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#4 もう、妄想が止まらない!

 オレが食事を終えると、宿屋になってる二階に部屋をとってくれた。もちろん、部屋は別だ。


「人間の女の子として、扱ってほしいから」


 不器用に笑う顔が、たまらなく可愛かった。


 ベッドに寝そべって考える。


 夢にしては、リアルだな。ストーリーのつじつまは合ってるし、料理が美味しかったり、痛みや疲れを感じたり、触れられた手の温度を感じたり……


 もしも、これが現実だったら。ゲームやアニメによくある、異世界転移ってやつか? そんなこと、本当にあるのか? ありえないとは思うけど、夢より異世界と思う方が自然な気がして。いや、そう思いたいんだ。


 目をつむると、ブランカの不器用な笑顔が浮かぶ。久しぶりの感覚、オレはブランカに恋してる。


(この世界で、生きていきたい……)


 元の世界に戻ったところで、安い給料で朝から晩までこき使われて、楽しみといえばゲームとアニメくらい。だったら、そのゲームやアニメみたいなこの世界で暮らす方が、ずっといいじゃないか。親とか友達はちょっと悲しむかもしれないけど、それよりオレは恋を選ぶぜ。


 そうと決まれば、この世界のことをきちんと知らないと。おっさん兵士がオレに人間かって確認したってことは、人間以外が街に入ろうとするのか。魔物みたいなのか? ブランカは機械と魔法で動いてると言った。魔法が存在する!


 なんだかおもしろいことになりそうだ。二十八歳にもなって、こんなに胸がときめくなんて。


 ああ、朝が待ち遠しい。人形だって構うもんか、オレがブランカに心が何か教えてやるんだ。そして、オレに恋してくれたら……もう、妄想が止まらない。



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