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異世界で自由な子育てを夢見れるか  作者: tinalight


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9-36.アリアの実演

 ステラの実演が終わったよ。

 終わったけれど、暗くなっちゃったから様子を見るのは明日だね。

 アリアの実演の準備だね。

 私はステラの実演を暗い中、遠目に中庭が覗けるバルコニーの様な場所で他の人と見学していたのだけれど、その衝撃は凄かったよ?

 家庭用の大きな花火ってそこそこ大きな音がするけど、そんなもんじゃない。打ち上げ花火が近くで爆発した様な、あるいは直ぐそばに雷が落ちた様な衝撃が走った。


 うん、これは危ない。

 一緒にいた魔族の人達やスチュワートさんもビックリしてた。他の見学してた人は問題無かったのかな?魔法はあっても火薬が発明されていな時代だし、飛竜の咆哮も知らない人が多いのだとしたら、物理的な武力による攻撃でこんな衝撃が起こるとしたら、戦争では脅威になるよね。

 だって、上空から首都に石をばら撒かれたら、なすすべもなく色々な物が破壊されちゃうからね。


 まぁ、そういった感想とか見解はお茶でも飲みながら雑談をして、残る2つの実演の準備を着々と進めていけばいいと思うんだよね。


 ステラと元帥の役職の人と、見学していた人たちがゾロゾロと会議室に戻ってきた。そしてそのタイミングで厨房からプリンと思わるお菓子を運んで来た執事さん達も入ってきた。そっか、昼食の再現をしてもらうことが魔族側の実演内容に含まれていたね。


 私はお昼ご飯を抜きで皆の昼食とか作っていたから、お弁当として作ってきたお昼ご飯を食べようかな?皆は私が作ったお昼ご飯を食べたのだから、皆がお茶をしている時間に私がサンドイッチとか食べていても文句は言われないはず。

 サンドイッチだけでは物足りないから、ニーニャが作ってくれた小型の魔石タイプのコンロでスープでも温めて食べようかな?スープならリサにも分けてあげらるし、丁度良いよね。


 皆は魔族側の実演と称して提供されたプリンみたいな何かとお茶を楽しんでいる。私は執事にそれを断った上で、昼食を食べさせて頂くこととした。当然、居合わせた皆さんにも、『寝てて昼食を食べらなかったので失礼します』的な挨拶はちゃんとしたよ。


 ……。

 ……、……。

 いやいや、そんなジロジロ見ないでよ。私がマナー違反してる?

 皆が会議や打ち合わせをせずに、お茶を楽しんでる場で、大きな音もたてずにサンドイッチとスープを準備して、手を付けようとしているだけなんだけど……。


 まぁ、確かに多少はスープを温めた香りが漂うし、小型の魔石を使ったコンロは便利そうに見えるかもしれないけれど、魔法が使える人が居れば問題ないレベルだし。サンドイッチなんかも、今日昼食で提供した食事に比べれば十分質素なもの。


 なんか、こういうときって、大概私が何か大きなマナー違反をしていることに気が付かなくて注目を浴びちゃうことが多いのだけれど、なんなんだ……。悩んでいても仕方ないからステラとリサに念話を通すか……。


<<ステラ、リサ、念話で確認するけど、私は何かマナー違反をしてますか?>>

<<ヒカリさん、マナー違反ではないけれど、行動が注目に値するわ>>


<<え?いや、皆さん、私が作ったお昼を召し上がられて、魔族による再現レシピでデザートを食べようとしているのですよね?>>


<<まず、そこにある卓上魔石コンロね。それは無いわ。私も初めて見たもの>>

<<あ、ええっと。

 普段の旅では人数が多いのと、ステラの鞄があるから、もっと大型のコンロを使ってます。こういう狭いところとか荷物を軽くするときに使えるコンロをニーニャに頼んであったのを使ってます>>


<<ヒカリさん、その様な携帯コンロが使えるとなると、行軍の際の調理部隊が不要になるわ。迷宮に入る冒険者も荷物が少なくなるし、食料事情や衛生管理が圧倒的に良くなるわ。軍隊を指揮する人たちからすれば、垂涎物の装具よ>>


<<あ、いや、そっか……。今更仕舞えないですよね……。

 でも、ステラだって、ニーニャに作って貰った指輪を提示していたのだから、ドワーフ族と親しい仲であることは魔族も判っていますよね?>>


<<まぁ、そこは魔族から質問があったら誰かがフォローするから大丈夫よ。

 それよりもその食事よ>>


<<え?>>

<<確かに私たちはお昼ご飯にヒカリさんが変わり身をしたアサリさんの食事を食べたわ。けれど、今提供されてるミルクテロンは似て非なる物よ。

 魔族側が食事のレシピの実演を失敗している傍で、アサリさんが提供した様な美味しく見える物を食べているのだから注目を浴びるわよ>>


<<やっぱり、それはダメな感じ?>>

<<ヒカリさんだって、やる前から分かっていたでしょう?>>


<<まさか、交渉のアイテムに載せてくるとは思わなかったよ>>

<<私だって想像もしていなかったわ。こちらの説明を意に介さず実演した結果がこれよ……>>


<<ステラ、なんだかごめんね……>>

<<ライト様がヒカリさんを離したくないのが分かるわ……。

 と、そういうことで、ヒカリさんのその食事をしている姿が羨望の的なのよ。

 皆に注目されながら美味しく食べて頂戴!>>


 う~~~ん。

 私が悪い訳では無いことが判ったけれど、油断したつもりも無いのに注目を浴びてしまったっ……。

 ま、まぁ、これくらいならいっか!

 それよりもステラの実演結果と残る2つの実演の話だよね!


「皆様、私の実演の手順について決めたいのですが、お茶を飲みながら話をさせて頂いても宜しいでしょうか?」


 と、アリアが切り出した。

 アリアも私に注目が行っちゃっていることを気にしたのか、あるいはステラの実演結果を見て、自分の成功させるために準備を始めたかだね……。


 魔族側の反応は、もう既に疲労困憊の様子。

 交渉の準備したものが成果にならず、ステラの実演につきあってみたら、想像上の武力を備えていることが分かり、出来ると言い張った料理のレシピの再現も出来ていないは誰の目にも明らか。ただそれを口に出して言わないだけの状態。まぁ、準備不足っというより、こちらの作戦勝ちってのは有るかもね。


 でも、最高責任者である国王陛下が力を振り絞って発言したよ。


「アリア殿、確かに貴方の権利を決めるための実演が残っておるな。

 皆もアリア殿の意見に耳を傾けつつ、実演の準備に協力して欲しい」


 国王陛下も、既に負けを認めている感じで自分達に有利な結果がにならないことを想像してしまっている様な態度。ただ、そこは審判員として中立な立場を取らざるを得ないし、今後の魔族の国を立て直すためにも、原因を明確にしておかなくてはいけないからね

 これが暗愚な暴君だったら、暴れるとか部下に任せてこの場から離席しちゃったかもしれないね。そう考えると、ここまで追い詰められながらよく耐えていると思うよ。


「陛下、私から提案があるのですが、宜しいでしょうか?」

「うむ」


「アリア殿との5回戦ですが、教団メンバーから5人選ばせて頂きたいのです。今回の大会に囚われず、過去の大会で優秀であった者達から選出できるはずです」

「うむ。私はそれでも構わない。アリア殿は如何だろうか?」


「今日、明日に決着が付くのであれば、その方達で構いません。ステラ様との旅の都合がございますので、優秀な方を地方から呼び寄せる時間が必要といった対応は避けて頂きたいかと」


「アリア殿、その通りだと思う。

 法皇よ、今晩中に参加できるメンバーを揃えれば誰でも良いこととしよう。

 他にあるか?」


「陛下とアリア殿に感謝します。

 もう一つあります。対戦していない者達にも見学できる場を提供頂けないでしょうか?」


「それは、大きな大会の様な会場を用意するという意味だろうか?」

「私の説明不足です。すみません。

 対戦者二人だけの個室で勝負を行いますと、不正が無かったのか判断ができません。そのため、この会議室の様な場で対戦をして頂き、客観的な対戦結果として記録を残して欲しいということになります」


 ふむふむ。

 これは捉えようによっては、公平とも思えるけれど先の4人の対戦結果を学習して最終戦に備えるっていうのは有りだね。ただ、まぁ、アリアは勝つためのパターンでは無くて、引き分けるためのコマ数の計算をしちゃうわけだから、その演算能力は傍から見ているだけでは分からないと思うけどね。


「うむ。であれば、この場を提供しよう。双方準備ができ次第、今晩から始めて貰って構わない。他に何かあるか?」


「念のためではございますが、音、声掛け、サインなどが同席されているメンバーから行われない様にして頂けますでしょうか」


「アリア殿、この場で対戦をし、観客を付けたい。ただし、観客は音やサインなどの不正が行われない措置をとること。

 この条件は構わないだろうか?」


「はい。私は問題ございません。

 ですが、観客が音やサインを送ることを止めることは観客として同席される方達に協力を仰ぐこととなります。この場にいらっしゃる他の方達に同意を得てください」


「うむうむ。アリアの言うことも尤もである。

 法皇よ。例えばだが、厚めのマスクを着用し声が届きにくくする。手は毛布の下に置き、対戦中そこから手を出さない。そして、対戦者と同じ種族は対戦を背後から観戦することとする。対戦中の席の移動、離席を禁じる。

 この会議室でとれる対策と観客の協力を仰げる内容はこの程度であろう。如何だろうか?」


「陛下、アリア殿、協力に感謝します。観戦や立会人となる者は陛下の示したルールを守れるものだけが残ることとしましょう」


「うむ。では、双方夕食前までに準備を整え、夕食後から対戦をすることとしよう。

 よろしいか?」


「はい!」

「はい!」


 ふ~ん。

 なんか、今のところ問題なさそうな感じ。

 そして、アリアと同等なリバーシの腕の持ち主なら、アリアが勝ち負けをコントロールして引き分けに持ち込むことも可能だろうしね。

 良い感じで進んでるんじゃないかな?


「ところで、その……。ヒカリ殿、少々お尋ねしたいことがあるのだが、宜しいか?」

「はい。何でしょうか?」


 っと、ここで私に質問か……。

 ステラと念話を通しておいたから大体予想はつくけれど……。


「召し上がられている食事は、私が今朝、食したサンドイッチと呼ばれる食べ物によく似ておるのだが、自作されたのだろうか?」

「こちはら、今朝方、カジノで昼食用の弁当として作って頂いた物になります。少々時間が経っておりますが、あと数名分は残っております。お見せしましょうか?」


「カジノというと、例のカジノか?」

「すみません。以前にカジノの話題があったのでしょうか?」


「うむうむ。国が賭け事ギルドに運営を任せているカジノで、そこで出される食事が美味しいとの話であった。こちらで我々がお茶のお供にしている物も、その料理人のレシピを再現した物になる。

 そのカジノの話となる」


「1週間くらい同じカジノに通っておりますが、そちらで提供される食事は人族の冒険者が作っていると小耳に挟みました。

 陛下の仰るカジノ店と私どもが通ったお店が偶然一致しているのかもしれません」


「ふむふむ……。そうかそうか……。

 なんとしてでも、その冒険者を召し抱えたいものであるな……

 ヒカリ殿、どうもありがとう」


 う~~~ん!

 アサリはそろそろ姿を隠さないと不味いね。ウイッグと衣装ぐらいではそのうち身バレしちゃうよ。


 それよりも食後のアリアの実演が始まるね。

 食事に混ぜ物が無いかを確認することと、5回のうち、1回でも引き分けたら法皇たちが保身のために武力行動に出ないかを見張っておく必要があるね。


いつもお読みいただきありがとうございます。

暫くは、毎週金曜日22時更新の予定です。


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