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鴨が鍋に入ってやって来た  作者: さわZ
鴨の苦汁なお吸い物
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第八話 チューニからコウニヘ

静まり返っていた決闘場。

シュージとトーマの決闘の解説をトーマ自身から聞かされた観衆はカモ君との友情と計算高さ。何よりそれを信じて突き進んだシュージの勇敢さに歓声を上げた。

その歓声の中でシュージにはトーマが使っていた杖が渡された。トーマに残されていたアイテムはそれだけだったのだから仕方ないが、今のシュージには効果がない代物だ。

正直、売り払ってキィとどこか美味しいものを食べに行こうかと考えていたシュージはそんな事を考えながら、幼馴染とコハクを連れてカモ君が寝かされている保健室に出向いた。

ベッドに寝かされているカモ君。彼は既に傷は塞いだが、流れた血液までは戻らない。そのため、コーテの看病とライツの食事介護を受けていた。

何も知らない人間がそれを見れば美少女を侍らしているクソ野郎だが、体力ゲージはようやく半分回復したばかり。

それをわかっているからこそシュージはカモ君に決闘内容を話しかけてきた。


「お前のお陰で勝てたぜ、エミール」


「…ふ、当然だ。俺を誰だと思っている」


「「「………」」」


笑顔のシュージに対して、カモ君は冷静を演じてみせたが、その隣ではジト目で何かを訴えてくる女性陣。その視線に勿論気が付いているが、そこはスルーで過ごした。


ええやないか。たまには格好つけさせてくれてもええやないかっ。

ワイからこれを取ったらもう残るのはサンドバック能力しかないんや。

だから堪忍やー、コーテはん!格好つけさせてぇえええっ!


「やっぱり、カモ君は面白いわ」


心の中で必死に言い訳を並べているカモ君の様子をニッコニコで眺めているコハク。

上位存在にとって、下位存在が必死に足掻く姿は余程愉快に見えるのだろうか。

コーテもカモ君の考えもわからないでもない。が、何となく心情は察せる。キィも前世の記憶から、あれがカモ君の全力である事は薄々気が付いている。

今のシュージは友情フィルターでカモ君を過大評価しがちである。その間はシュージのやる気も維持されているので文句は言えない。

だが、カモ君の限界はここまで。主要キャラの攻撃一発で沈む弱キャラなのだ。文字通り手も足も出なかった。そんなレベルが限界だ。

今までは騙し騙しでシュージを引っ張ってきたが、もはや足手まといにならないのが精一杯。後詰めでシュージに知識と技術。そして経験値を与える(わざと負ける)くらいしかない。情けないと思うがこれ以上出しゃばって悪影響を出すわけにはいかない。

表舞台には出ずに、それこそ背景キャラ。それこそ一般人A並みの登場シーンで終わろう。もしくは教科書か攻略本的なサポートに徹しよう。


カモ君は沿そう考えながら、シュージと談笑をしながら終始過ごした。

そう、考えていた時期はものすごく短かった。




「エミール・ニ・モカ。並びにシュージ・コウン。キィ・ガメスの三名を名誉一代男爵の爵位を与える」


…は?どういうこと?


決闘から一週間後。突如、リーラン王城に呼ばれたカモ君達はリーラン王より爵位を渡されることになった。


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