プロローグ
「彼女が欲しい」
「むりだな諦めろ」
いつも通り5杪いない否定のことばが返ってきた。
黒ぶちメガネと天然パーマが特長的なこのイケメンは天下義正。
俺の一番の理解者にして、一番嫌いな奴でもある。
そしてこの作品の主人公だが、一切モテない童貞こと向井原緑。
緑という名前だが好きな色は黒かグレーだ。
「お前好きな人いるだろ。告白をしろ。そして死ね」
「えぇ～やだー振られたくないしー恥ずかしいー」
「きもい本当にきもい」
ひどい！まぁ分かっていた返事が来て少しだけほっとした。
そう俺には好きな人がいる。
その子はラノベあるあるの学年一モテている女子だ。
名前は杉山楓。
髪は肩に当たるか当たらないかぐらいの長さで、モデルをやっていると言われても納得してしまうほどのスタイルの良さ。
ルックスはかわいい方だと思う、いやめっちゃかわいい。
胸は....中学生らしいと言っておこう。
「でもなー絶対ライバル多いよなー」
「当たり前だろ。あの杉山だそ。今まで何人の奴に告白されてるか知ってるか？」
「あぁ、両手で数えられないぐらいとは」
それに比べて俺はというと、ルックスは普通。運動も普通。
告白されたことなんてあるわけがない。
「緑にはむりだよ。」
開口一番で否定をしてくる。どこのどいつだ！
「だよなー優依、そう思うだろ」
開口一番で否定してきたこの女子は、橋野優依。
一応俺の幼なじみだ。
腰まで伸びている髪とえらく短いスカートが特長的だ。
胸は、杉山よりはある。 多分B。
「いやいや、まだわからねーよ」
「いや、わかるよ」
「そーだぞうぬぼれるなって緑」
「お前らなこんなに人を傷つけて楽しいか？」
「もちろん」
ここまで息のあった返事を聞いたことがない、双子でも少しはずれるのにこいつら一切ずれてない。
もういっそ付き合ってしまえ。 リア充ファック！
「なんでそこまで言うんだよ！」
「だってお前杉山に二回振られてるんだぞ。その自覚ある？」
ぐさっと俺の心に何かが刺さる。やべぇもう死ぬ。
「それ言っちゃったら終わりでしょ。」
俺は二回杉山に振られている。
一回目はメールで、二回目は電話で、見事に散っている。
ここまで来ると、ストーカー認定されてもおかしくない。
「大丈夫。今回で全て終わらす。」
「あー振られて終わるのね。ドンマイ」
「緑。ドンマイ！」
そう今回は振られたら絶対に諦める。そう俺は心に誓っている
今までは、杉山に好きな人がいないから耐えてきた。
でも今回は違う。
杉山に好きな人がいるらしいのだ。
「おいおい、まだプロローグっていうのに勝手に終わらせるな。次こそは必ず！」
「二度あることは三度あるって言うだろ」
「そうそう諦めたら？緑には高嶺の花すぎるよ」
こんな序盤の序盤で味方が誰もいないラブコメの主人公っていたっけ？
多分、俺が初めてであろう。あれ？俺すごくね
ラブコメ界初の友達全員味方じゃない主人公じゃね
全く嬉しくもないことでテンションが上がってしまった。
俺が喜んでいる一方で、橋野と天下がごそこぞと何かをやっていることに気がついた。
「あれ、お前ら何やってンの？」
「帰りの用意だけど？緑も用意しなよ」
周りを見ると誰もいなかった。
俺が一人で舞い上がっている間に、みんなは帰った教室には俺たち三人だけだった。
「じゃあ、俺たちも帰るか」
「そうだな」
そして俺たちは教室を出た
どうも、こんにちはセミの脱け殻です。
前回の投稿方法が間違っていたので再投稿です。
初めての小説なので、誤字がたくさんあると思いますが、暇潰し程度に読んでください。
よかったらコメントよろしくお願いいたします。
