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8-22.ゲーム大会3位決定戦(1)

 私たちが無事にサンマール王国に着いたころ、ステラ達は……。

 アリアさんが3位決定戦を始めて、最初の3連続引き分けぐらいは周囲がちょっと驚くぐらいの感じだったのよね。ところが5連続引き分けが発生した辺りから「この対戦は何かが違う」って、周囲が感じ始めたのよ。


 先ずは、賭けを楽しんでいる観客かしらね。

 だって、いくら掛けても勝敗が決まらないのだもの。つまり、賭け事を取り仕切っているギルドが全て総どりをしていることになるわ。観客は段々と勝敗よりも賭け事ギルドの運営の仕方に怒りを持ち始めていたわ。「こんなイカサマ、いつまで続けるんだ」って、感じかしらね。


 次に問題なのは、賭け事ギルド側なのよ。

 1つ目の問題として、5連引き分けぐらいから「偶然の結果」とは思われなくなっていて、賭けを楽しんでいる人たちから不信の目を向けられてしまっていることね。運よく勝ち抜いた二人がお互いに手を抜いて、賭け事ギルドと組んで賭け金の払い戻しをせずに、賭け金を巻き上げていると思われるのは当然よ。

 次に、彼らとして問題なのは、ゴロツキ集団の何人かが、「只管ひたすら引き分けに賭け続けている」ということね。ゲームの出場者と何らかの取引があって、もし最後の勝敗を当てられれば、払戻金が莫大な額になるわね。

 これは、私やテイラーさんと交わしている特別な契約であれば、信用の収集に決着が着けられるけれど、一般の、それもゴロツキ集団に不信の流布をされたら、賭け事ギルド自体の信用問題になり、波及範囲は今回のゲーム大会に収まらないわ。


 そのような懸念があることを考えていると、5連続引き分けの結果が出たところで「一旦休憩に入る」と、大会開催者から会場へアナウンスがあったの。これはきっと、休憩という名の元に、大会の運営関係者と賭け事ギルドで作戦会議をすることにしたのだと思うわ。


 確かに5回も対戦をして、外は暗くなってきているし、対戦している選手だけでなく、大会関係者も疲れが出始めているわよね。

 ただ、本来であれば「次が最後の一回」であるならば、大会の盛り上がりに水を差すことになるし、賭け事への熱も冷めてしまい、余計に賭け金の収集がままならなくなるのだから、そのデメリットを上回る程の緊急事態と捉えているってことからしらね。


 さて、どんな作戦にでるのかしら……。


ーーー


 大会側から「一時休憩」のアナウンスが有ったときのギルド長室。そこには今回のゲーム大会の運営に関わる幹部数名が呼び出されていた。


「おい、どうなってるんだ。俺でも不正を疑うレベルだ。

 とりあえず、Bブロックの3位決定戦の出場している選手を適当な理由を付けて連れて来い!事情を聴くんだ!

 だが、女性の方は教会幹部との繋がりがあるらしいから、不正の証拠がない段階では呼び出しは出来ない。

 いいな?」


「はっ!承知しました!」


 と、返事と共に2~3人が同時に飛び出していく。ギルド長と2人が残った室内で、会話が続く。


「今、幾らの損害が出そうか、集計が出来ているか?」

「このまま女性が勝を納めれば、大きな被害は出ずに済み、魔族の金貨換算で500枚程度の収益になると推定されます」


「次、女性が負けたらどうなるんだ?」

「仮にBブロックの選手とゴロツキ集団がグルになって、賭け金の払い戻しを計画しているとなると、魔族の金貨で5000枚以上の損失が見込まれます?」


「待て待て。何故そうなる?誰かが払い戻し倍率を変えたり、賭け金の上限を変更したのか?」

「いいえ。基本的には変更ございません。

 ゴロツキ集団が賭け金上限の魔族の金貨10枚を10人が賭けています。それを5連続引き分けで倍増させておりまして、現在彼ら10人だけで3200枚相当の賭け金が積みあがっている状態になります。

 つぎ、勝敗が着き、グルになっている側が勝利するとなると彼らだけで6400枚の払い戻しが必要になります。幸いにして、引き分けが連続しているため他の方への払い戻しは殆ど発生せず、賭け金を回収出来ている状況になります」


「ゴロツキ集団はどの派閥だ?グループのリーダーを呼べ。あと、3位決定戦に出場選手と裏でつながりが無いか調査しろ!」


「はっ!」


 と、経理報告をした者がキビキビと返事をして部屋を出ていく。


「で、裏工作の有無についの調査はさておき、運営としての不正疑惑の払拭の手はあるのか?」


「は、はい!

 あくまでアイデアではございますが、対戦している盤の様子をを棚の様な形で会場に掲示するのは如何でしょうか?

 つまり、64マスの棚を作り、そこに白と黒で構成された板を掲げるのです。進行役には1手ずつをゆっくり進める様に、それぞれの選手に指示をだしておいて、選手のコマの配置に合わせて、棚に掲示するコマを増やしたり、ひっくり返したりするのです。

 如何でしょうか?」


「高さ2mぐらいの棚で作れ。

 そして、裏表両側で見える様にするために、どちらの選手が黒で、白かを裏表で変えられるようにしておけ。間に合えば会場へ4台同じものを設置しろ。

 どれくらい時間が必要だ?」


「贋作工房に作業させて、1台目は2時間以内。追加3台は2時間追加で必要と思われます」


「会場に2時間の休憩を言い渡せ。そして主催者側から会場の皆へ軽食とドリンクを振るまえ。

 贋作工房には1時間で1台目。2時間で4台を作らせろ。会場には別に土台を高くして、会場へ広く見える様に配置しろ。

 金に糸目をつけるな!時間を金買え!」


「ははっ!直ぐにその様に!」


 が、しかし……。

 片側の細工だけで5連続で引き分けなどが起こる物なのか……?

 余程の実力に差があったとしても、引き分けにコマ数を調整するなど不可能ではないのか?であれば、対戦相手ごとグルになっている可能性があるだろう。

 今回の対策の会場へ手を公開する架台があれば、皆で手加減してるかどうかの疑惑も晴れてくるというもの。これで様子を見るしかないか……。


 あとは、出場者とゴロツキ集団の連携が気になるところだな……。早く連れて来い……。


 と、幾つかの指示を出していると、最初に指示を出した「3位決定戦の選手を連れて来い」の件に進展が有った様だ。

 ノックがあり、ギルド職員が一人の若者を連れてきて案内をした。


「初めまして、ゲーム大会の運営者であるハッサン殿にお目にかかれて光栄です。この様な場で私が活躍できることは全て貴方のお陰なのです!」


 うん。これは全く無邪気で欲望の欠片も見えないな。単にゲーム大会を純粋に楽しんでいる様に見える。


 が、しかし……。

 もし、ゴロツキと組んで勝敗と賭け金の払い戻しを画策しているのであれば、我々からの呼び出しに警戒して、予め演技する内容も準備してあるかもしれない……。

 ゲーム大会で5連引き分けを成立させるのと、予め演技の準備をするのであれば、後者が圧倒的に楽だからな。丁寧に探りをいれるとしよう……。


「ああ、初めまして。賭け事ギルドを取り仕切っているハッサンだ。この大会を楽しんで頂けていて幸いだ。

 さて、少し伺いたいことがあるのだが、宜しいだろうか?」


「は、はい!何なりと!」


 飲み物を用意させ、応接セット側へ選手を案内する。そして、私もそちらへ席を移して、和やかな雰囲気を演出することにした。これで警戒心も解けるだろうし、場合によっては会話からボロがでるかもしれないな……。


「地元は何処なんだい?」

「はい。ここの王都から徒歩で2日ほどの所にある小さな村です」


「それは遠いところから大変だったね。参加費の準備にも苦労したんじゃないかい?」


「そ、そうなんです……。この大会は3位までは賞金が出ますので、何としても勝たないといけないのです!上位に入賞できると、良い仕事口が見つかるとも伺っていますので、そのための宣伝費とも考えてはいるのですが、やはり上位入賞者で無いと声も掛からないと聞いていますし……」


 うむ……。これが全て事前に考えられている質疑応答であれば、良く考えられているな。少し確度を変えて質問をして、揺さぶってみるとするか……。


「結構、このゲームに自信があるみたいだが、仲間内で普段から練習しているのかい?」

「あ、いや……。友達はゲームとか考えることよりも、体を動かすことが得意な様でして……。

 その……。村には先生がいらっしゃって、色々なことを教えて下さるのです。その一環でゲームのことを教えて頂き、王都でのゲーム大会で上位に入れば就職アピールに使えるとも教わったのです」


 これはゴロツキと裏で糸を引く師匠がこの青年と組んで、この状況を作っている可能性が無いか?

 引き分けに賭け続けているゴロツキの方からこの青年との結びつきを吐かせる方が手っ取り早さそうだ。ここは切り替えるべきだな。早々に打ち切って次の手に進んだ方が良さそうだな。


「なるほど!それなら3位決定戦は負けられないな!休憩が終わったら是非頑張ってくれ!」


 休憩時間中に選手へ意気込みをきかせて貰ったお礼を言いつつ、会見を上手く終了させた。


ーーー


 次は別室で始まったらしい、ゴロツキ集団の方だな。私は表に出ず、強面の連中に接待して貰う様子を伺うとするか……。



「貴方たちを呼んだのは、不正疑惑があるからだ」

「な、なんだ?俺たちは何にもしらねぇ。何か文句でもあるのか?」


 何の証拠も突き付けられて無いのに、「何も知らねぇ」って、それは隠し事があるって言ってるような物でしょうが。はてさて……。


「幾つかの疑惑があるのですが……。まず、貴方たちの賭け金です。何処から手に入れましたか?不正に入手した資金で賭けに勝っても、我々はその払い戻しが出来ないのですよ。分かりますか?」

「グレハンが別れの挨拶に俺らにくれたんだよ!文句あるのかよ!」


「ん……。つまり、君らの仲間の一人が10人全員へ魔族の金貨10枚ずつ渡したということでしょうか?」

「ああ。『先日の武闘大会で大穴に賭けて、魔族の金貨で200枚になった』とか言っていた。『元金とかその他の手数料でほとんど無くなったが、これだけは渡せる』って、ことらしい」


「嘘ではありませんね?こちらは高額の払い戻しに関しては帳簿に付けてあります。記録が残っているはずなので、確かめられますが宜しいですね?」

「ああ。だが嘘をついてるとしても、それはグレハンであって、グレハンを問い詰めるべきだろう?」


「それは別の係の者に調べさせます。次の質問です。よろしいですか」

「なんだよぅ!まだ何かあるのかよ!俺らは何にもしらねぇっての!」


「誰の指示で、『引き分けに賭ける』ことにしたのですか?」

「……。」


「おや?だんまりですか?」

「……。」


「……言えないと。

 何らかの不正疑惑がある以上は、我々はこの後の勝敗によらず、賭け札の払い戻しには応じられませんが?」


「知らねぇ!知らねぇが、『白いハンカチが出るまで、引き分けに賭けろ』って言われたんだ!だから、引き分けに賭けてるんだ!」


「つまり、勝敗をコントロールしていると。完全な不正行為ですね。

 だれの指示ですか?指揮者を庇うつもりであれば、貴方たちは賭け金の没収だけでなく、今回の大会運営費の全額補償をして頂く形になります。貴方たち10人では補償金が不足するでしょうから、親類縁者合わせて犯罪奴隷に落ちて貰うことになります。

 宜しいですね?」


「グレハンだ!グレハンが言った!あいつのせいだ!俺らは無関係だ!『ゲームの場に白いハンカチが出るまで引き分けに賭けろ。白いハンカチが出たら男の勝に賭けろ』そう言われたんだ!これ以上は本当にしらねぇ!」


「それで、そのグレハンは今どちらに?」

「人族に雇われて旅にでるらしい。だから、精算してお別れだから、最後にネタをくれたんだよ!」


「都合が良すぎませんかね?実在しない人物をでっちあげて、その人に擦り付けようとしてませんか?」


「してねぇ!信じてくれ!ほら、賭けの払い戻しが記録に残っているんだろう?だったら、グレハンの名前が残っているはずだ。それに観光で来ていた人族の旅人も一緒にいたはずだから、賭けを楽しんでいるかも知れない。

 それが確認できれば、俺らが嘘を言っていないと判るはずだ!」


「分かりました。我々の持つ記録とは別に、門番にもグレハンが通過したか確認をとりましょう。確認がとれるまでここで大人しくしていて貰いましょうか」

「わ、わかった……。

 だがよ?俺らが無実なら、俺らの持つ賭け札は有効ってことになるぜ?まだ決着がついていないんだからさ!」


「グレハンが実在して、勝敗を外部からコントロールしているのであれば試合が無効になり、賭け札は賭けた額がそのまま払い戻されるだけですね」


「それはグレハンとお前らで確認をとれば良いことだろ!

 不正と確認がとれるまでは俺らの賭け札は有効だし、賭け事ギルドで払い戻しに応じるべきだ。出来ねぇなら、不正の噂を俺らが言いふらす!」


 ふむ……。

 これはちょっと面倒なことになりましたね……。

 ここで大会を中止するとなると、少額を賭けていた人達への払い戻し補償が出来ませんし、賭けに負けた人は賭け札を破いてバラまいている人も多いことでしょう。『白いハンカチ』『グレハン』この謎を至急に調査し、対応を図る必要がありますね……。


「分かりました。お詫びに食事を提供させて頂きます。このままゲーム大会にご参加頂いて結構です」


ーーー


 ふむ……。

 『白いハンカチ』『グレハン』この謎を早急に調査し、対応を図る必要があるな……。

 グレハンが実在する人物であることは帳簿から直ぐに判明した。教会が接待でお連れしたエルフ族の客人の払い戻し金に埋もれていたが、先日の武闘大会で魔族の金貨200枚を獲得していた。ゴロツキ連中の言っていることはここまでは正しい。


 次は、このグレハンとゲーム大会の関係だ。門番の所へ調べに行かせた遣いが戻って来るまでは確証が得られねぇが、未だに王都に偽名で滞在して、ゲーム大会の勝敗を操っている可能性がある。さっきの男性選手がグレハンと関係ないとすると、女性選手の行動を確認した方が良いな。女性選手が白いハンカチを持っているならビンゴだ!


 とすると、どういった状況が考えられるんだ?

 女性選手は教会の関係者のお客人。先日の武闘大会で多額の払い戻し金を勝ち得たエルフ族の人も教会の重要なお客人らしい。これは、教会が賭け事ギルドに対して何か仕掛けをしているということか……。


 いや、だがしかし……。

 賭け事ギルドには教会の資本が相当量注ぎ込まれている。賭け事ギルドが破綻して、国有化するとした場合、教会側になんらメリットない。


 教会側にメリットが無いことを教会側のお客人が画策している。しかも、払い戻しの履歴をみるからに、教会幹部である枢機卿が斡旋して、決勝戦で追加の金貨投入を指示・許可した記録が残っている。


 つまり……。

 枢機卿と国が組んで教会の資本を削ろうとしている?その発端が賭け事ギルドだということか?


 そう考えると辻褄が合うぞ?

 そもそも先日の武闘大会の対戦表だ。

 決勝戦のシード位置や払い戻し倍率を指示をしたのは教会からの指示だ。決勝戦に教会騎士団が残っていて、枢機卿を含めた教会の幹部が大勢見学に来られて、多額の賭け札を購入している。

 本来なら、武闘大会を介して、教会幹部へ賭け事ギルドの資金の還流が行えたはずだ。それが失敗しただけでなく、賭け事ギルドに多額の負債を負わせたし、他種族への金貨の換金を考えると、魔族の国の根幹を揺るがす事態となる。金貨の換金保証の考え方は教会の提案である以上、国と教会とで協議が必要になる。今回の事態の収束に当たっては教会側の資金や施設、利権などを相当量、王国側へ譲渡して、エルフ族との調整を図って貰う形となるだろう。


 ふむ……。

 エルフ族のお客人と王国側の繋がりを確認したい。これは王都への入国記録から同行者が確認できるはずだ。これも直ぐに調べさせよう。

 枢機卿は表に出られないはずだから、王国関係者を通じて、彼らが思う様に状況を進めることが利用されている賭け事ギルドが存続する上で一番損害が少なくて済むはずだ……。


 女性選手が白いハンカチを持ち、王国側と組んでいることが分かれば、そこだけを尊重しておけばよいはずだ。

 グレハンと王国側のお客人との繋がりが無ければ、壁の薄い宿屋か酒場辺りでこの情報を掴んだだけの可能性が高い。ゴロツキ集団に任せて自分は安全な場所に身を隠す。


 ふむ……。

 女性選手と王国側の繋がりあり、グレハンと王国側の繋がりが無いことが確認出来たら、男性選手に白いハンカチを振らせよう。そしてゴロツキ集団の払戻金をリセットさせてから、秘密裏に処分しましょう。これでグレハン側に情報が洩れていることを封鎖できることになるし、そのネタを女性選手の王国側へ伝えることが出来れば恩を売ることが出来る。


 情報の繋がりの裏取りが出来き、ゴロツキ集団の処分が終わったら、女性選手側にコンタクトを取ることにしましょう。


 先ずは、休憩中にゲーム大会の信用の取戻しから始めましょうか……。



ーーー


「アリアさん、そろそ休憩が終わって3位決定戦の第六回戦目が始まるわよ」

「ステラ様、賭け事ギルドは私達に何も言ってきませんでしたね。資金に余裕があるのでしょうか?それとも、まだイカサマの調査中ということでしょうか?」


「この休憩期間中に、観戦者向けの対戦の様子を示すパネルを設置したことから、二人の対戦の様子を観客にも公平に確認してもらって、不正の疑惑を晴らそうという魂胆かしらね」


「そうみたいですね。

 ですがゲームのルールが変わらない以上、そして対戦相手が滅茶苦茶な手を打ってこない以上は、引き分けへのコマ数の調整は可能と思います。5回対戦の感触から、この先も続けられると思います」


「イカサマでも何でも無いのに。自分達で払い戻しができるのかしら……」

「このゲーム大会での払い戻しについては私たちは何も関係していませんよね。『白いハンカチを出して』と、ヒカリ様からご連絡を頂いただけですので」


「アリアさん、実はアリアさんの名義で人族の金貨1枚。私の名義でエルフ族の金貨1枚を賭けてあるの。『私の指示があるまでは引き分けに賭け続けなさい』とだけ言ってあるわ」

「ステラ様、流石です……。でも、まだ金貨32枚でしたら可愛いものですし、賭け事ギルドの人達も少額のため気が付いていないでしょうね。10回引き分けてやっと金貨1000枚。魔族の金貨に換算して10枚といったところ。彼らからしたら痛くもかゆくもない額ですね」


「そうね。彼らに迷惑を掛けない程度の遊び感覚よ。アリアさんも相手の選手に合わせて楽しんで頂戴」


「分かりました!」

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