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鴨が鍋に入ってやって来た  作者: さわZ
鴨の苦汁なお吸い物
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第六話 利率5%

カモ君が意識を取り戻すとそこは見慣れた天井だった。

視界の端には心配の表情を見せるコーテと生きていたかと少しがっかりしていたライツの姿が。

ああ、また。心配させてしまったなと後悔はすれどもどうすることも出来なかった自分を自己嫌悪に陥りながらも、もう、第三の寝床になりつつある保健室のベッドから体を起こす。これまでの激闘からの気絶。そこからの復帰。カモ君の仕草は慣れたものである。…慣れたくはなかったが。

致命傷は肩代わりしてくれるが、それ以外のダメージは体に残してしまう護身の札。

意識を無くす前に受けた風の刃や、吹き飛ばされ叩きつけられたダメージを自覚し始めたカモ君の声はかすれがちになっていたが、コーテの目の前という事もあって、寝起きと言う意識があやふやな状態でも強がった。


「もう。すごいダメージだったんだよ。私も回復魔法の使い過ぎで魔力が底をつくかと思った」


「ポーションも使えばよろしかったのでは?」


「…エミールだけは有料になったからあまり使いたくはないの」


全身に大きな裂傷。背中は骨にひびが入るほどのダメージを受けてもリタイヤ扱いされない護身の札の判定を疑う。それともカモ君のHPゲージが多いのか。その判断が出来るのは開発者のミカエリだけだろう。

そんなズタボロなカモ君を癒したのがコーテの回復魔法。そのおかげでカモ君は約一時間程度、目を覚まさずうなされ続けていた。彼女がいなければ三日は寝込んでいただろう。

保健室に常備されているポーションも使えばカモ君ももう少し早く意識を取り戻せたのだが、彼はアイムとシュージとの模擬戦で傷つくことが多く、その都度保健室のポーションを無料で使っていた。しかし、その頻度があまりに多いために保険医からはこれ以上怪我をしないようにと言う注意も込めて有料になってしまった。


「でも、まあ。大した怪我じゃなくてよかったよ」


ここ最近の自分の戦闘終了時の状態と比べれば、今回の負傷は軽いものだ。

一般人から見れば十分、重症ではあるが。

あと、上級回復魔法を四回も使ってやっと意識が戻ってきたカモ君をジト目でみるコーテ。


「…エミール。もしかして、傷ついている俺、格好いいとか思っていない?」


「思うわけがないだろ。俺だけならそもそも決闘を受けずにトンずらしている。コーテ。お前やクー。ルーナが悲しむような真似をするわけないだろう」


「……」


え、あれ?コーテさん、無反応ですか?

もしかして、もうすでに俺への愛想は尽きて、どうでもいいとか思っている?心配してくれていると考えていたのは俺だけですか?

ライツの方を見ると少し意地悪な表情を見せながらも、カモ君を揶揄ってきた。


「あらー。ご主人様は言い訳と口説き文句がお上手ですね」


「…最初に私の名前が出てきたから今日のところは勘弁してあげる」


そこまで言われて、ようやくカモ君も合点がいく。と同時に驚きつつあった。

まさか、自分が。シスコンブラコンをこじらせている自分が。

クーとルーナよりも先にコーテの方を先に心配していたのだから。

それをごまかすためにコーテに罰の内容を確認する。


「ちなみに、明日は?」


「説教3時間」


小分けにしてくれないかな。十回くらいに。

まあ、こんなやり取りしてはいるが、カモ君は改めて現状を再確認した。


「俺は、負けたんだよな」


「そうだね。もうボロ負けどころか完敗。…だったんだけどね」


だよなぁ。て、なんですかコーテさん。その含みを持たせた言い方は?

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