「お兄ちゃんがやるんー?」
「そう」
「ネット小説とかのアレのとこー?」
「うんうん」
「めんどんそー」
「否定はしない。でも、まったりやってくるつもりだよー?
あと、りっちゃんとまこさんも一緒にやるんよ」
「えー、お姉さまとまぁじぃもかー。
みんな行っちゃうのかー。
じゃあ、ばさもついていこうかなー」
「うん。おいでおいでー。
てことで、卒業したらよろしくねー」
「わかったー。よろしくねー」
ばさっちもゲットできた!
みんな誘えて良かった!
「それで、お兄ちゃん、今日の晩御飯は何するんー?」
「そうだね。お祝いってことで、りっちゃんも誘って3人で食べに行こうか?」
「まぁじぃはー?」
「たぶん家でお祝いになってるんじゃないかな?お仕事決まった訳だし?」
「なるほどー。たしかに、おじさまとおばさまも喜んでるかもー」
「そうと決まれば、りっちゃん家に行こう!」
「おー」
これで、こっちで誘いたい人は誘えた。
次は、村に帰ってギルドの土地探しますか。