表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男なのに異世界で魔王様の子供を妊娠しました。  作者: 千羽一京
第一幕 魔人と魔女の大喧嘩
22/22

Episode.3




山道をゾロゾロと、甲冑や防具を身に着けた屈強な男達が歩くのは少し滑稽だった。その中に一人いる僕が1番滑稽なのだが。よくこんな重いものを身に纏い山道を歩けるものだ。


出てくる時渡された荷物は騎士達が持ってくれている。もう騎士というより僕の下僕だ。どこか勝ち誇った気分だ。


もう5km程は歩いただろうか。未だに上り坂は終わらず、足が疲れてきた。途中で騎士の1人がおぶってくれると言ったが申し訳が無いので断った。


「ちょっと休憩しましょうか」


皆がその一言で立ち止まる。休憩と言ってるのに一向に休もうとしない。これが騎士精神なのだろうか。


そんな時どこからか猫の声が聞こえてくる。下を向くとそこには、毛並みのいい黒猫が座っていた。


「猫ちゃん、どうしたの?」


そう言って近づこうとするが遠ざかってしまう。一定の距離を保ったま一向に逃げようとも近づこうともしない。不思議な猫だ。


「さぁ、そろそろ行きますか」


そう言って腰を上げた時、突如空間に捻りが発生した。


「!?」


「王妃様!こちらへ!」


そう言って騎士達が近づこうと下が、世界は暗転し、真っ暗な世界へと僕を誘った。



「あぁあぁ、本当に使いない騎士達ですねぇ王国騎士団は」


そこにはそこには王冠のマークを模した黒のローブを纏った女が立っていた。


「かわいそうに王妃様...使えない騎士達のせいで死んでしまうのだから...」


あぁ、なんで僕はこんなについていないのだろう。明らかに敵じゃないか...この状況は本当に助かる気がしない。


「みゃ~」


さっきの黒猫だ。


「猫ちゃん、僕の最後はしっかりかんどってね...」


「あらあらぁ可哀想に...最後を共にするのが猫ちゃんなんて...」


そう言うと女は手に持った剣を振り上げ僕に振り下ろしてきた。ここに来て2度目のこの状況...つくづく不幸だ。


覚悟をして目を閉じると、いつまで立ってもなんとも無い事を不思議に思い目を開けると、そこにはネコ耳を付けた小さな女の子が立っていた。


「綾汰、残念だけど最後はルドルフにかんどって貰うにゃ」


そこにはエルメが立っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ