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惨面  作者: 死苔妖斎
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 帰っている途中、半魚人から電話がかかってきました。


「もしもし」


「お前また帰っただろ。怒らないから戻ってこい。話が終わってない」


「怒らないからって言われてノコノコ戻るようなアホではないのですが」


「食い逃げで通報してもいいんだぞ」


「戻ります」


 カレー屋さんに戻ると、席にいる半魚人が軽く右手を上げて位置を知らせました。さっきまでそこにいたから分かってるんですけどね。


「もしかしてお前、あの女の夢を見たんじゃないか? 俺の代わりに」


「見ましたよ」


「行ったのか? あの神社に」


「行ったって言いましたよねさっき。そこで紙拾ったって」


「そうだったな、すまん」


 半魚人が言うには、私があの神社に行ったことで呪いが私に移ったのではないかとのことでした。まあ100%そうでしょう。


「俺と全く同じ夢か? 髪の長い女が裸で畳を舐めてる、あの夢か?」


「同じです」


「頭おかしくなるよな。ずっと同じもの見せられて」


「なりませんよ。僕、あの娘とエッチしましたから」


「え?」


「エッチしました」


「⋯⋯なんで?」


「なんでってそりゃあ、目の前で女の子が裸で四つん這いになってお尻を突き出してるんですから、挿入()れねば男じゃないというか」


「つまり俺は男じゃないと?」


 そこで怒られるんですね。


「てことは、バックで挿入したのか?」


「はい。最高でした。女の人の中ってあんなに温かいんですね」


「じゃあ、背中の火傷も間近で見たわけだな⋯⋯」


「はい、『だっふんだ』って書いてありました」


「だっふんだ?」


「火傷の痕がそう読めました」


「すげーな⋯⋯ま、いいや。とにかく俺から呪いは離れたんだ、もう俺は大丈夫なんだよな」


「知らねっす」


「うん、多分大丈夫だわ。だからお前、もう俺と会おうとするなよ。呪いが帰ってきそうだから」


「いいっすよ」


 自分勝手ですが、会わなくていいのなら好都合です。ウザイので。


 ⋯⋯うーん。「会おうとするなよ」って、私が半魚人に会いたがったことがあるみたいに聞こえますよね。なんかヤですね。


 でもいいか。前述の通りです。


 家に帰って寝ると、またあの女性(ひと)の夢を見ました。

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