6/6
現々々世
「それで、どうなったの?」
女の子が尋ねた。
「邪神と勇者は相打ちになって、互いの不死性が消え去ったんだって」
僕は絵本を閉じた。
それはもう百年も前にあったお話で、僕らにはとてもじゃないけれど御伽噺としか思えない。
「魂は巡るものだって言われているけれど、この二人はちゃんと再会できたのかしら」
「さぁ。できていたらいいね。でもこの女の人は、自分のことを三回も殺した人のことを許せるのかな。ねえ、美琴ちゃんはどう思う?」
「うーん」
女の子は少し悩んだあとで「私なら一発引っぱたいてから、許してあげるかな」と言った。
美琴ちゃんはことあるごとに僕を引っ叩く乱暴な女の子だ。
僕はくすりと笑った。
完結です。ここまで読んでくださってありがとうございました。お気に入り登録や感想、評価点などくださると真昼が泣いて喜びます。