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地味・ボンヤリの伯爵令嬢、俺様系王太子殿下と魔女討伐に抜擢される ~残念鈍感美少女が単にイロイロ巻き込まれるだけの話  作者: buchi


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第55話 噂を封印するローザ

学校に戻ると、覚悟していたことだが、生徒中から好奇の目にさらされた。



学校を休んだのは一ヶ月足らず。


にも関わらず、親善パーティーは一年位前の話のような気がする。



親善パーティーは学校では相当な衝撃だったらしい。


「そりゃそうよ。いきなり、あのアレク様があなたと踊ったのよ?」


ローザが学校に復帰してから聞いたところでは、パーティ直後は、ローザの知らないところで噂が噂を呼んで、大変なことになっていたのだそうだ。


「曰く、ローザ・ウォルバート嬢は王太子殿下をたらしこんだのだ、とか」


うんざりした様子でローザは否定した。


「しかも、学校を休んでしまったでしょう? 王太子殿下も同時期休んでいた。側近のエドワードも」


「そうね」


「きっと、王太子殿下との間にナニかあるに違いないって」


何もない。


「王弟殿下から指示された仕事をしていたのよ。私の魔法力ってとても特殊らしいの。授業にはついて行けないけどね」


「へえ?」


授業について行けない特殊な魔法ってなんだろう。


「ねえ、一体どんな仕事だったの? 学生のあなたが出来ることなんかあったのかしら?」


ナタリーが聞いてきた。説明するのが面倒くさい。ローザはすべてをぶっ飛ばす特ダネを知っていた。


「私、魔道具の鑑定ができるので呼ばれたの。ところで、王太子殿下には婚約者がいるらしいわよ?」


この耳寄りなニュースに、ナタリーとキャサリンは、グイッとローザの方を向いた。目がギラリと輝いた。


「すごく驚いたわ。女官たちが噂をするのを聞いたのよ!」


「誰なの?」


そりゃ一番知りたいのは婚約者の名前に決まっている。カスターシャ姫。隣国の王女だ。


「名前だけは、絶対に内緒よ」


「もちろんよ」


「人に知られたらいけないわ。多分、秘密事項だと思うの。何しろ、相手が……」


そう。相手は隣国の王女。事前に広がれば、外交問題になりかねない。


ナタリーとキャサリンは、すっかり夢中になった。


「それ、本当なの? ローザ?」


「迎賓館で聞いたの。あそこには王家の女官が詰めているでしょう? その人たちがヒソヒソ話していたのをこっそり聞いたのよ。だから、本当よ」


「それは……ちょっと、アイリーンにも聞かないといけないわね」


ナタリーとキャサリンはそわそわし出した。明日、誰にしゃべるか考えているのかもしれない。



よし。


まずはこれで少しは噂も減るだろう。多分。


王太子殿下に婚約者がいるらしいと言う噂は、ローザと王太子の仲を邪推する連中を黙らせるだろう。きっとローザのことを敗北者くらいには言うだろうが、それどまりで済むに違いない。




学校に復帰してから、最初の数日は遠くからジロジロ見られたり、ナタリーやキャサリン以外の友達からもいろいろなことを聞かれた。


聞かれるたびに、ローザはこっそりアレク殿下の婚約の話をした。


全員が目を丸くして驚いた。まだ疑う者がいたので、絶対の秘密だと言って、カスターシャ姫の名前をささやいた。


「そうか。それは言えないわね。国家機密だわ」


さわさわとこの信憑性に富む噂は広がっていって、それを知らないエドワードは首をひねった。


王太子の側近は当然知っていると思われていたので、わざわざエドワードに、王太子と隣国の王女との婚約を教える人間はいなかったからだ。


もっと、えげつないことになることを予想して、彼はローザを守る作戦を練っていたのだが、どういう訳か、ローザ嬢が悪女だの、殿下を騙しただのといった噂は聞こえてこない。


あのジョアンナさえ黙っていた。

ジョアンナは、ローザのことをダンスまで踊ったと言うのに、結局王太子殿下に全く相手にされない、魅力ない女だと言ったそうな。


噂はみごとに封印できた。


最初、頻繁に声をかけてきた男子生徒も沈黙していた。王太子殿下のダンスパートナーに選ばれるような女性には、声をかけたくてもかけられない。カスターシャ姫の噂もあったが、公式な発表がないので、万一、王太子殿下が本気だったら、まず過ぎる。


「これでいいのよ」


ローザはつぶやいた。ただ、この有様では、婚期を逃すかも危険性があった。でも、一応、殿下に側近の紹介を頼んでいる。


「殿下もそれくらいなら、してくださると思うわ。一緒に頑張ったんだもの」


ちょっと涙がにじみそうな気がした。なんでかは、わからない。




そして、アレク殿下はどんなに頑張っても、ローザに近づくことすらできなかった。


ローザ嬢はぼんやりで隙だらけと言われていたが、アレクが食堂に探しに行っても、教室替えの時や授業が終わったころを見計らってうろついてみても、どこにもいないか、常に女子生徒に囲まれていて、全くチャンスがなかった。

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