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第6話

 真っ暗な夜空を飛ぶそりの上でサンタクロースは浮かない顔をしていた。

そりは鳥よりもずっと速く雲の平原を走っていた。

「どうしたんだい?サンタクロース、まだあの女の子の事が気になるのかい?」

サンタクロースは透き通った瞳を伏せたまま何も答えず、そりの走るままにしていた。

 あの女の子はサンタクロースを信じないと言った。

美しい声をあげたので夜が明ければ聞いたことも無いような美しい声で歌う様になるだろう。

でも本当にあの女の子は歌手になりたいと思うだろうか?

「夢を持つ子供があんなに悲しそうな眼をするのだろうか」

サンタクロースには自信が無かった。

「ばかだねぇ、眠っていたら判らないのに起こしちまうからだろ」

レッドはそう言うと「あの女の子の記憶は消しておいたからね」

そりを引きながら振り返りざまにサンタクロースに言った。

確かにプレゼントをあげる際に子供が起きるなんて失敗はこれまで経験が無い。

「だけど夢を持たない子供が増えている。どうしてなのか知りたいんだ」

サンタクロースには、あの女の子の瞳の理由を知る事が夢を持たない子供の理由を知る

その鍵になると思った。

「レッド、夢を与えられない僕達は何のために存在しているんだろう?」

「なんだって?」驚くレッドにサンタクロースは言った。

「僕はもうサンタクロースをやめようと思うんだ。」



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