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亡霊×少年少女  作者: 雨霧パレット
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いつもここにいるんだって、言えたらいいのに。

こころにね、炎が灯るの。

温かくて綺麗な、太陽のようにキラキラしたオレンジ色。

たまにちらちらと明滅して、いつか消えてしまうんじゃないかと不安なの。

だから消さないように、()られないように、大事に大事に守っているの。

隣にいる君の炎は、優しい()(すい)色。

いつだって強くて眩しいのは、君の光だった。

わたしと君が交わって、光がどんどん強くなる。

そしてそれは柔らかい新雪のように、ひらひら、ひらひら空に舞いあがる。

わたしの涙を巻き込んで、わたしのことを取り囲んで、君のと交じりあって。

絡まるように同化する。

君はどんどん強くなって、かっこよくなっていった。————わたしは、おいてけぼりで。

白黒のせかいに、ぽつんといるの。

君はどんどん進んでいく。

どんどん歩いて、ぐんぐん走って、鮮やかな景色のなかに行ってしまう。

いつかわたしのことなんて、思い出さなくなるだろうね。

みているよ。いつも、君のこと。

ここで、みているよ。だから。

はやくわたしを迎えにきて、触れて。

その熱くて優しい激情の炎で、わたしを焦がして。

大きくなった手のひらで、わたしの冷たい手を包んでよ。

あのときの君に好きになってもらいたくて、いまの君に愛されたくて。

(ポルター)(ガイスト)みたいに、あの日で立ち止まっていた。

わたしはいま、駆け出したの。

絶対に叶わない恋だって、絶対に届かない《愛》だって、わかっている。だけど。

想うことだけは、いつだって自由でしょう。


                       (ポルター)(ガイスト)×少年少女 第二話 了


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