最終話おっさん達少女になる
やっとの想いで浜に下りるとそこにいたのは2人の少女と見慣れた男が1人いた。
2人の少女のうち1人は、黒髪ツインテール日焼け美少女の見た目をしている。
田中か?先生か?たぶんどちらかだ。
あと1人の少女は、丸い眼鏡を掛けており白衣を着ていた。コスプレか?
そして最後の1人は紛うことなき、俺の敏腕マネージャー斎藤だ!
「どうして?お前達…何してんだ?」
咄嗟に声が出た。状況が分からない。俺の頭の中は真っ白だった。
「あっ!先輩さすが!呼んでも無いのにここに来るのはやっぱり運命っすね〜」
黒髪ツインテール日焼け美少女が、最初に声をかけてきた。ーーこの軽口は田中の方だ。
続けて、眼鏡の白衣少女が話をしてきた。
「すいません望月さん。薬の調子を診てから望月さんに知らせようと思いまして…」
ん?この感じは…
「せっ先生!?」
先生は少し照れたように会釈をした。
その横で斎藤が静かに口を開く。
「本来ならうさぎさんに真っ先に報告をするつもりでした。ただ、美少女に変身する薬が本当に作用するか確認が必要でした。」
「うさぎさんにぬか喜びをさせたくなかったので、申し訳ありません。」
「え?薬?美少女に変身する薬?また使えるようになったのか?」
「はい、資金難で頓挫した研究が第三者からの資金提供により復活したんです。」
「ーーーー資金提供?誰から?」
「海野うさぎさんからです。」
先生は斎藤に目配せをした。
「実は、うさぎさんのラストライブは1000億円の売上があったんです。そのうち300億円ほどを資金提供させてもらいました。」
「ですので当面の間は、研究は続きます。薬の心配は必要ありません。」
言葉がすぐには理解できなかった。
「ははは…斎藤…お前は………」
言葉が続かない。
「俺には、もったいない奴だよ。」
「ーー光栄です!」
「ちょいちょい、男同士で見つめ合ってこれからBLでも始まるんすか?あ〜おっさんずラブっすね〜」
「くっ!?田中!お前には言いたいことがいっぱいある!!!」
「はい先生!薬!薬!うさぎちゃんに渡してください!」
先生は白衣のポケットから美少女に変身する薬を取り出し俺に渡した。
俺はその薬を眺め、少し飲むのをためらった。
また、この薬を飲めば後悔するかもしれない…絶望するかもしれない…
そしてまた、金髪美少女にならなければ良かったと思ってしまう日が来るかもしれない。
それでも、気づけば俺はまた薬を飲んいた。
すると、あっという間に金髪美少女の姿になった。
大人の男の服を着ていたのでブカブカで半脱ぎ状態になってしまった。
「ささっ、望月さん!ここにワンピースがありますよ〜」
「せっ先生!?なぜそれを!!?」
戸惑いながらも、ブカブカの服よりマシだと思いワンピースに袖を通す。
ーーーぴったりだ。
「へへへ、みんな揃ったらやりたかったことがあるんです!」
「えっ?何すかそれ?」
「せーので!3人でジャンプしましょ!斎藤さんはカメラをお願いします!」
「光栄至極!」
「先生これは?」
「いきますよーーきらら…ジャンプ!」
カシャ!!
そうして3人で一緒にジャンプをして斎藤のカメラに収められた…
俺の金髪美少女生活はまだ終わらないらしい…
いつまで?
1年後か?5年後?10年後?
還暦までするのか?
これは、先延ばしに過ぎない。
いつか金髪美少女生活は終わるだろう。その時にまた俺は後悔するだろう。
また、ウジウジ考えるだろう…
でも、金髪美少女になって……良かったよ。
夕焼けの中、茜色の海をバックに何度も少女達の写真を撮った。島はすっかり暖かくなり、優しい風が吹いていた。
春の兆しが島に訪れていた。
10年後
「いや〜疲れたっすね!うさぎちゃん張り切り過ぎ!」
居酒屋で、その場には似つかわしくない黒髪ツインテールの日焼け美少女が愚痴っていた。対面の席には白衣を着た眼鏡の少女も座っていた。
「凄い豪華な式でしたね!引き出物なんてティファニーですよ!」
白衣の少女は高そうな引き出物に嬉しそうにしていた。その間、ツインテールの美少女は寂しいような悔しそうな表情を浮かべていた。
「隠れてこそこそしてたから絶対できてると思ってたっすけど…結婚式まであげるか〜?幸せ満開っすね。」
「ふふっ望月さん末永くお幸せに!」
「マネージャーと結婚するなんてアイドル失格っすよ!!!!!!!!」
おしまい
ご愛読ありがとうございました。
2025年10月から半年を過ぎやっと完結させることができました。
飽き性の私がここまで長く小説を書けたのは、皆さんの応援のおかげです。本当にありがとうございました。
漫画の方はこの小説を原作にまだ続きます。
ではでは、皆さんお幸せに〜・:*+.\(( °ω° ))/.:+




