選択
Make a decision
すごい、みんなの目が点になってる。
マンガの中だけじゃなかったんだ。
…って、そうじゃなくて!
「女の子になるって本気で言ってるんですか!?」
「そ、そうですよ!オカマになるってことですよね!25年前くらいに流行ったはる○愛みたいな感じですか!?」
「落ち着け、こーへー」
「すいません、さっき、“完全な”女の子って言ってましたよね。どーゆーことですか?」
竜が尋ねた。
言われてみれば、確かに言ってたなぁ…
「あぁ、日本の最新の医療技術で完全な女の子になってもらう。これは政府の極秘プロジェクトで、優姫くんはその1人目として選ばれた。まあ、難しいことや困ったことは我々、政府がバックアップするから!」
「「……」」
シーン…
そりゃ、みんな混乱するよね。
お母さんも困った顔で笑う。
そんな中、ずっと黙ってた夢夏が…
「お兄ちゃんがお姉ちゃんになるの!?
私は大歓迎!むしろ、早くお姉ちゃんになって!!私、お兄ちゃんと買い物とか行くのが夢だったんだ〜。でも、お兄ちゃん一緒に行ってくれないし!お姉ちゃんだったら問題ないよ!」
(いや、問題だらけだよ!)
心の中でツッコミを入れる。
そのあと、夢夏はお母さんに怒られてました。
「でも、どうして優姫なんですか?優姫以外にもいい人がいたんじゃないんですか?」
竜が訊く。
優奈は今は固まって聞いてるみたいだ。
「いや、志願者がいなくてね。条件的にベストマッチだったのが優姫くんなの!お父さんもお母さんもプロジェクトに関わってるから安心でしょ!」
「あー、なるほど」
みんな、ボクの両親の職業は知っていたので納得している。
けれど…
「条件って他にもあるんですか?」
まーくんが尋ねた。
「まあ、色々とあるけど…。そんなに大事じゃないから気にしなくても大丈夫だよ」
き、気になる…
「それより、優姫くんの判断を聞きたい。他のみんなにも協力してもらうから、話をとりあえず聞いててくれ」
「俺たちもですか?」
「性別が変わったら、世界観も大きく変わるからね。親友のサポートは必要不可欠だよ」
「そ、そうなんですか…」
よくわからない…
とりあえず混乱するばかり。
「政府のサポートって優姫本人が希望してくれれば、何でもしてくれるんですか?」
「ええ。国家権力の乱用よ♡」
あ、この人に聞いたらヤバイ。
みんなそんな顔してる。こんな人でも公務員とかなれるんだな。
「じゃ、じゃあ…」
ボクは迷ったけど、やっぱりバレーはやめたくない。
「女の子になります」
交渉どこいったんすかね…
サブタイトル考えるの弱いっす