発作
やっと物語が動きます…
「おはよ〜」
「おはよ!」
「オッス!」
「おはようございます!」
「おはよーっす!!
先輩、今日も可わi…ほげっ!」
「よし、全員揃ったな。まずは決勝進出だ!油断するなよ!」
「「おぉーーっ!!」」
夏の総体県予選最終日
県で1位になれば、全国大会に出場できる!
ちなみに、25年ほど前の2013年頃は全国大会の前に関東大会があって、関東大会でも勝ち上がらなければいけなかった。
今は、そうなると出れない県などが出てしまうので県予選までになっている。
1試合目の相手は立正安国院
私立で成績優秀、かなり厳しい校則もしっかりと守る優等生集団だ。
部活は特にスター選手はいないが、どの部活もチームとしての統制が取れているため強い
「優等生どもめ…。ギャフンと言わせてやるぜ!」
「そうだそうだ!規則は破るものだ!少子高齢化社会抑制基本法反対!」
「だまれ」
「落ち着け、こーへー」
騒ぐソラと康平を竜と涼平が注意する。
ほんっとに緊張感無いなぁ…
いつものやりとりを見ながら、ボクは念入りにストレッチをする。リベロは体が柔らかくないとできないからな。(ただの自論)
「姫ちゃんって、ホントに柔らかいよね!私なんてカチカチだよ…」
女の子の割りに、体が硬い優奈はプルプルしながら優姫のマネをする。
「まあ、ボクは小さい頃からストレッチやってたし」
「お陰で背は全然伸びないけどな〜!」
「うるさいな!」
いつの間にかこっちに来ていたソラに気にしていることを言われ、落ち込む…
「何言ってんすか、先輩!身長低い方が可愛いじゃないですか!!」
「お前こそ何言ってんだ、アホ。早くアップしてこい」
「キャプテン…。わかったので、その…
怖い顔と危ない拳をやめて〜!!いで!」
竜が俊太の頭にゲンコツを落とす。
俊太は全く懲りないなぁ…
「集合〜!」
「「うぃーっす!」」
………
あ、ちょっと頭がボーッとするな。
まあ、試合始まったら関係無いけど。
………
第1セットは5点差以上をつけて難なくGET
第2セットは相手の統率のとれたブロックに苦戦しつつも、ストレート勝ちで決勝進出。
何年ぶりだかの決勝進出にみんなは大喜びだ
ボクももちろん嬉しいよ!
えーーっと、帝王大附は?
けげっ!15点差以上の差が…
んー、やっぱり“アイツ”かなぁ…
全国No.1エース 雷同 直樹
身長188cm 体重82kg 最高到達点333cm
全ての能力がズバ抜けていて、未来の日本代表とまで言われている、帝王大附不動のエースだ。しかも、サウスポー。
色黒でヤクザみたいな鋭い顔、締まった身体に似合っている短髪。怖くなければモテそうなんだが、見た目からして怖いから無理。
中身は礼儀正しく、バレー好きな純粋少年らしいけど。
「くぁ〜〜!どーやったら、あのコースに打てるんだよ!」
「弱点も無いし、不安だなぁ…」
珍しく、チームに不安や緊張といった空気が漂いはじめる。
「先輩〜!俺、あの人のブロック嫌です…」
さすがの俊太も参ってしまった。
「ボクはやるだけのことをやるよ」
「先輩カッコいい…!新たな魅力発k…ぎゃふっ!」
…いや、全然参ってなかった。
公式アップをとり、いよいよ試合だ。
「「「帝王大附!帝王大附!帝王大附!」」」
向こうはすごい応援だ…
でも、負けられないぞ!
コートエンドに並び、笛が鳴ってから相手と握手する。
雷同がボクと握手する時に、
「お前と勝負だ。ぜってーレシーブさせねぇからな」
やっぱり怖い…
ビクッとしてしまった。
雷同はそれを言うと、行儀よく礼をしてからチームのとこへ戻る。
なんだったんだ…
………
1セット目から一進一退を繰り返す。
デュースに入ってから、康平のジャンプサーブで流れが変わり、セットを先取する。
2セット目は、雷同のスパイクが炸裂し、3点差でセットを落とす。
運命の3セット目
13点目を先に取られ、コートチェンジをしようとした瞬間に…
そこから、ボクの記憶は途絶えた。
フラグを立てまくる、無能な作者です。
○☆_(. . _)彡レシーブ!!