いつもここにいるんだって、言えたらいいのに。
こころにね、炎が灯るの。
温かくて綺麗な、太陽のようにキラキラしたオレンジ色。
たまにちらちらと明滅して、いつか消えてしまうんじゃないかと不安なの。
だから消さないように、盗られないように、大事に大事に守っているの。
隣にいる君の炎は、優しい翡翠色。
いつだって強くて眩しいのは、君の光だった。
わたしと君が交わって、光がどんどん強くなる。
そしてそれは柔らかい新雪のように、ひらひら、ひらひら空に舞いあがる。
わたしの涙を巻き込んで、わたしのことを取り囲んで、君のと交じりあって。
絡まるように同化する。
君はどんどん強くなって、かっこよくなっていった。————わたしは、おいてけぼりで。
白黒のせかいに、ぽつんといるの。
君はどんどん進んでいく。
どんどん歩いて、ぐんぐん走って、鮮やかな景色のなかに行ってしまう。
いつかわたしのことなんて、思い出さなくなるだろうね。
みているよ。いつも、君のこと。
ここで、みているよ。だから。
はやくわたしを迎えにきて、触れて。
その熱くて優しい激情の炎で、わたしを焦がして。
大きくなった手のひらで、わたしの冷たい手を包んでよ。
あのときの君に好きになってもらいたくて、いまの君に愛されたくて。
亡霊みたいに、あの日で立ち止まっていた。
わたしはいま、駆け出したの。
絶対に叶わない恋だって、絶対に届かない《愛》だって、わかっている。だけど。
想うことだけは、いつだって自由でしょう。
亡霊×少年少女 第二話 了




