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おっさん少女になる  作者: プラチナ


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第38話何もない人生

 最後のライブから一ヶ月後。


 いつもの通り、車で1時間かけ辺境支所へ通勤をする。

 車内では音楽を流し、退屈な通勤時間を少しでも快適にしていた。


 ーーー俺は以前、コーラを飲めば金髪美少女に変身ができていた。

 そして、アイドルもやっていた。



 海野うさぎと言う名前で…



 もう変身はできないが、昔を思い出し車内で海野うさぎの曲を時折り流す。


 海野うさぎに変身ができていた頃は恥ずかしくて通勤中には自分の曲を流せなかった…


 でも今はなぜか流してしまう。


「普通に良い曲だよな…」


 自画自賛している内に辺境支所に到着。



 俺の勤務先は市民課なので市民からの要望は山ほどある。

 今日の仕事はゴミの不法投棄だ!俺の上司、竹倉係長と一緒に現場へ急行する。


 現場は道路沿いの山林で、生活ゴミが10袋投げ捨てられていた。


「まったく!島は自然が大事だと言うのに何でこんなことするでしょうね!?係長!」



 係長からの反応がない。


「ーーー係長?」


「あぁ、すまんすまん。そうだな!島は自然が大事だよ。」


 係長の様子が少しおかしい。

 不安を感じながら、俺達は2人でゴミを片付けた。


 帰る車内でも係長はどうも調子が悪そうだ。

 車内で沈黙が続いたあと、係長が口を開いた。

 


「すまんな望月くん。最近調子が悪くてな。うさぎちゃんが引退してから心にポッカリ穴が空いたみたいで…」



「ーーーーーそうですか…」



「うさぎちゃんは島の太陽だったよ…」



「…」






 定時勤務が終わり少し残業をして帰宅をした。


 夕食を済まし、休憩をする。


 いつも通りパソコンで動画を見ながら、アハハと笑う。


 「やっぱりショート動画は時間が溶けるな!もう11時だよ。寝なくちゃ!」


 ふと昔の思い出達に視線が向いた。

 海野うさぎの思い出達だ。


 恥ずかしいフィギュアやアクスタがある。


「くそ〜斎藤め!変なグッズばかり作りやがって…」


 思わず声が出て懐かしくなった。たくさんの思い出達を眺め、自然と写真を見つめていた。


 様々な海野うさぎのときの写真がある。

 そして、最後のライブの打ち上げの写真…


「ーー斎藤泣いてたな…号泣だったな…俺なんかの何が良かったんだか?

 いや、海野うさぎか……」


 そう言うと斎藤の顔やファンの顔、海野うさぎになって関わってくれたみんなの顔が次々と思い浮かんだ。



 ポツリと涙が落ちた。



「何で…何で…」


 声が震える。



「何で……何で…しっかり終わらせたのに泣いてんだ…」


 静かな部屋で、独り言のように呟く。



「終わったんだ…全て…俺の人生もう何もないじゃん。」

読んでいただきありがとうございます。

TSものが好きで今回思い切って書いてみました。

駄文ですが頑張ります。

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