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第三話





「王妃様、朝でございます」


「5分寝かせて」


「5分の間に起きなければ魔王様が自ら起こしに来られると…」


「ンンンー!イイアサダナー」


「良いお目覚めで」


ウフフと笑いながらこちらを見る褐色のエルフ。昨日まではいろいろあり過ぎて気にしていなかったが、よく見ると凄い可愛いぞ。それにエロい。エルフ特有の長い耳、青い目、丁度いい褐色の肌に胸元がよく開いた黒の服。まるで同人誌の世界じゃないか…


「ちなみにさっきのは嘘でございます」


「酷いよぉ」


二人してアハハと笑い合う。褐色のエルフちゃんは意外と陽気な子のようだ。僕からエロい目で見られているのも知らずに。


「そう言えばまだ名前を聞いてなかったね」


「私は王妃様の身の回りのお世話をさせて頂く、メルメイでございます」


「メルメイか、じゃあメルって呼ぶね!」


「そんな、恐れ多い」


「僕は昨日まではただの人間だからね。そんなかしこまらないで」


「いえいえ、今は王妃様です」


「あとその王妃って言うのもやめて…」


なぜですか?という顔をしながらこちらを見る。理由なんて一つしか無いよ。


「僕、男だよ?」


10秒程の間が空いてメルが手を叩く。


「なるほど!あまりに可愛らしかったのでつい女の子とばかり…」


どうやら僕は女の子と間違えられていたようだ。男にとっては凄く屈辱的だが、ある意味で女とされた今ではなにも思わなくなっていた。


「確かに王族の方々は性別なんて関係無いですものね。ですがどこで魔王様とお知り合ったのですか?」


「それが分からないんだ」


「分からない、ですか?」


「そう、分からないんだ。魔王様とそんな事をした覚えもないし、ここに来た記憶もない。正直婚姻なんてする気も無かった…ただ、お腹に子供がいるのは確かみたいなんだ」


「あら、そうだったのですね。王妃様は魔王様の事をどう思ってるのですか?」


「好きでは無いってことは言える」


そう言うとメルは何か考え出した。流石に心を許しすぎた。相手は魔王の手先なのだ。


「私には正直色恋はあまり分かりませんが…魔王様は本当に喜んでなさいました。それだけは言えます。ココ最近元気の無かった魔王様に笑顔がもどったのですから。私がどうこう言える立場ではありませんが、あまり魔王様を悲しませる事だけはやめてあげてください。朝食の準備が出来てますので広間でお待ちします。」


そう言うと部屋から出ていった。

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