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鴨が鍋に入ってやって来た  作者: さわZ
主人公の感情三色丼。カモの苦労チップス添え
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第五話 養殖ダンジョンへようこそ

ライツからの誘惑にも打ち勝ち、どうにか貞操を守り切って夜を明かしたシュージは、朝起こしに来たギルドマスターに連れられて、ライツと共に養殖ダンジョンの入り口まで案内された。

自分達が寝泊まりした町から1キロメートル離れた平原にポツンと建てられた掘っ立て小屋。その入り口には居眠りしているようなおじいさんが小屋の外にあるベンチに座っていた。

一見するとのんきなおじいさんに見えた。だからこそシュージは驚いた。

ギルドマスターを見ると同時に、その穏やかな雰囲気は消え去り、その下から出てきたものは人喰い虎を思わせる殺気。それに触れてシュージは思わず一歩後ずさってしまった。

彼がどんな戦闘スタイルなのかはわからない。だが、今の自分ではきっと抵抗らしい抵抗も出来ずに。何をされたかわからないうちに殺されると思った。

だが、そんな雰囲気でも。一度は後ずさりしてしまった足でも。


シュージは一歩前に進み出た。


それを見た老人。ギルドマスター。ライツの三人は見込みのある輩だと判断したのか小さく笑みを浮かべた。

そして、老人は懐から一本の鍵を取り出してライツにそれを渡した。


「宝はあんたの足元にある。奥でゆっくりしていな」


そんな言葉を受け取ったライツは優しく微笑んだ後、掘っ立て小屋に入っていった。それに追随する形でシュージも入っていく。

掘っ立て小屋の広さはワンルームより少し広いくらい空間で、中央には小さな腰掛があるだけのただの部屋に見えたがライツは迷うことなく、その腰掛を部屋の隅まで押しやる。と、同時に重たい何かガコンと音を立ててはまる音がした。

シュージは小屋の入り口に立っているだけだったが、自分とライツの間。ちょうど腰掛があった床板が左右に割れるように隣接していた床板の下に収納されていく。

その床の下にあった物は鋼鉄の扉。『条件を満たさないと出られない部屋』の扉に似た重厚感の溢れる扉がそこに隠されていた。そこに唯一の飾りと言ってもいい鍵穴にライツは老人から受け取った鍵を差し込み、回すとその扉は自動で内側に観音開きが行われる。

その扉の向こう側にあったのはシュージも知っている地下へと伸びるダンジョンの階段だった。しかし、今まで見てきたダンジョンと比べあまりにも綺麗な入り口だった。

入り口だけではない。その奥も要所要所に松明が設置されており、まるで舗装されている状態で、明らかに人の手が加わっているそれを見て、シュージはこのダンジョンが養殖されている物だと理解した。


「養殖ダンジョンへ、ようこそ。シュージ君。エスコートしてあげます」


シュージの手を取り、ダンジョンに踏み入れる。ライツ。

そして、共にダンジョンの階段を一段下った時、シュージに見られないように彼女は妖しく微笑んだ。決して可憐とは言えない。人を引き付けるような笑顔でもない。

それは罠にかかった獲物を見て喜ぶ猟師のような笑顔だった。


勝った!これでシュージはリーラン王国には居られない!私の任務は完遂された!


ダンジョンの奥へと進んでいく中でライツは薄暗い感情を隠しきれないでいた。

養殖ダンジョンに関わった以上。シュージはもう犯罪者だ。この国はいられない。そんな彼を自分がネーナ王国へと連れていく。

連れていくことが出来なくてもシュージはもうリーラン王国の英雄として活躍は出来ないだろうと笑みを隠しきれないライツ。

階段を降り切ると、ダンジョンを封じていた鋼鉄の扉も閉じていく。それはまるでシュージの英雄という未来をも閉ざすように音を立てて閉じていった。




その頃のカモ君はというと。

ビコーの指揮の元。武装した国際密輸組織を何とか制圧できた。

はっきり言って48時間休みなしで戦い続けたカモ君の体力も限界だった。

密輸組織と戦っている最中、最寄りの領主に連絡を取って戻ってきたビコーの部下の一人が捕縛した密輸組織の連中を一度そこに輸送することを提案し、受託された。

そこの領主は程ほどに広い領地を所有しており、密輸組織を収監できる地下牢も所有していた。そこに奴らを押し込めば休める。と、思っていました。


「すいません。どうやらダンジョンが出たようなのですが一度見てきてはくれないでしょうか?」


と、いう領主の一言でビコーの部隊の人間はビコー以外腐った魚のような目になった。

ビコーの警備隊は敵対組織の撃退も任務に入っているが、その他にもモンスターやダンジョンが出来ていないかの見回り。そして、ダンジョン攻略も任務に入っている。何が言いたいかと言うと。


お仕事続行です。


警備隊全員に配られたリメンバー・サン。というミカエリが発明した三日間眠らず(眠れないで)働ける栄養ドリンクを飲まされたカモ君は逆流しそうになった胃液と共にそれを飲み込み、ダンジョン調査。のちにダンジョン攻略をすることになった。


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