【第一話:その男、情報屋。】
はじめましての上見切り発車で続くか分かりません。
出来れば読んでやってください。短いです。
【オーバードース:薬品、化学物質の過剰摂取】
彼は、とても気だるげであった。
彼は容姿は端麗であったし、所謂、“美形”であった。金と銀の混じったような髪は絹糸の様であったし、白い肌は上質な陶器にも見えた。
藍色に近い瞳は宝石の様であったし、顔はひどく美しかった。
…けれど彼は、とても空虚で、無機質であった。
そんな、彼の話。
【第一話:その男、情報屋】
------ザアアァアァァッ-----
「……酷い雨だ。」
薄暗い部屋の中、その男は溜め息混じりに呟いた。
外は土砂降り。近年まれに見る大雨である。
「あまり…気乗りしないな。」
誰にともなく発された言葉は、やはり誰にも聞かれることなく、雨音に掻き消されていった。
薄暗い部屋の奥。長身痩躯、緩やかな白金の髪を肩で結び、薄紫の着物を身に纏った男が一人。
切れ長の瞳をし、目元と頬に奇妙な紅をさした男は、名を黒藍といった。。
情報屋での名は銀狐。情報屋というより、金さえ貰えれば、子供の慈善事業から国家の大事まで行う何でも屋。その界隈では、なかなか有名な人物である。今宵は仕事。それも、大きな。
「さて、…どうするかな。」
深い藍色の瞳は窓の外へ向けられている。
「…サボれねーかなー…。」
彼は少々面倒くさがりであった。
ありがとうございました!