誇り高いエルフがオーガの腰使いに負けちゃう!?
「ぐへへっ!俺とこうなりたかったんだろお?」
「くっ!」
醜いオーガめ!あの時は屈したが、今度こそ負けない!オーガなんかに負けないんだから!
「ほうれほうれ♪」
パンパン!パンパンっ!パンパン!
「んほぉぉぉ!?」
すごい腰使いぃぃぃ!激しく打ち付けないでぇぇ!負けちゃう!負けちゃうのほぉぉお!
「素直になれよ!気持ちよくなっちまえ!」
「んひぃぃぃぃい!」
もうギリギリ!私。またオーガなんかに負けちゃうの?目がとろけちゃう!ヨダレが止まらない!
力がはいんにゃいぃ!
『負けるな』
「えっ?」
彼の声が聞こえた気がした。辛いときも悲しいときも私を支えてくれた彼。
そうよ!今度は私が彼を支える番!こんな所で……負けられない!
「オーガになんて……負けないんだから~ーー!」
「んぎぃぃぃい!?」
大量の座布団が私たちに投げられた。
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『横綱。鬼ノ山を下し初優勝しました森乃精関です!優勝おめでとうございます!』
勝った。オーガに勝った。
「ありがとうございます!」
『横綱の腰には苦しめられましたか!?』
「すごく強かったです!ギリギリまで追い込まれましたが勝てて嬉しいです!」
『その気持ち。誰に最初に伝えたいですか!』
「もちろん親方です!」
彼。親方がいなかったらエルフの国から日本に転移させられた私は野垂れ死んでいただろう。
感謝してもしきれない。
私も3800才。もう若くない。引退覚悟で挑んで報われた。
「痛かったろう!辛かったろう!感動したっ!ありがとう!」
「ありがとうございます!」
総理大臣から優勝の金の杯を受け取り、私は泣いた。
『これで森乃精は大関昇進!次場所では綱取りにも期待がかかります!初場所千秋楽!放送時間終了が迫って参りました!おめでとう!森乃精!』
門脇。森乃精『村燃市部屋』⚪=×横綱。鬼ノ山『緒賀部屋』