エルメの一日
エルメの朝は早い。朝5時に起床すると、まずはルドルフの部屋へと突撃する。なぜなら子供を作るためだ。
「ルドルフ!子作りにゃー!」
「あー!うるさい!」
大体はその一言で一蹴され失敗に終わる。そうなると、次はランチタイムがアタックタイムだ。
「エルメ様、申し訳ないのですが魔王様を呼んできて頂けますか?」
「任せるのにゃ!」
メルは既に私の手先…などと考えているエルメは、メルに良いように扱われているのは気づいていない。しかし、なぜそのような事を許すのか。そう、子作りのためだ。
「ルドルフー!ご飯の前に子作りするにゃー!」
…
「にゃ??」
部屋にルドルフの姿はない。後ろを振り向くと、綾汰とルドルフの姿がある。どうやらエルメは出し抜かれていたようだ。
「ふ、ふにゃーーーー!」
こうしてランチタイムのアタックも失敗に終わる。そうなれば、次は就寝時が一番の狙い時だ。今までのは、全てこの為の布石だったと言っても過言ではない。今回は静かに部屋へと侵入する。
「ルドルフ子作りするにゃ…にゃ?」
そこには綾汰とルドルフの姿があった。ルドルフと綾汰は不慮の事故でこうなってしまったのだがエルメはそんな事は知る由もない。
「え、エルメちゃん…これはその…」
「ち、違うんだエルメ…これはたまたまだな…」
綾汰がルドルフに押し倒されているのを目にしたエルメは、泣きながら部屋を後にした。
「ルドルフのバカぁぁぁぁぁぁ!」
こうして、エルメの1日は終わるのであった。