表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ホワイトエレファンツ

作者: 鬼心

本作はアンリさまの「告白フェスタ」の事を知り、その内容が『「実は…」的な告白もOKです^^』との事でひらめいた物を忘れる前にと書き(?)上げた物です。

その上、本作が初投稿な事もあり、読みにくい点、分かりにくい点等あるかと思いますが、生暖かい目で見守って頂けると非常に助かりますσ( ̄∇ ̄;)

 私の手元には2つ上の先輩からもらったデートスポットのペアチケットの片割れがある。もう片方は私の彼氏が持っているのだ。



 私にチケットをくれた、先輩の幼馴染みでもあったりする彼との出会いは部活。一目惚れではなかったけれど、部活に真剣に励む彼を見ている内にだんだんと恋に落ちていったのだ。


 私たちが通うのは、全校生徒が592人の市立高校。そんな中で彼と出会ったのだから、これはきっと運命に違いない。そう思いながらも、今の心地いい関係を崩したくなくてグズグスしていたら、気が付けばもう初夏になっていた。


 夏休みもいよいよ見えてきた、そんなある日。いつもは部活の友達とわいわい帰っているのに、その日は何の偶然か学校を休んでいたり、病院へ行くやらが重なり私と彼の2人だけだった。



 初夏の夕焼けの下、告白は彼からだった。



 そんなカレとは、夏休みの間、部活帰りにお互いの家に行ってゲームをしたり映画を見たりして、部活が休みの日は動物園や水族館、プラネタリウムへもデートで行ったりして、それは2学期が始まってからも続いていた。


 そして、その内に気付いた事がある。それはカレがイヌやネコの耳と尻尾がついた娘や、アラクネ、マーメイドなどといった人外に興味があるということ。


 ある晩秋の日、カレは所蔵のコレクション(ネコミミカチューシャ)を私に見つけられた時、自分の性癖を教えてくれて。以前から、なんとなくその事に気付いていた私はその事を認めて。そしたらカレは、とても困った顔をしながら上目遣いでそのカチューシャを着けてくれないかと頼まれて…悶えた。もちろん、着けてあげましたとも、えぇ。


 だって年上のカレが、捨てられそうな子犬にしか見えなかったんだもん、しょうがないじゃない。



 そんなカレだったから、私は今まで誰にも教えた事のない秘密を告白しようと決心した。


 そしてタイミングを決めかねていた私に先輩が、ワタシは受験勉強でもう行けないからとチケットをくれたのだ。てっきり先輩も私の同士(カレが好き)だと思っていたのですが…。ともかく、私はデートの終わりにその告白をしようと決めて、カレをデートに誘った。毎週末とは言わないけれど、月に2回はお互いの家やそれぞれの提案した場所でデートしていたので、カレはいつもの様に了承してくれた。


 当日、思いの外服選びや髪を整えるなどの準備に時間がかかってしまった。待ち合わせ場所にいるカレが見えてきて、私は小走りしつつ『遅れてごめん!待った?』なんてテンプレなデートの始まりを考えていて。


 そんな時、私の前に突然、深緑のジャンパーのフードを目深にかぶり、黒っぽいネックウォーマーを鼻まであげた人が現れ、向かい合う体制でぶつかってしまった。咄嗟に謝ろうとした私の鳩尾(みぞおち)に焼けるような感覚が襲ってきた。次に感じたのはお腹の中の異物が私の中をかき混ぜて、抜かれていく感覚。焼けるような感覚は強烈な痛みに変わった。痛みと急激に血を失ってしまった事で、今にも閉じてしまいそうになる目を必死に相手へ向けると、当然、顔のほとんどは見えなかった。けれど…



 私はその目を知っていた。



 うつ伏せに倒れ込む私


 私の異常に気付いて駆け寄ってくるカレ


 血の海に沈む私を一瞥して歩き去っていく犯人



 でも、周りの人達はそこに私たち3人などいないかの様にこちらの事など見向きもせず、歩いたり、誰かを待っていたりしている。



 すべてがスローモーションの様で、また、目に入った自分の血で世界が赤っぽく見える中、カレが顔をひきつらせながら私の所へやって来て、悲壮感いっぱいに私の事を呼んでいる。なぜだかそんな光景が他人事みたいに感じてしまう。


 手先、足先から血の温もりが引いていき、身体中がブルブルと震えだし、冷たくなっていくのを感じながらも、私の身体は動かない。


 それでも、もう少しすれば……ほら。


 だんだんと身体中の震えが収まってきて、温もりが戻ってき、身体の制御ができるようになったのを感じる。


 だって、私は…



「心配かけちゃったかな…ごめんね? それで、その…私、人間じゃないの。」


 真っ直ぐカレの目を見て、今日のデートの終わりに言おうと決めていた事を今、告白した。




翌日、とあるアパートでは

 血のついた包丁が転がっている一室で、高校3年生の女性がドアノブから首をつって、ぶら下がっていた。


また、とある市立高校では

 全校生徒の数が589人になっていた。

拙作を最後までお読み頂きありがとうございますm(__)m


前書きにも書いた通り、至らない点も多いと思います。

次回作を書けるかどうかはわかりませんが、その時のためにもご意見をお聞かせ頂けると大変助かります。

ただし、あらすじに書いた点についてのご指摘はお控え頂く様、よろしくお願いしますm(__)m


重ね重ねになりますが、拙作を手に取って頂き、また、最後まで読んで頂きありがとうございました(^_^)/~~

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] はじめまして!『告白フェスタ』に参加させていただきました、川守いたちと申します! よろしくおねがいします!ฅ(●´ω`●)ฅ 怖いお話でしたね((((´;ω;`)))) 結局、人間が一番…
2018/07/30 21:34 退会済み
管理
[一言] 何ともミステリアスな作品でした。 恋愛ものというよりはホラーに近いような… そんな衝撃的なシチュエーションの中でのまさかの告白という。虚を突かれて面白かったです。 最後まで謎めいた展開…
[良い点] とても初めてとは思えない書きっぷりです(驚き) おお、おお?! となりつつ最後はわぁ……となりました。(すみません、感想になっていませんね汗) [気になる点] 最後、どうなったのか、と…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ